視野を広く持つ

自社には、どのような手段があるのかを点検し把握することは重要です。分かっていると思いがちですが、意外とちゃんと把握できていないこともあります。ここで言う手段は主には、販促ツールなどの事を指しますが、実際面で子細に見ると接客や顧客向けのちょっとした掲示物、立ち居振る舞いなども手段のひとつです。ともすれば販促ツールなどよりもそういった現場の生の対応の方が顧客への印象を決定したりします。
広告などでいくら良いことを言っていても、接客面で不信が生まれると広告の効果は一瞬にして喪失するだけでなく、「口では良いことを言っておいて、やっていることは違う」と反感さえ持たれてしまいます。
また、逆もあります。
現場で誠実な接客等を行っているのに、広告などにそれが反映されていない場合などです。どちらの場合も、情報発信の一貫性が欠けているために起こります。手段を把握することで、顧客とどの場面でどのような接点が生まれるかがわかり、それぞれへの対策を講じることができます。俯瞰して眺めることが重要です。死角があるとそこでの不具合が全体の効果を損ねてしまうことさえあり得ます。例えば、お客様相談窓口での対応を間違えたばかりに、SNSで拡散されて評判を落とすなどです。現代では、大いにあり得ることです。そう言う場合に、マニュアル化するという手段もありますが、それは保険程度に考えた方が無難です。理想は、自社の価値観や方針が全社的に浸透し、マニュアルがなくても、自社の方針を土台に社員それぞれが適切に判断して、対処できることです。逆にそれが実現すれば、手段が把握できてなくても安心です。

受信する手段

情報を受信することに無頓着なケースも意外と多いように思います。例えばイベントなどで、顧客との接触があるのに、そこで顧客の声を聞く手段を講じていない、もしくは定型型のアンケートしか実施していないなどです。例え5問ほどのアンケートでもちゃんと考えて実施すると貴重な情報が得られます。往々にして企業と顧客の間にはズレがあるものです。そのズレこそが企業の課題であり、改善することで収益につながります。受信する手段とその情報を生かす流れを持っているかどうかで事業の展開も大きく違ってくるはずです。受信の手段も営業員によるアンケートから、イベントでのアンケート、あるいは広告でキャンペーンを実施する、商品にアンケートを付帯させるなど様々です。この時、積極的にアンケートの回収率を高めるためにインセンティブを実施している企業が意外と少ないように思います。これは顧客からの情報というものへの値打ちを感じていないからではないでしょうか。顧客から何らかの情報を頂くのは、さらなる収益を生む貴重な情報です。それを提供頂く対価を設定するのは当たり前なのではないかと思います。1枚のアンケートの回答が明日の1千万円を生むかも知れません。また、1枚の回答だけでは見えない傾向が、1000枚になることで分かることもあります。仮に調査会社を使って同様のアンケートを実施するとなると何百万円の費用がかかったりします。それに比べると顧客との接触機会に「ついでに」答えてもらうアンケートへのインセンティブなど比べるほどでもありません。こういった顧客からの情報受信を生かすためには、漫然と実施していてはできません。調査設定を立て、質問を精査し、集計までをイメージしておく必要があります。