食べログ問題に見るルールと法則。

食べログに意図的に評価を下げられたという問題で、賠償命令が下されました。食べログは控訴するようですが、この問題は以前から懸念されている問題です。しかし、どこまで行っても飲食店が集客に食べログを利用している限り、食べログが有利です。両者が公平になることはあり得ないのではないでしょうか。

いくら法律を作っても、アルゴリズムとか、要するに評価の方法は外からは見えません。恣意的にコントロールされても、結局プログラムがどうなっているかというのは食べログ側しか分からないでしょう。プログラムが公開された状態で動いているなら透明性が保たれていると言えますが、そんなことはあり得ません。

微妙に評価が下がって恣意的だなと思っても、「そんなことはしていない」と言われたらそれまでで、恣意的を証明する方法がありません。要するに、食べログのルールの中で集客をしている限り、ルールを作っている方が有利なのです。

では、そんなことをしていたら食べログの信頼性が落ちたら、お客も飲食店も利用しなくなって食べログも困るだろうという考え方もありますが、よほどの不祥事を起こさない限り、おそらくそんなことにはなりません。お店も利用者も手軽だからです。

そもそも「美味しいかどうかの評価」というもの自体があやふやなものです。星3つの店より星4つの店の方が明確に美味しいかというとそんなことは分かりません。「美味しい」感覚は人によって、食べるタイミングによって、お腹のすき具合によって、その他いろいろな条件によってさまざまです。ひょっとしたら人によっては星1つと感じ、他の人は星5をつけるかも知れません。味覚というのは主観なのでそれくらい明確な規準のない、ある面いい加減なものです。その人の中では明確でも人によって様々です。
しかし、それだからこそ大衆はランキングに頼るということもあるし、そもそもランキングが好きです。単にランキングを楽しんでいるウチは良いですが、それがお店の経営に影響し出すと大変です。

食べログを運営するカカクコムがそもそもやっている価格.comは、価格をランキングします。価格というのは数字なので非常に明確です。これは、ウソを掲載しない限りカカクコム側でコントロールできるものではありません。公平だと言えます。

食べログのビジネスモデルも「星は大衆の評価だから公平だよ」だと言うことなのでしょうが、それはプログラム次第で何とでもなります。公平だと見せかけて恣意的にコントロールすることが可能です。「やってない」と言ってもできる事が事実であるし「やってない」ことを立証することができません。ここが価格.comとは明確に違います。

しかし、そんな細かいことを気にするよりは、飲食店にとっては手っ取り早く集客になるし、利用者にとっては、店選びのガイドにはなるので利用がなくなることはないでしょう。
悪く言えば、食べログの思うままです。これは良く言われたネットの世界の法則で先にビジネスを確立した者勝ちです。

一般の商売は、誰のルールでもなく「商売の法則」(=人間の法則)の中で商売が成り立つのにくらべ、食べログを利用するというのは「食べログのルール」の中での商売になります。法則は管理者がおらず普遍的ですが、ルールは管理者が変えられます。

法則とルールの違いをよく認識しておく必要があります。税制や法律を利用した商売もルールの中で商売が成り立っている面で同じです。税制や法律が変わると商売が成り立たなくなります。

同じ星でもミシュランは、大衆に頼らず専任者の規準で判断され判断基準も公開されています。なので、星の判定はミシュランの主観だし、それに反対するお店も出てきます。これはこれでよいと思います。

食べログの場合は「公平に見せかけている」あるいは「(利用者に)公平と思われている」という面で罪深いと言えるかも知れませんが、それを承知で利用している面もあるでしょう。利用していないお店や食べログをあてにしない人もたくさんいるわけですから、結局、利用した方が悪いという話になってしまうのかも知れません。つきつめると「嫌なら使わなければよい」というところに帰結してしまいます。