ポジティブシンキングの本質とは。

ポジティブシンキングは、自己啓発本などで盛んに言われて特に精神的に落ち込んだり苦境に落ちた場合の処世術としての文脈で語られ、「プラス思考」あるいは「楽観的」あるいは「のんき」的な意味合いもあるので単なる気の持ち方として捉えられてしまいます。しかし、精神的な効果も含め実質的な効果もあることを認識しなければせっかくの考え方がもったいないと思います。

ポジティブシンキングの背景は「ものごとは必ず両面がある」ということです。良い面も悪い面もある。その良い面を捉えるのがポジティブシンキングですが、実際の良い面があるので具体的に捉えて行動に移すことが重要です。人間は、良いことを享受するより悪い状況からの脱出の方に欲求が強いため、どうしても悪いことの方へ目が行きます。

例えば、事業が失敗した、倒産したという事があると、悪いこととしか捉えられません。特に日本の精神文化として、「失敗=悪」というような価値観が根強いので、もう人生も終わりかと、どうしてもそっちの方へ考えが流れます。
しかし、事業に失敗して倒産したということは、どうやれば失敗するかを知ったと言うことだし、倒産したと言うことはその末期にはやりくりが大変だった会社の業務からも解放されるということです。また、そういった状況から解放されると言うことは、新しい生活を始めることができると言うことでもあります。これは実質的にも重要な事です。毎日毎日苦しい業務を続けていては精神的に病んでくるかも知れません。それが長引けば長引くほど時間と労力をムダにします。それは、新たなチャンスを得る機会もなくしていると言うことでもあります。そう言う面では「ポジティブシンキング」という言葉は軽い印象があるので表現としては良くないかも知れません。

これは考え方だけでなく、実質そうだからです。特に時間は待ってくれません。世の中ですべての人に公平なのが時間です。時間をムダにすると言うことが、損なのかということです。

何かで評判を落としてしまったら、それは前より評判を上げるチャンスだと考えるべきです。もちろんそのために努力は必要ですが、落ちた評判とその後の頑張りや結果の比較が大きいほど評価は上がります。これは精神論ではなく実質そうであることを認識すべきです。

かなり昔ですが、大手家電メーカーがレコーダーのユーザーからのクレームに対し、激しく対抗して突っぱねてそのやり取りがニュースになったことがありました。メーカーとしては、技術には自信があり、その自信を揺るがすようなクレームには断固闘うというようなマインドだったのかも知れませんが、結果的に残ったのは、頑固でサービスの悪い会社だなというイメージです。
メーカーにとっては、好感度を上げる絶好のチャンスだったかも知れません。ユーザーの言うことを良く聞き受け止め、それが理不尽なことだったとしても、受け止め代替の新製品と交換するくらいのことをすれば、それがニュースになったらこんな良い宣伝はありません。好感度が大幅にアップしたでしょう。1ユーザーに新品を差し上げるコストなど、大手メーカーにとっては考えるほどもありません。それに倣って、多くのクレーマーがクレームを寄せるでしょうか?そんな事は起こりません。大衆はそんなに邪悪でも暇でもありません。一部のクレーマーは連鎖的に同様の事をするかも知れませんが、統計的にも数は知れているはずです。しかし、メーカーはクレームを悪と捉えて徹底的に悪を排除しようとしました。その結果、メーカーにとってはむしろ好感度を下げてしまいました。

1件のクレームをどう捉えどう行動するかでその後の結果は大きく変わってきます。ポジティブシンキングで、ポジティブメリットを考えるべきなのです。先の大手メーカーは結局、最近も企業ガバナンスを問われたり海外へ身売りかなど悪評が耐えません。