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情報発信の戦略とは。

戦略を立てることは非常に重要です。戦略という言葉はよく使われますが、場面場面で意味することが違ってきます。また、安易に戦術と混同されて使われる場合や単に企画することを戦略と言っている場合もあります。企画の内容が戦略的であるかどうかが重要です。

戦略は、平たく言えば作戦です。戦争で言えば、この戦争をどうやって勝利に導くかという全体的な作戦もあれば、あるエリアでの適地の陣地をいかに奪取するかという作戦もあるだろうし、もっと狭い範囲で、敵陣地で、目標とする場所までいかに移動するかという作戦もあります。

企業の戦略も概念はまったく同じです。ありがちなのが、慣習的に手段(ツール)を整備していつものように実施しているけれど、それぞれの役割(目的)や相関関係が曖昧であることです。そこには目的を達成するためのストーリーがなく、そのため効果も曖昧で振り返りもできません。そういうことがちゃんと点検されずに慣習的に行っているので、慣れてしまって気がつかないのです。実は、そういう状態に陥っているケースは多いのではないでしょうか。

それは、まず目的(あるいは目標)が具体的にされていないからです。

「○○の認知を周知させる」程度の目的は、当たり前の事であって「○○の認知を○○層をコアに○○%認知させる」あるいは「○○を○○として、○○%の人に認知させる」等できるだけ具体的にすることが重要です。どれだけ細かい設定が必要かは、その状況によります。

検証ができる大切さ

目的が具体的になれば、それを達成するために具体的になにをしなければいけないかを逆算的に考えることができます。その際に、いくつかの選択肢があり、どれをどう選択して組み合わせて合理的流れを作るかが戦略です。

戦略の中身にもそれぞれ役割と目的があります。だからこそ、結果を見ての振り返りができ、問題のあった部分が分かって、次回の課題とできるのです。

そういう戦略がなければ、結果を見て何が良かったのか悪かったのかの検証ができません。検証ができないと言うことは、次回へつながらないということです。その結果、ずるずると効果のない施策を慣習的に続けてしまうという事になります。

 

目的(期待効果)の設定

情報発信における戦略では、情報をどのように受け取って欲しいかという目的(目標)を設定する必要があります。

それは、とにかく商品の存在を認知させるというものから、商品を○○として認知させたいというさらに一歩進めたものなど、場面によって様々です。最低どこまでか、可能であればどこまで行きたいかという幅があってもよいと思います。そういう目的を設定する前提には、商品をどのように売っていくかという、商品戦略があります。遡って、そこも重要になります。つまり、企業の情報発信は、起因となる企業活動や理由があり、それを実現するための活動ですので、その起因となるものが明確である必要もあります。

そういう何らか元になる活動が曖昧だと、連関する活動もすべて曖昧になります。

情報発信における戦略は、そういう起因となる企業活動を実現する一環として情報発信の期待効果(目的)を定め、そのための手段とタイミングを定めることだと言えます。

戦略のストーリー作り

目的を設定し、達成するには、どのような作戦で行くかという肝心の部分で卯が、戦略では具体的な手段ではなく、手法を考えます。

「戦略と戦術」と同様に「手段と手法」も混同されそうな言葉ですが、手法は「やりかた」であり手段は「具体的な方法」です。ここで考えるのは「やりかた」です。例えば、「商品を○○のための道具として使ってもらうために、まず店頭に商品が並ぶのと同時にそれをより詳しく知るためのツールを付帯させる。それは顧客と共に販売店にも浸透させるため。浸透した頃を見計らってキャンペーンを開始。顧客と販売店に届く告知を行う。告知の表現では、商品で○○する具体的なイメージを訴求し、概念を変えてもらう。それらによって店頭でも話題になるような状況を生み出す。結果的に狙う顧客層の50%には商品を○○のための道具として認知させる。」のような大ざっぱなストーリー(シナリオ)です。

もちろん、なぜそうするべきなのかも必要ですし、よくある手法などに対して、なぜそれをしないのかを決めると言うことも重要です。
よくドラマや映画の悪者が「よしよし、筋書き通りだな」などというシーンがあったりしますが。この筋書きこそ、戦略のストーリーと言えます。