方針や戦略など熟考してプランを作り実務を行っていても、判断に困ることは少なくありません。あるいは、判断が必要なことを気付かずに見過ごしている場合もあります。

忘れられがちなポイント

文章表記を統一することで業務の生産性が向上

意外と曖昧に使われているのが文章のフォーマットです。例えば「〜してください。」と書くのか「〜して下さい。」なのか。意味的にはまったく同じであるし、場面によって違っていても大きな問題にはなりません。しかし、できれば統一されている方がスマートだし、作業上もルールが決められている方が迷わないのでスムーズです。人によって「〜してください。」「〜して下さい。」の判断が違っていたら、文字校正を複数で行うと異なるチェックを付ける人がでてきます。あるいは、カタカナ表記の「−」(音引き)をどうするかとか、どういう場合にカタカナにするのかひらがなにするのかとか、文章を扱っていると、そういう些細な判断が生まれてきます。すると「ここはどうしましょう?」という検討が必要になってきます。こういうものがいくつかあると毎回毎回そのチェックで余計な時間と手間を取られてしまいます。
これは全社的にルールが決まってさえいれば不要な手間と時間です。ひとつひとつは小さな事ですが、そういうことが増えてくると塵も積もればで煩雑になって、手間と時間とエネルギーをとられ、本質的な部分の検討がおろそかになります。実は、こういうどっちでも良いような判断や検討の増加が販促や広報業務を忙しくしていたりします。
企業によっては、ルールブックをつくって表記を統一しています。そうすることによって、ムダな検討作業がなくなり、全社的に文章が統一されてスマートになるという二重の効果があります。企業の規模にかかわらず作っておくと担当者が変わっても簡単に引き継げます。また、外部会社に依頼する際にもそのルールブックを渡しておけば、毎回細かい指示をしなくてもすみます。
昨今日本の会社の生産性が問われていますが、こういった事からも生産性が違ってきます。余計な手間に取られている時間とエネルギーをもっと大事なことに注ぐべきです。

言葉の選択を怠るとリスクになる

最近は、ダーバーシティが重視され、差別や平等性、公平性に敏感になって、ちょっとした言葉の使い方が問題になる場合があります。昔から当たり前に使っている言葉でも時代の流れで、悪い意味に取られる場合もあるので要注意です。例えば「業者」と言う言葉は昔から当たり前に使われており、行政でも「〜業者」といった表現がされています。しかし、取引上優位にあるような企業が、外部の企業を「業者」と表現する場合、差別的に受け取られる場合があります。最近では協力会社、外部協力企業といった表現を使い企業が増えています。こういうケースは今後も増えていくのではないかと思います。「業者」に関しては意識されていない企業もまだまだ多いと思います。しかし、東京五輪での某会長の発言が大騒動を引き起こしたように、本人が悪気はなくても、公の場で従来の感覚のままでいると大問題になります。そういった、ちょっとした言葉の選び方にも企業の意識が現れてきます。

社名やロゴ表記の合理的なやり方

言葉遣いと共に手間と時間をとるのが、社名やロゴマークの扱いです。これもルールが決まっていないために、いちいち上司や以前の担当者に確認したりという作業が発生します。またその際に社内の色々な人からいろいろな意見が出てきますが、バラバラな意見になったりし、指針がないためまとまりません。仕方なく、とりあえずということで処理したものの、同様のことが発生するとまた同じ事が繰り返されたりして非常にムダな手間とエネルギーを使います。
専門家をまじえてきちっとルールを決めておけばそういった手間はいっさい無くなります。この場合の専門家というのはデザイナーなどの視覚の専門家だけでなく、総合的に企業の情報コミュニケーションを判断できる人がいるのが望ましいです。なぜなら使用する場面や会社の思いなど、造形だけではない面の視点も必要だからです。もちろん、そういう視点を持ったデザイナーであれば理想的です。

説明は明快に、表現は豊かに

説明する情報

ちょっとした文章表現に企業の個性が表れます。企業の情報には、説明する情報と表現する情報があります。商品や企業情報など、説明する文章や絵や写真というものは、分かりやすくなければ意味がありません。

文章の分かりやすさ

一般的には小学生でも分かる優しい用語を使って簡潔に書いてあることが大切です。そのためには、見る側の視点、いわゆる顧客目線が必要です。顧客から見えるとこの説明をどのように見えるかを意識していれば、どのように構成すると分かりやすいかが分かります。ただし、顧客を意識するあまり過剰な丁寧語で書いてあると余計に分かりにくくなる場合もありますので注意が必要です。また業種にもよりますが、業界の人しか分からない専門用語や業界用語で書いてあるのは、一般に向けた情報では御法度です。また、いわゆるトレンドの言葉を駆使して書いてある場合も少なくありません。特に良く指摘されるのがカタカナ言葉です。日本語として一般化しているものは良いですが、最近のトレンドとなっているような言葉は概ね一般化していません。加えて省略語なども分かりにくいものです。また、顧客に説明する場合に省略語を使うということは礼節面からもあまり良いとは思いません。使う場合は一度省略せずに記述し「以下LPと省略」のように但し書きをいれる方がよいと思います。もちろんこれらの処置は、時と場合によります。特定の層に向けた情報で、省略語の方が理解が早い場合もあります。
専門用語を使っていてもカッコで一般的な言葉を補足してあったり、脚注で説明してあったりするとその企業の配慮を感じます。そういう細かい気配りでその企業の個性が感じられます。昨今の情勢でSDGsを謳っている割には多様性に配慮されていないという場合も多いので注意が必要です。
説明の情報で、そういう分かりにくい言葉でひっかかると途端に説明全体が頭に入りにくくなり、発信する企業にとっても不都合なことになります。

図表の場合

説明は文章だけではありません。図表や写真などもあります。図表で気をつけなければいけないのが、何を説明するためのものなのか、あるいは何を見せたいのかということです。
そのためには、できるだけ余分な情報がない方が良いです。ときどき見かけるのが、図表に過剰なデザインが施されて、デザインの方が印象強くて肝心の図の中身が分かりにくい場合です。その図表が配置されている周囲にマッチしたデザインであることは必要ですが、溶け込みすぎて中身が分かりにくいのは本末転倒です。また、写真の場合、アングルによってどこを見せたいのかが分からない事もあります。
そう言う場合は、写真に矢印や書き込みをするかキャプション(短い説明)を付けるかする必要があります。また、自社で撮影されたのか、暗かったり余計なものが写っていて分かりにくい場合もあります。掲載する側は分かっているので気付かないということだと思いますが、常に顧客にはどう見えるかを意識しておくことが大切です。

表現する情報

厳密に言えば人に説明をすること自体も表現だと言えますが、ここでいう表現とは、主に企業メッセージや商品のイメージを伝えるという意味です。具体的には、企業のビジョンや企業イメージ、広告表現などになります。そういう表現は、豊かでイメージが広がるものでなければ意味がありません。説明すると言うことはロジカルに処理できて、ある程度正解がありますが、表現というのは感性の分野であり正解というものはありません。それだけに、情報を作るのも発信するのも効果を測定するのも難しいものです。主に社内で制作すると言うより社外の専門家に依頼すると言うことが多くなると思います。

企業のメッセージの発信

ここで言う企業のメッセージとは、理念であったりビジョンであったりという企業全体のことです。なぜか軽視されがちですが、真剣なお客さんや取引先、あるいは転職希望者ほど、「この会社は何を考えている会社なのか」ということを気にします。また、企業メッセージを真剣に作ることで経営者自身の考え方を整理できるという効果もあります。人間は考えていることしか言葉にできません。厳しく言えば、ちゃんとした言葉にできないのはちゃんと考えられていないと言っても過言ではありません。企業にとって、企業の根幹の考え方を明確にすると言うことは非常に大切なことです。特に今までは形をなぞっていればできた商売でもこれからは、独自の道を切り開いていかなければいけなくなります。その時に、どう考えどっちの方向を目指すのかが明確でなければ会社は頓挫してしまいます。

・ストーリーのあるメッセージが共感を生む

会社全体として独自の言葉でまとまったメッセージを発信している企業はどれだけあるでしょうか。メッセージを掲げておられる企業でも、本当のメッセージになっているでしょうか。どの企業でもあてはまりそうな有り体の言葉になっていないでしょうか。自社のメッセージになっている言葉の意味(自社の意味するもの)を詳しく説明できるでしょうか。できなければ、メッセージとしては弱いはずですし、顧客どころか自社内にも浸透していないのではないでしょうか。
「うちは小さくやっているので大袈裟なメッセージなどないのですよ」と言われる企業もあるかと思いますが、規模の大小にかかわらず、1店舗だけの商店でも商売を立っている限り某かの思いがあるはずなのです。例えそれが創業者から引き継いだものでも、創業者には思いがあったはずです。でなければ、どこかに就職した方が安心です。必然的に創業せざるを得なかったにしても、そこでの決断や思いはあるはずです。一見同じような業種業態でも、経営者の思いはそれぞれにあるはずです。そして商売を通して顧客を思う気持ちもあるはずです。そういうストーリーは、自然にあるはずです。意識されていないだけです。企業のメッセージは、創業時の思いから未来や顧客への思いを綴り、それを社会に向けて発信することで、共感を得、記憶に残り、あるいは好感を持ちそれが商品の購入へもつながり信頼の楚にもなります。

・自らの言葉で語る

メッセージは嘘があっては意味がありません。また、ウソのメッセージは、届かないか分かってしまいます。どこかに企業活動との不整合が見えるからです。逆に企業が発信するメッセージと、その企業の商品やサービス、あるいは接客やアフターサービスなどの間に不整合がなく、一体感があると信頼が高まります。「ブランディング」と言う言葉がありますが、そういった不整合をなくすのもブランディングにとって重要な事です。ただ、そういう信頼は、長年の活動を通して自然にできていくものであり、乱暴に言えば恣意的に「ブランディング」してできる信頼感はどこか危ういとも言えます。いずれにしても、企業のメッセージは借り物ではなく自らが熟考して選んだ言葉で構成されるべきで、その言葉の意味することを詳しく具体的に説明できるものであるはずです。
そう言う視点で改めて自社のメッセージを点検してみると、気がつかなかった自社の思いに気付いたりすることがあります。そうした発見によって、自社を見つめ直し自社の思いを明確にすることで、今度は事業の軌道修正や拡張など、思いに端を発した企業の具体的な活動への反映も起こります。これらの意味で、企業メッセージは飾り物でなく、自らの言葉で地に足のついたものを作るべきなのです。

メッセージの作り方

企業のメッセージをつくろうとして停滞してしまうケースは少なくありません。企業を代表するメッセージですから、いち担当者が勝手に判断して発信できるものでもなく、役員やいろいろな人の了解を得て公開されるものです。

基本的には、代表である社長が書かれるのが一番ですが、色々な事情で難しい場合があります。口頭で話したことを担当者がまとめる、あるいは外部の協力会社にまとめてもらうなどになると思いますが、そもそも元になるメッセージをどう作れば良いか分からない、何を発信すれば良いか分からない、どのように言葉にすれば良いのか分からないという場合もあります。思いは色々成るのだけど、言葉にするのは難しいものです。他社のに倣ってつくろうとしても事情が違うので意外と上手く行かないものです。

企業のメッセージで一番大事なのは、事業をやっている思いです。自分たちはなぜ会社をやっているのか、こういう事業を始めたのか。もちろん、儲けようと思って・・・というのもあるはずですが、それならもっと儲かる商売もあるかも知れません。事業はどれも必ず面倒なことがあります。ましてや創業経営者の創業時は軌道に乗せるまでは一筋縄ではいかなかったかも知れません。しかし、なぜそんなに面倒なことをしてまで今の事業をしているのか。そこに自社の思いがあるはずです。

例えば、全国で頑張っている子育てお母さんを少しでも楽にしてあげたいとか、絵を描いている人に、こんなに美しい色の絵の具があるのを知らせたいとか、さらにそのもう一歩奥に踏み込んだ思いがあるかも知れません。面倒をかかえてでも今の事業を続けている背景には、なんらかその面倒に見合うはずの「思い」があるはずなのです。それを見つけ出して整理視していくと、企業のメッセージができていきます。「思い」が明確になったら、その前後左右の関連事項をチェックして行きます。

例えば・・・

  • 自社は何者でどういう未来を描いているのか。
  • どういう考え方をするのか、それはなぜか。
  • どういう美意識を持っているのか。
  • そういった考えや思いが自社の製品やサービスにはどのように’反映されているのか。

などなど、「思い」を色々な面から語ると具体的な言葉が出てくるはずです。メッセージは、具体的な言葉がある方が説得力があります。抽象的な言葉だらけになると結局何が言いたいのか良く分からない内容になってしまいます。

協力会社の選択

カタチのない業務についての協力会社の選択というのは難しいものです。どんな出会い方をして依頼する側がどれだけ準備しても、実際は取り組みを行ってみないと分からないという部分は残ります。やはり人と人との取り組みであるし、どうしても主観が介在するので100%完璧という状態にはなりません。そういうことを踏まえてどれだけ精度を高められるか、安心してスムーズに取り組めるかということではないでしょうか。信頼関係が不可欠です。

世間で評判の優秀な実績の会社に頼めば上手くいくかというと必ずしもそうでもありません。もちろん優秀な会社は、少なくとも一般的にギャラに見合うだけの内容は提供してくれるはずです。しかし、それが自社にとって正解なのかどうかは、やってみないと分からない部分が必ずあるからです。
協力会社だけでなく自社との相性、担当者との相性、その他いろいろな要素が絡んでくるからです。結果は上手くいかなくても納得できて信頼が崩れない取り組み方、一緒に模索してくれる会社が良いのではないかと思います。世間では有名でも実績を元に言いくるめてきたり、頭から否定したり、横文字を多用した良く分からない説明をしてきたり、ちゃんと説明してくれない会社は注意した方がよいかも知れません。

選ぶ基準の持ち方

  • ちゃんと説明してくれる会社
  • ちゃんと提示してくれる会社
  • 考え方を持っている会社
  • 話を聞いてくれる会社
自社に合った会社を選ぶためには

基本的には、自社に求められる業務のタイプ(特性)に合った会社でなければいけませんが、これがなかなか難しいものです。自社にあった会社を選ぶには、自社が何を依頼しなければいけないかを明確にする必要があります。

印刷物を依頼するだけを考えても求める内容によって選択は変わってきます。自社内で印刷物に関するノウハウがかなりある場合で、細かい色などを問われない場合にはネット印刷が速くて安いでしょう。しかし、自社内には印刷に関するノウハウはなく、賞品などを掲載する場合色にも細かい要求がある場合は、そういうノウハウを持った印刷会社に依頼する必要があります。当然ギャランティは高くなります。それらの判断は、程度の問題があるのでまず自社ではどこまで必要かということを決めなければなりません。

印刷物だけでなく他の分野でも同様な問題があります。いずれにしても、自社の依頼する内容と程度(逆に言えば、自社には何が必要か)を明確にしていなければ、マッチした依頼はできないのではないでしょうか。しかし、自社が依頼すべき内容と依頼先が合ってないケースは少なからず見受けられます。それは、ある分野で信頼関係がある協力会社にそのノウハウを持っていない他の案件も依頼してしまうからです。

これは一例に過ぎませんが、懇意の印刷会社にWebの制作を依頼する場合、その印刷会社が、内容を判断し適切なWEBの専門家を手配できれば問題はありませんが、内容をちゃんと精査せず、とにかくWEBの会社を連れていけばなんとかなると思って手配するとうまく行かない場合もでてきます。このあたりは、その印刷会社の担当者や社内体制によると思います。もちろん、そういう信頼があるからこそWEBのことも依頼したということも言えますが、そのあたりは今度は自社の担当者や自社の社内体制によってきます。そう考えると、やはり重要なのは人と考え方になります。少なくとも考え方が明確になっていないと、正しい判断もできません。

どういったタイプの専門家が自社に合うのか。

専門家、あるいは専門会社といっても色々なタイプがあります。例えばWEBのプランや制作を行う会社ひとつとっても、元々エンジニア中心に発展した会社、WEBデザイナー中心で発展した会社、グラフィックデザインからWEBも手がけるようになった会社、営業会社が制作も手がけるようになった会社、少し考えただけでもこれだけあります。しかし、業界外から見るとどの会社もWEB制作会社として違いが分かりにくいのではないでしょうか。これはどの業界や分野でも同じだと思います。

会社の成り立ちによって、当然、中心になっている人材の得意分野に強いという特性の傾向があります(あくまで一般的な傾向であって、その会社の努力によりバランスの良い特性を持たれた会社もあると思います)。そういったことと、自社のニーズが上手くマッチすれば良いですが、ズレると上手くいきません。これはグラフィックデザインでも、各専門分野でも同じです。全知全能の人間はいないので何らか特性があります。それらを踏まえて自社のパートナーを選ぶのが理想的ではありますが、なかなか細部までは把握できませんし、コミュニケーションの部分での特性もあります。ではどうすれば良いのか。少なくとも、選ぶ際に、まず自社が必要としている会社の特性を明確にし、知り合えた会社の特性を知るということではないかと思います。そういう意識を持つだけでも違って来るはずです。

中には、仕事なら何でも取ってくると言うような営業中心の会社もあります。そう言う会社でも、ちゃんと判断して適切な専門家を手配していただけるのであれば、営業としてのコミュニケーションが長けている場合、かえってスムーズに進む場合もあります。費用は当然少し高くなるはずですが、スムーズに行くことと勘案すれば総合的にはメリットがあると言う場合もあります。いずれにしても、繰り返しになりますが、まず自社の求める協力会社は、どのような特性なのかということを明確にすることが重要です。

予算とギャランティの決め方

業務には初めから予算が決まっているものもあれば、内容自体が決まっていないので予算も決まっていない場合もあります。はっきりとは決まっていない場合、施策を決めて見積をしてもらい、それから予算に合わせて削るよりも、およその予算規模が決まっている場合は、それを伝えてその中で最大限できる事を考えるのが賢明です。
理由は、予算規模によってできる事が変わってくる場合が多いからです。予算を決めずに見積もり後に、はなはだ開きのある予算枠を伝えられると、結局始めからやり直しになり、制作者側のマインドが下がります。また、見積もりした内容を予算に合わせて無理に修正するとバランスが悪くなります。

適切な協力会社であれば、およその予算ラインを伝えるとバランスのとれた提案を持ってくるでしょう。また、予算を伝えたがために外部会社の都合の良いだけの提案を持ってくる会社とは、そもそも取り組まない方が良いでしょう。
クライアント側があえて予算を伝えない場合、外部会社の都合の良いようにされるといった懸念があるのではないでしょうか。しかし、誠意のある会社であればそんなことには成りません。そのためにも協力会社選びは重要です。

内容の見極め方

内容をどのように見極めるかというのも難しい作業です。その正しい見極めには、目的、そのための戦略が背景にあることがとても重要です。それらによって、同じ内容のものでも判断が分かれてくるからです。判断を間違うと、不要な情報が発信されノイズになり伝えるべき情報が伝わらなくなります。

例えば、新製品を世に出すときに、とにかく名前を覚えて欲しいのに、同時に会社のPRなどを出し過ぎると、その情報に意識が行った場合に肝心の新商品の名前が伝わっていないということも成りかねません。何を告知すべきかと同時に何を告知すべきでないかということも重要です。

 

社内投票は参考程度に

ネーミングやマークなどを決めるときに社内で公募したり人気投票したりと言うことが行われますが、あくまで社内への広報効果や参考情報程度に留めておくのが無難です。

社内の方々は、広報や告知の戦略の詳細を知っているわけではないので、審査にかけられているネーミングやデザインをどういう視点で見ているかはバラバラであるし、そもそも専門家ではありません。どう評価するかは戦略上の問題が大きいので、それを知らない社員さん達が正しく評価できるはずがありません。ネーミングやマークを社内の人気投票で決めるというのは、もっともやってはいけないことのひとつです(笑)

専門家を交える

ネーミングやマークを決めるときには、そういうことへの知見を持った専門家の意見を聞くべきです。もちろん、デザインしたデザイナーにはその意図を詳しく聞くべきですし、それが納得性の高いものならそれで良いと思います。ただし、デザイナーと言われる方のすべてがネーミングやマークの戦略について知見を持っているとは限りません。
デザイナーだけでなく、コピーライターやプランナーなど、こういった業務に関係する専門家はそれぞれに得意分野や守備範囲を持っているので、その中でも知見を持った人に意見を聞くべきです。知見を持った方なら、なぜ良いか悪いかの納得する理由を説明してくれるはずです。

ちゃんと説明を受ける

そもそも、文章でもネーミングやマークでもデザインでも、専門家に依頼した場合は、なぜその案が良いのかやその案の持つデメリットなどをちゃんと説明を受けるべきですし、専門家はちゃんと説明をするべきです。ほとんどの場合は、それで納得できるはずです。納得のいく説明をしてもらえない場合は、そもそもその専門家が適切なのかを考えるべきです。まれに素人に説明しても分からないから説明しないというような専門家の方もおられるようですが、依頼主がちゃんと理解できるように説明するのが依頼された専門家の役目なのではないでしょうか。医師が患者に病気や治療のことを聞かれて「あなたに説明しても分からない」と言うでしょうか?難しい専門分野の話でも、患者に分かるようにかみ砕いて説明してくれるのが良い医師ではないでしょうか。

専門家のつくったものを見極める-1(「素朴な疑問」を投げかける

また、説明してくれても分かりにくいカタカナ言葉や専門用語を使って難しい説明をする専門家も考え物です。説明は受けたけど、なんとなくは分かったけど、しっくりこないという場合は分からない所を素朴に訊ねてみることです。

専門家も相手がどこまで知見があるのか分かりませんので、あまりかみ砕きすぎると説明がまどろっこしいと考えているかも知れません。素朴に質問をして適切に答えてくれれば良いですし、答えられなければ、そのプラン自体に問題があるかも知れません。戦略を組み立てていくと「素朴な視点」がおざなりにされることがありますが、「素朴な視点」はものごとの普遍性だったり原則や本質だったりします。

そういうことを無視してはプランは成り立ちません。説明が分かりにくいときは、「素朴な疑問」を投げかけてみるのが一番です。また、一番最初の目的がぼやけてしまうこともありますので「そもそも何が目的だったか」と言うことも素朴な視点です。あるいは、人間は、便利や快適、美味しいものや楽しいことを好みますし、比較してその優位にあるものを選びます。そういった素朴な視点を忘れずに「素朴な疑問」を投げかけると思わぬ問題点が見えてくることがあります。そういった場合も、素直にミスを認めて一緒に解決してくれる専門家(協力会社)と取り組むべきです。

専門家のつくったものを見極める方法-2

情報発信や広報と言った分野は、専門家(デザイナー、プランナー、コピーライター、カメラマン等)に依頼する場合も多い分野だと思います。専門家から上がってきた提案や成果物をどう見極めるかというのも難しい作業です。

相手は専門家で、こちらは概ね素人です。専門的な話になると素人には分かりません。というのが一般的な認識ではないかと思います。しかし、だからといってチェックを放棄して良いのか、専門家に丸投げで良いのかと言う話です。丸投げの結果、大きな問題に至った例は国の行事を筆頭にたくさんあります。専門家の言うことがすべて正しいわけではありません。理由は2つあります。

ひとつは、自社の事情は専門家より担当者の方が詳しいと言うこと。ふたつ目は、専門家も人間であり、また専門分野において精度が高いということであり、完璧ではないということです。

だから、自社の事情にあっているか、オーダーした内容になっているかを点検すると同時に、なぜそういう内容になっているかという制作や企画の意図の説明を聞くべきです。その上で納得できるかどうかが見極めの判断になると思います。

特に、なぜそういう内容にしたのかという説明は詳しく聞く方が良いと思います。それは同時にオーダー内容や自社の事情へのマッチングのチェックにも成ります。詳しく聞いていくと、思わぬところで勘違いがあったりします。人間ですからそういうことも起こり得ます。そう言う場合に、無理な言い訳や言いくるめをせず素直に改善に対応してくれる専門家と取り組むべきです。ちゃんとした納得が得られると担当者も社内に自信を持って説明できるはずです。協力会社とそういう関係を築くことができれば、広報や情報発信の活動はスムーズで、合理的になります。納得性が低いままだと疑心暗鬼になり、業務に時間とお金のムダが生じていきます。

 

 

 

(以下制作中)

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■計画的に行うために
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