経営者と社員の違い。

「社員全員が経営者の意識で」というようなことを掲げる会社を聞くことがあります。要するに、「全体のことを考えて動け」という事のひとつの表現だと思いますが、社員さんには伝わりにくいかも知れません。

一般的に社員は、雇われの身であり、会社において自由度は狭いからです。その辺は、社員さんはよく認識していると思うので、「経営者の意識で」と言われても、「無理だよねえ」と返って反発を感じるかも知れません。

経営者においても、社員と経営者の違い(役目や機能の違い)をよく認識されていない場合も多いようです。
経営者が最前線の現場でいつも頑張っていたりというのは、一見現場を大事にする良い経営者のように感じますが、程度によっては違ってきます。

原則で言えば、経営者は儲けの仕組み(事業)を作る人、従業員はその仕組みを運用(継続維持)する人です。経営者は、新しい儲けの仕組みを作ったら、その運用管理を従業員に任せ、また新しい儲けの仕組みを作りにかかるのが正しいカタチです。もちろん、会社全体の方針や管理方法を考えるのは経営者ですが、それも「仕組み」の一環と言えます。ビジネスモデルだけでなく、社内の組織が上手くまわるように考えるのも儲けの仕組みの一環です。

そう考えて行くと「社員全員が経営者の意識で」できればとても良いことですが、社員さんは全体の情報を知る立場にないので、実際問題全体の事を考えることは難しいものです。
「社員全員が経営者の意識で」を実践しようとしたらかなりの情報を可視化し共有できるようにしなければなりません。また、評価方法も考えなければ不公平感が生まれるでしょう。
そういうことをできる企業は、とくに日本の場合極めて少ないのではないでしょうか。
できないのに「社員全員が経営者の意識で」を掲げると、形骸化し逆効果です。
また、見方によっては、経営者の役割を放棄して社員に課しているともとれます。

経営者と社員の在り方こそ、明確にして共有することで会社全体に納得感が広がり、上手くいくような気がします。