理想的な企業の情報発信(広報活動)について。

情報発信という事にあまり注力されない企業は意外に多いです。注力されないことはなくても、商品の二の次のように考えられていたり、製品作りでは細かなことにこだわるのに、情報発信では非常に大ざっぱであったり・・・・・。インターネットでリアルタイムに、世界中に情報発信ができる時代です。インターネットのメリットは大きいですが、リスクも生まれます。上手に情報発信することで、商品やサービスが今まで以上に顧客に認知されたり、企業としての印象が良くなったり、あるいは顧客の重要な情報が得られたりします。
大昔から、人間は情報によって動いています。企業ごとに様々な事情や状況があり、状況も常に変化するため、理想的なカタチを実現するのは難しいものですが、原則をちゃんと踏まえるかどうかでも違ってきます。

「広報」という言葉は、広義では企業のPR活動と言う意味ですが、業界用語としては広告宣伝以外のいわゆるメディを使った能動的な告知以外の情報発信をまとめて広報(あるいはPR)と言ったりします。昨今、PRや広報といった言葉がいろいろな場面で使われるので、どのような定義で使われているかが曖昧な場合もあります。また、インターネットが発達して手軽に情報発信ができるようになったため、「広報・PR」の範囲も広がっていると言えるかも知れません。しかし、広告宣伝も従来的な広報も企業の情報発信という面では総合的に考えるべきものです。
ここでは広義の情報発信として広報と捉え、弊社の経験も含めて、大きな意味での企業広報、つまり企業の情報発信とは原則としてどうあるべきなのかと陥りやすい点や忘れられがちな点などをご紹介していきます。ご参考になれば幸いです。

目次

情報発信も企業活動、商品の一環です。

商品やサービスが良いのはもちろんですが、情報発信のやり方も企業の業績を大きく左右します。大昔は、世間に向けて大々的に情報発信できるのは、CMができる大手企業だけでした。しかし、インターネットが生まれてから、そうではなくなりました。そして今や、マスメディアよりもネットのメディアの方が、メディアとしての価値が高まりつつあります。
しかし、こういった環境の変化は手段の変化に過ぎません。重要なのは、発信の仕方や発信内容です。冒頭とは逆のことを言いますが、大昔でも、そのあたりに長けた企業はCMを使わずともファンを増やしています。あるいは、大手企業もかつては小さな企業だったはずです。そのころから情報発信が上手かったから大手になったとも言えるのではないでしょうか。「製品の良さなら負けてはいない」という企業もたくさんあるはずですが、うまく情報発信できてないために広まらないという場合もたくさんあるのではないかと思います。情報発信も製品作りのように配慮して行うべきなのです。

環境は昔とは変わっている

何かを知りたいと思ったらまずネットを検索するのが当たり前の時代です。誰もが簡単に色々な情報を得られる時代になっているため、情報の発信の仕方によって企業のイメージや商品の販売も大きく違ってくると言えます。情報発信が上手な企業とそうでない企業の違いはどこになるのでしょうか。それは、情報の受け手側に立てるかどうかと戦略があるかどうかです。これは情報発信ということでなく商売そのものにおいても同じですが、いわゆる客目線をもてるかどうか、売りための作戦があるかどうかです。情報発信も売るための活動の一環なので、当然売り戦略の中のひとつになるというのは周知の事と思います。

「誰もが簡単に情報を得ることができる」という時代では、それだけ情報の値打ちが下がっているとも言えます。苦労しない分、軽く捉えられがちです。そういう面で、情報を探している人の心を捉えるような発信の仕方が重要になって来ます。人の心を捉えるのは、ストーリーでありドラマです。人気のある企業の情報には、それがあります。ただ情報を羅列するだけでは、発信とは言えません。情報の羅列にならないようにいかに紡ぐかということが、値打ちのある情報発信の要になってきます。

情報発信と共に情報の受信を

情報は発信するだけでは終わりません。発信された情報に対する反応や商品に対する反応があるはずで、情報や商品がどのように受け入れられているかという情報を受信することも大事なことです。リサーチという程でなくても常にお客さんの声を聞いておくことも重要です。例えば、通販サイトのレビューなどは、それ自身が情報発信にも受信情報にもなっています。
情報発信はつまり顧客とのコミュニケーションの一環であるので当然顧客からの情報レスポンスがあって初めてコミュニケーションになります。一方的に発信ばかりしていてもこちら側の事情や目線だけになりズレてきます。発信と共に常に受信することが重要です。
人間のコミュニケーションでも、相手とお話をしながら相手の反応を表情や仕草などから無意識に探っているでしょう。その反応によって、表現を変えたり話を変えたり、時には話を中断したりします。企業のコミュニケーションも本質的には同じです。

時間差にも留意する

ネットでの情報発信受信は、リアルタイムに行われます。発信するとお客さんはすぐに見ることができ、企業もお客さんからの声をすぐに聞くことができます。そういった時間差は、ネット以前に比べて数百分の1位になっているといっても過言ではありません。例えば新製品の情報を発信すれば、たちまち反応が返ってきて手応えが分かるということもあります。こういうことは、ネット以前では不可能でした。一方、印刷物などでは発信までに時間がかかりますが残り続けます。そのあたりの特性を活用するというのも情報発信のノウハウのひとつです。

情報発信のポイント

広告から現場まで

情報発信は、広告や広報活動はもちろん厳密に言えば現場での接客にまで含みます。お客さんとのやり取りのなかで、どのように返答するか、どういった場合にどう対応するかという行動規範も企業情報の発信になります。ロゴマークや製品のデザインも情報のひとつです。広告やWEBなどで発信されていることと、現場で受けた印象が異なると信頼が揺らぎます。逆に相違がなければ、お客さんの信頼が高まります。そういう面でも、WEBや広告では実態のない表面的なメッセージ発信するべきではないですし、WEBや広告で発信しているメッセージは、現場の社員にもしっかりその内容を浸透させておくべきです。

プラスイメージを与えるよりも重要な事

情報発信というととかく好印象のアピールばかりを考えがちですが、そのためにそうでない面がおろそかになり、間違いや曖昧な情報になっていると、そこがマイナス印象を与えてしまいます。人付き合いでも、相手の人のちょっとした言葉遣いや仕草が気になるとそのことを良く覚えていませんか。人間は、自分へマイナスを与えることの方が良く覚える傾向にあります。なぜなら、それが自分への実害になる可能性があるからです。
人間は、プラス要因を得ることよりもマイナス要因の回避や脱出の欲求の方が強いという特性があります。こういったマイナス印象を生むのは、枝葉末節の細かいところが多いと言えます。なぜなら、大きな話ばかりを気にして小さな言葉遣いや表現をおざなりにしているためです。それはつまり配慮が足りないということでもあります。
それはやはり、そのまま企業の印象として受け止められてしまいます。情報発信では、マイナス印象を生まないような細かい配慮も重要です。

正直であること、誇大表現をしないこと。

ネット以前の時代では、企業は自社の商品の特長を少々誇大に訴求しても結局は買った人にしか分からないことなので済んでいました。しかし、今は、レビューが載ったり買った人がブログで書いていたりするので、誇大訴求がたちまちバレてしまいます。あそこの商品は、訴求されているほどでもないというレッテルを貼られると、すべての情報の信用性が落ちてしまいます。時代は変わっています。正直な情報発信が信頼をつくります。そのためにも、曖昧な情報ではなくしっかりとお客さんに届くやり方が重要になります。

品格が信頼を生む

品格と言うことがあまり言われませんが、これからの企業には品格が求められてくると思います。情報発信においての品格は、企業の価値観や美意識などが一貫していることが重要です。そのためには、企業の考え方や価値観をしっかり発信しなくてはなりません。その時、どこの企業でも通じるような有り体の話ではなく、その企業ならではの語り方であることが重要です。また、デザインの統一感や色彩、デザイン性などにも品格が表現されます。また分かりやすいことも品格につながります。分かりにくいということは、誠実さに欠けるという印象を招きます。この分かりやすさを実現するには顧客目線が不可欠です。受け手にはどう見えるのか、どう受け取られるのかを把握できなければ「分かりやすく」できないからです。

関連する事で気をつけなければいけないのが、ティーザー広告です。最近たまに使われていますが、ともすればあざとくてズルい印象を与えてしまいます。顧客とのよほど親密な関係ができていないと逆効果です。

こういった価値観や美意識による一貫性は、付け焼き刃や一朝一夕にはできないものです。企業の根本的な考え方が明確にあって初めて出来るものです。情報発信の上では、そういったことを体系的にまとめてあることが必要です。

情報発信の目的

最終的な目的は、自社の商品を継続的に販売することです。情報発信は、そのための環境作りとも言えます。もっと現場に寄った枠組みでは、大きく分けて商品やサービスの訴求と企業の情報に分かれます。

商品サービスの告知

これは、商品やサービスの特長や周辺情報を発信し、商品をよく理解して頂くことが目的です。重要なのは、お客さんにとってどのようなメリットがあるかという情報です。とかく、商品の特長ばかりを訴求してしまいがちですが、」それによって顧客にどのようなメリットがもたらされるのか。それによって顧客の購買意欲が生まれます。

企業情報

商品の背景としての企業を知って頂くのも業種によってはとても重要な事です。その企業が何を考えどう行動しているのかを知ることによって、商品の信用や期待も生まれてきます。

戦略と戦術

企業の活動は、何にしても戦略が必要です。特に情報発信を効率良く行うとすると計画的にやるべきなので戦略は不可欠です。一般的に戦略という言葉は、曖昧に使われているようです。戦略とは目的を達成するための作戦であり、戦術は、その作戦を何によってどのように実行するかという技術の具体案です。作戦なくしては戦術もないはずですが、戦術のことを戦略と言われることもあり、結果的に戦略が曖昧になっている場合があります。旅行で言えば、目的地までいかに合理的にたどり着くかという作戦を立てるのが戦略であり、それによってどのような移動手段でいかに快適に行くかという具体的な移動手段を使う技術が戦術です。
企業情報では、発信手段はおよそ決まってきますので、目的を達成するにはそれらをどのように組み合わせて運用するのかという戦略と、個々の発信手段をどのように使って行くかという戦術が必要です。

情報発信の手段

企業情報の発信手段としては、およそ決まったものがあります。このほかにも発信手段はあると思いますが、定番の手段についてのポイントをご紹介します。

WEB

かつては、「ホームページも」作る程度の意識でしたが、今は「まずホームページ」といっても過言ではありません。ここではホームページではなくWEBサイトという用語で説明します。
WEBサイトは、決まったカタチはありません。会社案内にもカタログにも販売店にも成ります。そう言う面でWEBはツールであり素材であるとも言えます。WEBサイトをどのような位置づけで考えるのかによってWEBサイトで発信する情報や構造も違ってきます。
WEBサイトは、紙のようにスペースが限られることもなく、随時更新していけるため最新情報を発信するのが容易であり、またいつどこからでもアクセスできることから営業活動とも連携できるので、WEBサイトを情報発信の拠点(ハブ)として考えるのが一般的になっています。
WEBのデメリットと言えば、ネットにアクセスしないと見れないということでしょうか。例えば、印刷物であれば、テーブルに置いておけばそこに居る人が偶然見つけてみることができますが、WEBは能動的にアクセスしなければ見れません。そういった特性も考慮することが必要です。

メルマガ

メルマガが氾濫し、あまり気にされなくなったところもありますが、顧客も欲しい情報を定期的に送ってくれるのはありがたいものです。顧客ファンを持つサイトでは、メルマガはとても有効です。反面、中身がなかったり、顧客にあっていなかったり、送りすぎたりすると鬱陶しがられ、配信解除にされてしまいます。ただ、こちらから、しかも無料で情報を送れるメディアは他にありませんので工夫してうまく使うべきです。見込み客に向けた情報提供でステップアップ営業にも使えますし、広告媒体としても使えます。HTMLによるビジュアルなメールにすればイメージも送れて効果的です。LINE公式アカウントによるプッシュ情報はメルマガと同じ仕組みです。メリットデメリットも同じです。ただし、LINEの方は、送る回数を増やすためには費用がかかります。

SNS

SNSといってもインスタグラム、フェイスブック、LINEその他にもありますが、それぞれ仕組みや特性も異なりますし、利用する層や特性もが違ってきますので注意が必要です。また、近頃なにかと話題になることが多いので「とにかくSNSで」的な考えをもたれる傾向もあるようですが、商品によっては、ほとんど意味がない場合もあります。
基本的には該当SNS利用者にしか見ることができませんし、SNS内での顧客と良好なコミュニケーションができて初めて発信できるものです。そのためにはこまめなケアが必要ですしリスクもあります。fecebookが登場した当初は、大企業も試験的に使っていましたが、今はほとんど見られません。手間がかかる割に効果が少なくリスクも大きいからです。つまり大企業にとってはあまり合理的な方法ではないということです。しかし、店舗や業種によっては効果的に使えることがあると思います。安易には使えないけど戦略次第では効果有りということではないでしょうか。

SNSの中でLINEは独特の仕組みを持っています。LINE公式アカウントを取得すると、こちらから情報が送れるようになります(お友だち登録をしてもらった人に)。LINEに関しては、今や世代を問わず多くの人が利用しているのでうまく使えれば効果的です。注意しないといけないのは、情報を頻繁に送ると反応しなくなったり、面倒がられて登録を削除されることです。顧客の最も身近なスマホに直接情報が来るため届きやすい反面反感も買いやすいものです。
またLINEのスタンプも上手く活用できれば、企業に親しんで頂けるきっかけになります。ただし、日常的に使ってもらうスタンプを作るのは難度が高いです。しかし、作った当初にご愛敬として使って頂くだけでも良い効果があるかもしれません。イベントや周年記念などで作るというやり方もあるでしょう。

印刷物

ネットが発達しても印刷物には、ネットにはないメリットがあります。デメリットを勘案してうまく使うことが重要です。原稿を作って版にして印刷加工して配送するという工程が必要な印刷物は、最新情報の発信ではWEBには勝てません。しかし、能動的にアクセスしなければ見られないWEBに対して、印刷物は、目に触れるところに置いておけば、人の目に勝手に触れて、見てくれるという可能性があります。また、ページをパラパラとめくってブラウジングしながら全体を見わたしたり、見たいページを見つけたりできるのもWEBにはない特徴です。WEBがどれだけ発達してもおそらく本はなくならないでしょうし、販促物としての印刷物もなくならないと思います。

モノとしての質感や存在感、趣があるので、ネットが発達するほどまた印刷物の新鮮な表現方法が受けるということが起こってくるかも知れません。何でもネットで行なわれるようになった中で、ふと趣のあるDMが郵便受けに入っていると、興味を持ちませんか?人間は、実態なのでやはり五感で感じられるモノには意識が働きます。手で触れて感触が起こるということでの記憶効果は、ネットよりも効果があるのではないでしょうか。企業によっては、何年かごとにその時の自社の状況を新書版の読み物にして取引先などに配布されている例もあります。これなどは印刷物ならではです。

映像

手段としての映像

映像は「手段」と言うより「素材」に近いですが、制作や発信手段が以前に比べて各段に容易になってきたので「手段」として位置づけます。極端に言えば、スマホで撮影してYoutubeで発信。それだけでも企業情報を発信することができます。コストゼロ、手間もやり方によってはさほどかかりません。しかし、だからといって、安易な映像で済むというわけではありません。

時間軸というデメリットと内容の重要さ。

映像制作と言えばかつては非常に費用がかかりましたが、機材が発達し、今では極端に言えばスマホで撮影した映像でも使えます。有名なYoutuberでもiPhoneだけで制作している人もいます。制作や発信は容易になりましたが、肝心なのは中身です。
見落とされがちですが、映像のデメリットは時間軸があるということです。30秒とか1分とか、映像を見るには時間を拘束されてしまいます。現代人は、時間感覚がどんどんせっかちになっているので、例え15秒でも興味のない映像は見たくないのです。Youtubeで勝手に出てきてSkipできないCMにイライラした経験は誰でもあると思います。たった15秒も我慢できないのです。反面、面白い映像なら何十分でも見ます。
企業の情報というのは、顧客にとっては基本的にどうでも良いものなので、それを映像で届けるにはかなりの工夫が必要です。重要なのは、映像の構成や編集です。また、映像をどのように使って行くかという戦略も重要です。それによって映像の作り方が違ってきます。例えスマホで手軽に撮るにしても見てもらえる工夫が必要です。

説明映像にも品質を

商品紹介などで商品の使い方などを映像で見せる場合はとても有効だと思います。映像は百聞は一見にしかずのところがあります。しかし、映っていれば良いというものでもありません。現代人はハイビジョンや素晴らしい映像番組で目が肥えています。この場合も構成やカメラのアングルなど作り方の工夫は大切です。内製化によって社内の方が作られた映像がWEBサイトなどに上げられていることも多いですが、上手に作られているところもあれば、素人仕事が否めないものもあります。光りの状態やアングル、間などが悪く、また映像自体が長くて見ている方がしんどくなると逆効果です。内製で一定の品質が担保できないなら外注した方が結果的に良いはずです。あるいは、外部から映像作りの指導をしていただいて一定の品質を保てるようにする必要があります。

映像の発信場所

WEBサイトを始めYoutube、インスタなどSNSなどで手軽に発信できます。WEBサイトでの掲示もYoutubeを埋め込むという方法が一般的です。かつてはDVDにして配布したりと言うこともありましたが、映像の品質が落ちる上に手間とコストと時間差がかかり、おまけにDVDドライブがないパソコンも多く、スマホでは見れず、今やデメリットだらけでほとんど利点はありません。
また、ネットだけでなくデジタルサイネージでの利用も増えています。駅を中心に人通りの多い場所へのデジタルサイネージ設置が増え、TVCMのような15秒30秒と言った映像によって発信できます。掲載の費用も場所によっては非常に安く、使い方次第で効果があると思います。新たに映像を撮らなくても既存の映像や静止画などを使って制作することも可能です。

メディア

いわゆる広告メディアは、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、その他がありますが、いずれも概して費用がかかるものが多く、どうしても大きな企業しか使えないということになってきます。しかし、ネット視聴が増える中、どのメディアも次第に広告の効果が下がりつつあります。特にTVCMの受け手は年齢層の違いが大きく、それはネット利用者の年齢層と連携しています。ネットリテラシーが低い層がそれがためにTVをよく視聴する傾向があるため、受け手としてのボリュームゾーンになるという傾向です。主に高齢者であり、今後、メディア広告の状況は大きく変化していくと思われます。

ネット広告

メディア広告とネット広告は同じような広告であっても少し異なります。ネット広告には、バナー広告からリスティング広告、Youtubeなど形態や特性が大きく異なり、それぞれに反応が数値で分かるというのもメディア広告と違います。また、グーグル広告などの検索連動型広告などでは、やり方によっては、非常に低コストで効果を上げることもできます。

イベント

2021年8月現在、コロナ禍でイベント類がまったく機能しませんが、イベントも情報発信活動の一環です。イベントと言っても形態や効果目的もいろいろありますが、イベントをすることにより話題になってメディアに取り上げられたり、来場者にSNSで拡散されたりということでPR効果が期待できます。しかし、そうでない場合、手間と費用がかかっただけということに成りかねません。それはもちろん、イベントの内容と場所に寄りますが。ただイベントを行うのではなく、イベントも含めた情報発信のストリーを考えることが重要です。
見本市などへのブース展開は、イベントと言ってもターゲットが絞られて、また、商談ありきの来場者ばかりなので、期待効果は高いです。とにかくイベントはせっかく動く実態があるものなので、映像や写真とネットを利用して、イベントをネタにして発信すると言うことを前提に考えた方が合理的です。

その他

プレスリリース

メディアに向けて自社の情報を発信し、記事にしてもらえる、プレスリリースは、従来からありますがお金をかけず情報を発信できる良い方法です。ただ、メディアが記事に出来るような情報でなければ報道してくれません。業態や規模にもよりますが、常に分かりやすいプレスリリースを配布して、メディアと良いコミュニケーションを保つのも効果的です。狭義で言う「広報」活動のひとつです。

パブリシティなど

メディアとの関係を上手く築けるとパブリシティなどで自社の商品やサービスを取材してもらえたり紹介してもらえたり、あるいは番組や特集で使ってもらえたりします。ただ、こういうことはなかなか狙って思い通りになることではないので、日頃からのメディアとの関係性が重要です。メディア側のメリットを上手に作ってあげることで自社の情報も流れていきます。雑誌などで掲載料を払って記事的に広告をする(その媒体の記事を装った広告)ペイドパブリシティというものもありますが、どちらかといえば広告であり、近年では読者も広告であることを認識していることが多く、従来より効果は薄れているのではないでしょうか。乱暴に言えばスティルスマーケティング的でもあり、一考が必要かも知れません。

アプリ

スマホのアプリもある面では企業情報の発信と言えます。ただし、アプリというものは、何かの仕組みを容易に機能させるためにつくるものであり、企業情報の発信を目的に作るものではありません。また、アプリありきで考えるのも逆です。しかし、とかくこういったツールは、ツールありきで話が持ち上がってくる場合も少なくなく、それを無理矢理進行させると失敗します。何事もそうですが、手段ありきというのは基本的に考える順番が逆なので、どこかに不合理が起こります。目的達成のためにツールを選ぶのが正しい順番です。

オウンドメディア

最近この言葉が盛んに使われるようになっています。オウンドメディアというのは、要するに「自社メディア」という意味でツールそのものではなく概念です。ですからその形態は、メルマガであったりWEBページであったりします。いずれにせよ、マーケティング的に言えば、すぐに何か販売に直結する情報を送るのではなく、何かのテーマに基づいた情報を長期的に送ることで、見込み客を発掘し育てていこうと言う目的のものです。最近話題になってところでは、トヨタの「トヨタイムズ」などが典型的かも知れません。WEBだけでなく印刷物の雑誌も出版しています。オウンドメディアは、主にWEBツールにおける概念かも知れませんが、従来からあるPR誌やハウスオーガンと呼ばれる定期刊行物もオウンドディアと言えます。


ざっと概要を書いてきましたが、環境は日々変化しています。特にネット環境は、仕様や仕組み、ルールも変化しますので、注意が必要です。ご相談等ございましたら、お問合せからお気軽にお寄せください。


 情報発信の進め方

進め方と言っても決まったカタチがあるワケではありません。企業によって、事情や状況も異なるので、自社にとってどのように進めると良いかということを策定するのも大切で、そこを間違うと上手くいきません。ただ、手段ありきで進めると、内容がおろそかになりがちなので、制約があって手段が限られている場合も、方針や内容から決めるのが重要です。頭で考えると当たり前ですが、実際に現場で業務が流れていると手段ありきに陥ってしまう場合は少なくありません。業務が流れている中で、改めて方針や戦略など根幹の部分を考え直すというのは、意外と難しく、それによって現状の枠組みを変える必要がある場合には、それによってあるべき姿が歪められてしまいがちです。

  1. 方針の立て方
  2. 手段の把握
  3. 戦略
  4. 戦術
  5. 社内体制
  6. 実務
  7. 手段のハンドリング