ネットには多くの指南情報がありますが、基本的には、それで収益を得ようとするものです。収益を得るのは一筋縄にはいきません。Youtubeの規定がありますし、その要件を満たすだけの登録者や再生回数を得るにはそれなりの工夫と努力が必要です。しかし、事業者が、販売促進のためにチャンネルを作って動画を上げて、いわゆるオウンドメディアとして運営するのは難しくありません。

簡単に言えば、動画を作って、チャンネルにアップし、それを販促に活用するだけです。
ただ、「動画を作る」というのは、簡単そうで意外と難しいものです。
比較的カンタンに動画を撮ってYoutubeにアップするまでの一例をご紹介します。

目次

■準備

1.台本

まず一番大事なことが台本や絵コンテです。映像を作るときにもっとも重要なのが構成だからです。
構成の良し悪しで映像の質が分かれます。

2.撮影用機材

カメラ

手軽さで言えばスマホが一番ですが、画角のコントロールがしにくいので場合によっては撮りづらい場合もあります。家庭用ビデオカメラ一眼レフが画面のコントロールがしやすいです。一眼レフは映像も静止眼も自由度高く撮れるので重宝します。広角から標準のズームレンズを使えば、大概の場合間に合います。一眼レフは各メーカーから出ている初級クラスのカメラで充分です。多くのYoutuberもそういったカメラで撮影されていることが多いようです。
人気ユーチューバーの中には、iPnoneを立てて撮っているだけという人もいます。いわゆるコンパクトデジカメにも動画機能があるので撮ることができますが、それならスマホの方が便利だと思います。一眼レフのメリットは空気感が出ることですが、それは撮る映像にも寄ります。

三脚

メラを固定するのに必要です。特に1人で自撮りする場合は必須です。自撮りでない場合でも三脚を使う方が安定した映像になります。手持ちだとどうしてもゆらゆらするので映像が見づらくなります。
スマホや家庭用ビデオカメラで取る場合は比較的安価で軽い三脚でも撮影できます。一眼レフの場合は、少ししっかりした物が必要です。ただ、望遠レンズを使う場合はまずないと思うので、本格的な三脚でなくても大丈夫です(1万円以下のもので充分)。スマホで自撮りするためのいろいろな機能のついた三脚が売られているので、そう言うものを活用する方が手間がかかりません。
ちなみに三脚は、重いほどしっかり安定します。動画の場合、新堂などで少しでも動くと画面がぶれるので注意が必要です。また、動きながら撮る場合は、手ブレを防ぐ緩和するジンバル(スタビライザー)も必要になってきます。

照明

すべて自然光で撮るなら不要ですが、商品撮影や室内などの場合はあった方が綺麗にとれる場合が多いです。今はネット通販で5,000〜15,000円程度で使える機材を売っていますので、ひとつ持って置いても良いと思います。

テーブルやスチロール板

商品などを置いて撮影する場合、簡単な台とスチロール板があると便利です。スチロール板は、撮影するモノを置く台としてもレフ板(光を反射させて商品に当てる役割)としても使えます。

3.録音用(場合によって)機材

オーディオレコーダー(スマホでもOK)

ナレーションを別に取る場合はレコーダーが必要ですが、スマホのレコーダー機能でも充分です。クオリティを高めるには、マイクやレコーダーがあれば良いですが手間は増えます。

4.編集用環境

編集ソフト

無料の物も含めて数種ありますが、後々のことを考えるとYoutuberなどで広く使われているAdobeのPremire Proがおすすめです。他のソフトに比べて軽く快適に動くのと多機能でありWindoesでもMacでも使えます。またテロップを入れる場合にも便利な機能があります。

パソコン

スマホでも編集は可能ですが、やはり制約があります。また、できれば大きなモニターがある方がよいです。作業用のウインドウが複数開くため小さな画面では見にくくなります。あるいは21インチ以上のモニターを足して2画面にすると作業しやすくなります。

作業

1.台本づくり

コンテ用紙(一例)

何を見せたいのかによって構成は様々ですが、「絵コンテ」をできるだけ詳しく作る方が、後々撮影がしやすくなります。
絵コンテは、台詞や効果音、BGMなどのオーディオと画面を時間の流れに沿って書いていきます。普通は横に画面と音声やテロップを書き(項目の左右の配置は書きやすいような順で良い)、縦に時間軸になります。静止画や図の画面なども画面の方に書きます。撮影時に変更しても良いので、とりあえずできるだけ具体的に詳しく書く方が段取りが良くなります。

なお、画面の1カットは最低4秒くらいないと認識できないので、
その感覚で考えます。ナレーションは30秒で100字程度が聞き取りやすいスピードだと思います。
始まりのタイトル部分やエンディングなども考える必要があります。

2.撮影

人の撮影の場合

スマホで取る場合を想定してみましょう。自撮りする場合、三脚に固定してしゃべるだけですが、これが意外と難しいものです。しゃべりの得手不得手は個人差がありますし、声の質や発声も同じです。ただ、映像の場合、これらのことが仕上がりに大きく影響します。
また、話す内容を暗記して話すのか、紙を見ながら話すのかによっても違ってきます。Youtuberも人によって様々なようで、細かく台詞を書いてそのとおり喋る人もあれば、話内容を箇条書きにしたもので喋る人もいます。この辺は、いろいろ試してみてやりやすい方法を見つけるしかありません。

注意点は、光の方向です。暗い映像や逆光で良く分からない映像はよくないので、光の当たり具合を注意して撮る必要があります。同じ場所でも時間によって太陽の当たり方が違います。暗い場合は、照明で補うか複数で撮る場合はレフ板(白い紙や発泡板でOK)で光を返してもらう必要があります。
こういった細かいことに留意することで見やすい映像を撮ることができます。

モノの撮影の場合

商品や作例などを撮影するのは比較的簡単です。静止画を使っても良いし、動きのあるものや料理など湯気によるシズル感が必要なモノは動画で撮りましょう。大事なのは光をちゃんと回してあげることです。ライティングの仕方はいろいろありますが真上から、あてるのが基本です。少し立体感や空気感を出したいときは、斜め向こうから光を当てて反対側はレフ板で光を返してあげると自然な光になります。自然光が良く入る場所なら、自然光だけで撮るのも良い感じになります。その場合も反対側が暗すぎる場合は、レフ板で光を返すと良くなります。光のあて方ひとつで印象が変わるのでいろいろ試してみることをおすすめします。

撮影の段取り

シンプルにカメラの前でワンシーンで喋るだけなら、特に段取りは必要ないですが、シーンやカットが複数ある場合は、撮影の段取りをよく考えてから始めないと思わぬ手間と時間を取られます。プロの現場では台本やコンテとは別に香盤表という段取り表を元に撮影を進めます。香盤表にはシーンごとの背景や小物、登場人物などそのシーンに必要な事がまとめられています。コンテの順とは別に、共通する背景や小道具などのシーンを連続して撮る方が効率が良いからです。ですから、シーンがいくつかある場合は、書きだして各場面の要素をまとめ、合理的な撮影の段取りを考えることが大切です。もっとも数分の動画ではそんなに多くのシーンもありませんが、商品紹介などでは背景の異なるシーンが連続する場合もあります。

3.録音

モノの画面にナレーションを付ける場合は、別に録音しなければなりません。一番簡単なのは、スマホです。ただ、録音する環境が大事です。できるだけ反響の少ない場所で録音しましょう。布や小物をたくさん置いてあって音を吸収する部屋がよりベターです。寝室などは普通は眠りやすいようにカーペット敷きでデッド(反響が少ない環境)に作ってあるので、カーテンを閉めると良い環境になります。フローリングや壁などがむき出しの場所は避けましょう。反響の音は、録音すると妙に気になるものです。狭くてデッドな部屋が理想的です。話す時は、滑舌に注意して聞きやすいように話すことが大切です。

4.編集

編集ソフトには独特の文化があるので慣れないウチは戸惑いますが、基本的には時間に沿って映像とオーディオのデータを並べて行く作業です。
カメラの前でただ喋るだけの動画ならその映像を切って繋ぐだけですが、複数のシーンやカットがあったり、ナレーションを別に録ったりした場合は、まずナレーションなどを置いてそれに合わせて映像を並べていく方がやりやすいと思います。ただしゃべっているような動画では小さくBGMが聞こえている方がムードが出ます。こういう場合の音楽ではお好きなアーチストのCD等のデータは基本的に使えません(権利の侵害になるため)ので注意が必要です。著作権フリーのBGM素材を使うようにして下さい。喋っている動画では、音がなくてもあるいは聞き取りにくい場合を想定して話す内容のポイントをテロップで入れるのが今風です。このテロップを入れる作業は結構時間を取ります。しかし、テロップがあるのとないのとでは分かりやすさが断然違います。画面の編集はできるだけムダな部分を切ってテンポ良く繋いでいく事が重要です。それらのテンポや間によって見やすさは違ってきます。

5.Youtubeのチャンネル開設とアップロード

Youtubeのアカウントとチャンネルの関係を把握して複数のチャンネルを運営することもできます。動画の説明欄には検索されやすい言葉を入れることが大切です。またサムネイルも興味を持ってもらう重要なポイントです。

6.販促への活用

WEBへの埋め込みやリンクのほか、チャンネル自体の登録者を増やすことでプッシュ型の販促ができます。


ご自身で撮影してYoutubeにアップしたい方は、アドバイスやサポートも可能です。
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