販売促進という言葉の概念は、使われる場所によって様々で、特に大手企業では広告と区別されている場合が多いですが、要は広告やネット関連も含めて商品やサービスを売るための告知活動のことです。
商品やサービス(以下まとめて商品と言います)は、買って欲しい人にその存在を知ってもらわないと買ってもらうことができません。そこで「何らかの手段」を使って「知らせる」ことで販売する、それが販売促進の根本です。その「何らかの手段」と「知らせる」内容の組み合わせでいろいろなやり方が生まれてきます。
大切なのは、それぞれに明確な目的(役割)や目標(期待効果)を定めることです。そのためには、その前にマーケティングのストーリー(どうやって売っていくか)が必要です。

2つのアプローチ

販促は、大きく分けて、初めて買ってもらう人向けと、再度買ってもらう人向けでは、やりかたが異なります。
初めて買ってもらう人は、その商品のことを知りません。いくら良い商品でも、その良さを知らないので買う前は懐疑的です。だから、商品の良さ(買う人へのメリット)を伝えることや良さそうに見せることが必要です。
一方、1度買ってもらった人は、その商品がどんなものか知っています。良い商品なら良いことを知っているので、いかに再度買ってもらうかという仕組みをつくることや忘れられないように、頭の隅に置いておいてもらう(マインドシェア)方法を考えなくてはなりません。
いずれの場合も大事なのは、その告知を見て、どう行動すれば良いかを示すことです。良さや仕組みを提示していても、それでどうすれば良いかを分かりやすく提示していないと、忘れられたり、面倒になって買うのをやめたりします。これらのことは、本質的なことであり、広告、チラシ、ネット、イベントなど方法を問わず共通です。

初めて買う人向けの販促

新製品を売り出すときや、商品がまだまだ知られていない時などがこれに該当します。とにかく、知られていないか、知られているけど、まだ買ってもらっていない人に向けてアプローチする販促です。
その状況によってやることは違ってきますが、共通なのは「良さそうに見せること」です。一般的にお客さんは「良い商品だから買う」と思われがちですが、初めて買う人にはまだ良さは分かりません。買う理由は「良さそうに見えるから」です。それは、見た目や商品説明など総合的な判断です。ですので「良さを伝える」ことはもちろん重要なのですが、それをいかに「良さそうに見せるか」が重要です。いくら商品説明で良さを謳っていてもそれをなるほどと思わせるような見せ方になっていないと納得しません。「説明では良いことを書いているが、そうは見えない」となると、買うのを躊躇します。

再び買ってもらうための販促(リピーターの養成)

1度買ってもらって商品を知っているお客に向けて繰り返し買ってもらうための販促です。買っているわけですから、商品のことは一応知っています。
繰り返し買ってもらうには、まず憶えておいてもらう(忘れないでいてもらう)こと、違う使い方や楽しみ方(新たなニーズ)を知ってもらうこと、買いやすくすること(手段・仕組み・価格)などです。これらは商品特性や状況によっても違ってきます。

競合対策

初めての場合もリピートの場合も多くの場合、競合商品(競合他社)があります。商品特性や売り方、場所などで何が争点になるかを考えなくてはなりません。そのままで勝てるのか、棲み分けはできるのかなど、重要になってくるのが「差別化」です。
一般的に商品がコモディティ化(同質化)している現代では、多くの場面で販売促進による差別化が必要であり、難しい課題でもあります。販促においては、主に売り方、見せ方が差別化の場面です。商品が似たようなものであってもちょっとした売り方や見せ方が違うだけで、お客さまには競合商品より「良さそう」に見えます。人間は、感情で動きます。お客さまの心情に訴えかけるアプローチをうまくできれば成功です。

リサーチ

お客さまの心情に訴えかけるには、お客さまのことを知らなければいけません。その方法のひとつが市場調査です。商品開発などでは、市場調査を一切しないという企業もあり、それもひとつの重要なやり方ですが、売り方においては、ちょっとした調査で売り方や販促の切り口が見つかったりします。
特に改めて調査を行う(費用がかかる)のではなく、販促に調査を仕込む(費用が最少)のがおすすめです。単純なものでは、商品にアンケートを入れるやり方です。
また、逆にアンケート活動を展開することでその際に商品を告知するというやり方もあります。重要なのは、質問項目とインセンンティブ(回答を促進するプレゼントなど)です。
良い情報を得るには、的確な質問が必要で、そのためにはマーケティングストーリーができていないと、質問が生まれません。また、人間は自分の働きに対して某かの報酬を求めるものなので、アンケートのお礼としてのインセンティブは多くの回答を得るための必須事項です。そして得られた回答からどのような情報を抽出するのかも、また重要な問題です。これらのやり方次第で、費用対効果は大きく違って来ます。
アンケートでのインセンティブを設定していない場合は多いですが、改めて調査をやることを考えると、非常に低コストです。またインセンティブでのプレゼントは回答いただいたお礼と考えると良いのではないでしょうか。

インセンティブ

前項のような場合もふくめ、販促にはインセンティブがつきものです。概念を広がると営業活動のインセンティブなども含まれますが、ここでは販促分野での話です。分かりやすいのは、プレゼントキャンペーンです。主にマス広告を行える大手企業が実施する場合が多いですが、インターネットができたことで、WEBによる局地的なプレゼントキャンペーンなども実施可能になりました。いろいろな手法があり、うまく仕掛けを作ると購買や認知活動、リサーチ活動などを効率良く後押しできます。ただし、景表法に抵触しないように注意が必要です。

マーケティングストーリー

〜チラシの効用
販促において本来最も重要で、販促活動の最初に考えるべきことがマーケティングストーリーです。戦略を立て、具体的にどう展開するのか(戦術)ということです。その時、チラシを作ってみるというのは、マーケティングストーリーを確認するのにとても役に立ちます。チラシには、マーケティングストーリーが凝縮されており、チラシが上手く作れないときは、マーケティングストーリーがうまくできていないことが多いものです。

戦略と戦術

マーケティングストーリーよりさらに前に考えるべき概念です。戦略と戦術と言う言葉は、混同して使われがちですが明確に違います。戦略とは、旅行で言えば目的地までどの道を通っていくかです。草原なのか山間部なのか、その時の状況や装備、体制を鑑みてどの経路を行くのがもっとも合理的なのかです。戦術は、その手段です。鉄道なのか自動車なのか、歩くのか。戦略は作戦であり戦術はその実行手段です。
そこを勘違いや曖昧な概念によって、戦術ありきで考えてしまい、戦術の組み合わせに終始して実は戦略がない、と言う場合が少なくありません。戦略ができると必然的に戦術の選択肢が絞られてきますので、組み合わせは予算と合理性で決まってくるものです。
ここがしっかりできていないと販促活動全体がぶれますし、ムダが多くなり費用対効果が低下します。

営業活動との密接な関係

当たり前ですが、販売促進活動は営業活動と密接な関係にあります。逆に言えば、営業活動の中でどのように販促を行っていくかということが基本です。
営業マンの個人技に頼る時代ではありません。組織的に営業を行っていく上で、見込み客にどのように効率的にアプローチしていくかを考えることが重要です。
一般的なフォーメーションであれば、まず広く告知して反応を得た見込み客に対して、さらにもう一歩詳しい情報を送って興味をもたせる、あるいは営業マンが行って情報を提供する。その繰り返しで購入に結びついたら、今度は顧客化(リピーター化)するための販促や営業活動を行う。これらは、業態や商品によって違ってきますが、営業活動、営業戦略の一環としての施策であり、販促活動だけを単発で行うというものではありません。

ターゲット

ターゲットを絞り込む効果は、費用の効率化とともに販促活動の個性化にも効果があります。ある層に向けて絞り込んだ販促を行うことで、メッセージがシンプルかつ際だったものになり、周囲から目立つことで結果的に他の層にも認知訴求されます。
絞り込まずにあらゆる層にむけてメッセージすると、どうしても複雑あるいは中庸になり、結果的にどの層にも認知されにくいという傾向があります。

販促のツールについて

広告

かつては、広告と言えばTVのCMが王者でしたが、その時代は終わりました。TV、新聞、雑誌、ラジオのマス4媒体といわれたマス広告の合計をネット広告が抜きました。後述するネット広告は今までのマス広告とはまったく違った構造を持っています。
ただ、人間がリアルな世界を移動する限り、従来型の広告もツールとして機能するはずです。

交通広告

雑誌やテレビなどのマス広告は、高額であり費用対効果を考えると主に大手企業が中心ですが、意外と安価なのが交通広告です。中でも最近増えているのがデジタルサイネージ。デジタルなポスターのようなものですが、動画も可能であるのでアイデアによっては効果的です。また、従来の駅貼りポスターなどもエリア性の高い販促などには有効です。

印刷物

チラシ

インターネットが普及しても、身近で簡単なチラシは、販促ツールの王者です。前述のように、マーケティングストーリーの確認効果もあります。ネット印刷を使えば、昔に比べて驚くほど印刷できるようになりました。商品情報や連絡先、購入方法などを1枚のチラシにしておけば、様々な営業活動の場面で使えます。

DM

大量のメルマガやSUSのプッシュ情報に食傷気味の中で、昔ながらのDMは逆に新鮮で興味を引くかも知れません。しかし、ありきたりのものだと、なかなか開封してもらうことも難しく、DMは見ずにそのままゴミ箱へと言う人も多いので工夫が必要です。

パンフレット、リーフレット

商品を一覧で見せるのは、意外とWEBでは見にくいものです。理由は、ブラウジングができないからです。冊子になった状態で、手に持ち表裏、中のページをパラパラとあちこち見ながら想像力を刺激するという効果は人が手で触れる印刷物ならではです。
ここで重要になってくるのは見せ方です。現物の代わりに見せるので、ここでの見せ方が商品の第一印象を決めてしまいます。しかし、そこを重要視されていないケースは意外と多く、単に情報の羅列、つまりリストのようになっている例は多いものです。少しの工夫で印象が変わるので、見せ方への意識を強く持っておくことが大切です。

映像

インターネットの時代になってまた映像の重要性が高まってきました。Youtubeなどを使いクォリティの高い映像で商品を広く知らしめることができるのは過去にはなかったことです。スマートホンでも充分使える動画が撮影できるので、ネット以外でも商品説明を短い動画で行ったり、展示会などで映したり、商品を売った後の使い方を映像で説明したりと使える場面は多彩です。
しかし、注意したいのは映像には時間軸があるということです。ぱっと見て分かる静止画や印刷物に比べて、見終わるまでの時間が必要な映像は、面倒であるというデメリットを抱えています。映像の長さの考慮と最後まで見てもらえる工夫が必要です。

インターネット

WEB

今さらうまでもありませんが、WEBサイトはインターネットでの企業活動の基本です。いろいろな機能をもたせて七変化できますので、企業活動の中で重要な役割を担うまでになりました。今後もますます重要になっていくのは間違いありません。変化の早い世界で、どんどん新しい技術や考え方が生まれてきます。技術的な面ももちろんですが、企業におけるWEBの在り方というような事を普段から意識していないと七変化できるメリットを生かせません。常に思考&試行錯誤を繰り返していることが重要です。

ネット広告

ネット広告は、非常に多様で複雑でブラックボックスも多く、間違うと無駄な投資になりえる危険性もありますが、グーグルやヤフーなど大手の提供する広告サービスを上手く利用するととても安価で効果的です。そのためには、広告会社にまかせきりにせず自社で研究することが大切です。

SNS

SNSは、業態によって利用価値が大きく違って来ます。安易に始めると逆効果にさえなってしまいます。重要なのは、担当者を決め自社のルールや美意識を明確にした上で行うことです。もちろんうまく使えば、費用を掛けずに大きな効果があがります。SNS同士を連携させることもできるので、うまくやれば効果は倍増しますが、仕組みも複雑なので、自社で早く取り組み試行錯誤でノウハウをつくっていくことが必要です。YoutubeもSNSのひとつです。

●ECショップ

販促とは概念が異なりますが、一昔前に比べるとネットショップを持つことが驚くほど簡単になりました。ひとつの販売チャンネルとして既存チャンネルとの干渉を考慮しながら行ったり、アフターサービスとしての消耗品やパーツの販売(既存販売店では採算性がない場合など)を行うことで顧客サービスになる場合があります。そこでの販売を通して顧客の声も得られるのでリサーチにもなります。
さらにこういったECとSNSを連携させることが可能なので、やり方次第で新しい効果を生みます。