コロナ後の世の中-4 マーケット構造の変化

新型コロナウイルスへの対策は長期化すると言われています。自粛が徐々に解除されたとしても、元に戻った頃には、社会の産業構造がかなり変化しているのではないでしょうか。

インバウンドがコロナ以前のように戻るでしょうか。ITのリテラシーが高くなった消費者が以前のような買い方をするでしょうか。
自粛期に従来のムダに気づいた企業や消費者が、以前のようなニーズを形成するでしょうか。

コロナ対策の追い込まれた時期に、
1)早々にあきらめて廃業してしまった企業、
2)追い込まれるウチに倒産せざるをえなかった企業、
3)資金力等があったためになんとか耐えられた企業、
4)業種的に影響が少なかったために耐えることができた企業、
5)試行錯誤によって生き残った企業、
と大きく5つに分かれるかも知れません。

コロナ後に生き残ったのは、言うまでもなく3)4)5)です。
しかし、コロナ後に最も強いのは5)ではないでしょうか。
3)4)は、影響が少なかったために業態変化はしていません。コロナ後の産業構造の変化で、そのうちついていけなくなる危険性も孕んでいます。
例え今、3)や4)だとしても、常に状況をみて新しい動きに挑戦し5)の企業の体質になっておくことが必要だと思います。

インターネットの情報共有革命によって、すでに必要ではなくなっていたのに、慣習によって継続されていたことは、ことごとくなくなると思われます。例えば、いま、話題になっているハンコのシステム、ムダな会議、企業の人事等々、自粛期に「なくても実質的に困らない」ことに気づき、もっと合理的な「新しいやり方」に替えていく人や企業はとても多いと思います。5Gの時代になり、ただでさえ通信環境が飛躍的に向上します。

コロナ自粛と5G、そしてIT技術のさらなる進化、この3つの出来事が、社会と産業構造をこれまでないほどに変えていてしまうのではないでしょうか。
それは例えば、ブロックチェーン技術によって、通貨自体が変わる、銀行がなくなるというようなレベルのことが起こる可能性はとても高いと思います。デジタルマネーや通貨が発達すると、おそらく最終的にはひとつあれば良い、もしくは不要になるかも知れません。

現に、あちこちで報じられているように多くの銀行の業績が悪化しています。現在の経済構造と社会の成熟の中で、もう銀行という業態自体が機能しなくなってしまったのです。それは、日本の銀行という業態が慣習に縛られていたからです。かつては大学を出て就職する際には「安定した業種」の代表として銀行が存在していました。

多くの人が、仕事内容よりも安定を求めて銀行に行きました。そのようなマインドで日本の銀行は成り立っていたのです。それは、まだ経済や社会に伸びしろがあったために、構造的機能として銀行が存在していたからです。

安定を求めて仕事をする企業には変革も改革も起こりません。つまり、時代が変化しているにもかかわらず、業態が慣習として行われていたからです。

そういう体質の企業が、状況が変わったからといって、変革ができるものではありません。変革というもの自体が分からないからです。
銀行にも志をもって就職した人もいたはずです。しかし、前述のような体質の組織の中で、へたに志を持った人間は居づらくなり、外へ出てしまいます。そうやって、ますます安定志向の人ばかりが残った慣習的な体質のまま来たのが現状の結果です。
銀行だけでなく、このような体質の業種や企業はほかにもあると思います。

日本がGAFAに勝てない理由は、こういう体質が大きいと思います。体質というモノは、相当な期間がなければ変えられません。

運良く、コロナの影響が少ない企業も、これを機に体質改善や新しい事への挑戦を始めなければ、コロナを生き延びたのにコロナ後の変化について行けなくて倒れてしまうことにもなりかねません。