コピーの書き方-2 「形容詞を使わない(具体的に書く)」

一般的に文章の専門家でない方が商品コピー文章を書かれると、やたらと形容詞が使われていて、何か言いたいのだろうけどなんだか良く分かれ穴井というないようになりがちです。
原因は形容詞にあります。商品でよく出てくるのは美しい、おいしい、易しい、おもしろい、楽しい、静か、大きい、小さい・・・などですが、これらの言葉は、主観と象徴が介在しており、非具体的かつ非客観的です。
悪く言えば、個人の主観で勝手に感じていることなのです。

形容詞を使ってはいけないということではありませんが、何かを伝える際の重要な事は、できるだけ具体的に書くと言うことです。
これは、災害情報などでも同じですが、特に災害情報などでは、具体的に書かなければ意味がありません。
「危険が迫っています、注意してください」では、どんな危険があってどのように行動すれば良いのかさっぱり分かりません。「○○地区の1kmまで水が迫っています。すぐに2階より高い場所へ避難してください」と書けば、まず状況が想像できて、避難後の状況も想像できます。この想像できることこそが重要なのです。

商品を買うのは、より良き未来を想像できるから買います。逆に言えば想像できなければ買いたいと思わないのです。
そのためにはより具体的に書くことがとても重要です。
美しいとか大きいというのは、あくまで主観なので人によって違ってきます。もちろん、まず最初に大きな話として形容詞により、話の方向性を示唆することは必要です。そのために形容詞が使われるのは必然性があります。と言う風に実は専門家は非常に細かく考えて書くのですが、話がややこしくなるので、一般的には、できるだけ具体的に書く、言い換えれば形容詞の部分を具体的な内容に変えられないかという風に考えると分かりやすいです。

また、大きい、小さい、美しい、美味しいというのは、基本的にはお客さんがその商品を体験してみて感じることです。それを売る側から言うのは手前味噌で本当はおかしな事です。もちろん一般的なものさしとして「美しいものなのですよ」と言いたいわけですが、伝わるかどうかを考えると、伝わりにくいです。単に「美しいとされる範疇に入る商品なのだな」という分類が示されているだけに過ぎません。
コロナ対策で政府が「安心・安全な〜」と掲げていますが、「安心」は「安全」があることによって国民が感じることです。安全の提供側から「安心」を掲げるのは原則としてはおかしいことです。

例えば、「美しく輝く色です」と言いたい場所は、例えばどのような色なのか。「夕陽に照らされた川面のようにみずみずしくかつピュアなゴールドのような輝きを持っています」と書けば、誰もが想像できるのではないでしょうか。そこにどのような具体性や比喩を用いるのかで商品のイメージやテイストも伝わります。
いくら色が似ていると言っても、「空き地の水たまりに映る夕陽」だと少し場違いに聞こえる場合もあるでしょう。

もっと簡単に言えば、「美しい緑」などは、「新緑の葉のような」とか「朝露に濡れた葉」とかに例えることができます。「美しい赤」だと「バラの花のような深みのある赤」とかです。
あるいは、上質の米を使ったせんべいの「おいしい」などの場合は、シーンに置き換えることもできます。「昔親戚のおばあちゃんの家でもらった醤油せんべいのような懐かしい味」とかは、なんとなく素朴でおいしいイメージが湧くのではないでしょうか。

この「具体的に書く」ということは、実はとても重要であり、難しいことでもあります。そのためには、商品を色々な角度から見ることが重要になります。
そう言う面で、専門家とそうでない方の文章の差のひとつは、そこに出てくると言うことでもあります。

文章表現に行き詰まる場合の多くが、この形容詞問題にあるのではないかという気がします。