手段を講じて行くという現場に近い業務ほど、業種や事業によって具体的な状況はさまざまに違ってきます。それだけに基本となる理念や方針が重要です。ハンドリングしていくという事はつまりクルマで言えば運転していくことで、運転しながら周囲の状況も把握し、安全走行をしなければなりません。もちろん交通違反は御法度。そういう本質を情報発信に置き換えると良く分かります。

手段とタイミング

情報発信自体はずっと継続している事も踏まえ、アクションを起こすときの状況をよく把握していなければ成りません。運転で言えば、決まった時間に向けて移動しなければ行けませんが、渋滞は避けたいとき、少し時間をずらして行くなどの措置を執ると思いますが同じです。何かのニュースを流したいけれど、ニュースが多い時期に出しても目立ちません。あるいは’そこで目立つためには、かなりのコストが必要かも知れません。コストをかけずにうまくニュースを届ける工夫が必要です。そう言う場合によく用いられるのが何かとのタイアップなどです。それなりにコストがかかる場合もありますが、タイアップ先と上手く利害調整ができればさほどのコストがかからず両者に撮ってメリットを生みます。ただ、安易にタイアップに頼ると、タイアップというストーリーにどけたい情報が負けてしまうときがありますので注意が必要です。

バランスと一貫性

あちこちでちぐはぐな情報が出ているというのは、最も避けるべきことです。ちぐはぐが分かったときにどれもが信用をなくします。また、最先端の事を提案しているのに、会社周辺のイメージが妙に古い印象を与えるのもあまり良いことではありません。

ただ、そういう企業もたくさんあります。それはすでに古くから一定の信用を得ている結果であり、それを担保に評価されていることを踏まえなければ成りません。またそういう企業もだからといってそのままで良い場合だけではありません。それらの判断は、会社全体の事業の比重や顧客の内容によって判断されるべきものです。メッセージや姿勢が変わらず、商品と企業そのもののイメージが一致しているに越したことはありません。

そういった企業全体のバランスも重要です。企業規模が大きくなるほど難しくなりますが、そういう状況になるほど、理念や価値観、美意識などが重要になります。アップルほどの企業規模になっても創業者の強烈な理念や美意識が浸透しているためイメージがぶれません。広告からWEBサイト、商品のイメージに至るまでが独特のミニマルで最先端のイメージ与え、商品の発表やサポートのやり方までアップル流の哲学が流れています。それらは部分的には顧客にとって不満の対象となります。しかし、部分的には不満を与えるが将来的には必ず顧客のためになるという哲学を持っているかどうかによって、判断は分かれるでしょう。GAFAと呼ばれる企業達は、そのあたりの価値観や哲学が独特であり明確であることも特徴的です。ある面、時代に求められている企業のひとつの要素なのではないでしょうか。

日本でも2010年頃に話題になった日本航空の再生の原動力が「考え方や美意識を変え、全社的に浸透させる」ということでした。京セラの稲森さんの「フィロソフィー」教育を徹底的に行った結果、驚くべき復活を果たしました。それくらい元になる考え方は企業の運命を決めると言っても過言ではないでしょう。情報の流通がどんどん増加し迅速になるこれからの時代はますます必要なのではないでしょうか。

柔軟性をもって行う

戦略は揺るぎないものが必要ですが、戦術には状況に合わせて変えていく柔軟性が必要です。また、クルマに例えると目的地へ決めた時間に行くという命題を考えるとこの時間なら電車の方が確実で早いという事もあります。状況に応じてあるいは予測して手段を変えると言うことです。目的が明確であればいちばん合理的な手段が選べます。

ただし、それぞれの手段の効果はひとつではないので、やみくもに合理的判断で変更するのも注意が必要です。一番のニュースを伝えるときも周辺の企業の印象なども同時に伝わります。また、例えば新聞広告やWEB広告などで継続的に出ている積み重ねが功を奏するという場合もあります。繰り返しになりますが、そういった判断も戦略や目的が明確になっていないと判断に困ります。柔軟性を持つためにも揺るぎない理念や戦略、価値観を持つことが重要です。