マーケティング調査の有効性。

マーケティング調査は、必ずしも有効ではありません。
むしろ有効な場合の方が少ないのではないかと思われます。

もちろん調査の内容によりますが、
有効な結果の出る調査をしようと思うと
相当な労力と費用がかかります。
ですので、多くのマーケティング調査が、
何かの気休めや説明のための強引な裏付けなどにすぎません。

ただし、その結果から某かのヒントが得られるという場合は
少なからずあるので、その程度に捉えるべきです。

アップルのように、マーケティング調査を
一切やらない企業もあります。
それでも大ヒット商品を出しているのだから
調査の有効性というものが分かります。

なぜ調査があてにならないかの大きな理由は、
多くの調査で調査の仕方が甘いからです。
これは、携わる人のスキルや費用の問題です。

その他の理由として、人間というものの特性があります。
調査に於いて、対象者が何かを質問されて、何かを答えたら、
その結果が調査データになるのですが、
人間は「聞かれたらそう思うが、聞かれなければ何も思わない」
あるいは「聞かれたからそう答えたが、
思い直すと答えとは異なる思いがある」、
あるいは「よくわからないが、右と答えた」などという
非常にあいまいで揺らぎやすい特性を持っています。

もちろん、調査方法の工夫や統計学で精度や代表性は
研究されているはずですが、世の中の97%の人は
ものごとをよく考えないという説もあります。

その説からすれば、調査というのは、
よく考えていない人を対象に行っているとも言えます。

また、一番調査しにくいことがものごとの「程度」です。
程度は、人によって物差しが異なるので実際、
多くの人の程度をひとつの物差しで測ることは不可能です。
しかし、人間はものごとの程度によって行動を変えます。

これらを考えるとマーケティング調査の危うさが分かります。
ただし、すべてが無効と言うことではなく、
ユーザーモニターや傾向を探る程度なら有効だったり、
調査の目的と内容によることはもちろんです。

マーケティング調査の精度。

マーケティング調査は、そのやり方によって
精度がかなり違ってきます。
調査の対象が、うつろいやすい感情をもった人間なので、
そのあたりを考慮する必要があります。

人間の記憶や発言はある意味いい加減です。
よく言われる話ですが、
事件の調査で、目撃者がクルマは確かに青だったといっても
事件が解決すると実際は赤だったりすることがあるそうです。
記憶を都合の良いように作ってしまうらしいですね。

アンケートをしても、その場で答えたことが
真意であるかどうかは分からないのです。
そのあたりの精度については統計学で数の論理があると思いますが、
そういったゆらぎやすい状態があることを考慮に入れて
調査したいことに対して、どのような手法を使えば良いかを
入念に練らなければ目的の情報は得られません。

しかし、そうやって調べても
どこまで行っても仮定でしかありません。

マーケティング調査の意味。

マーケティングリサーチは、しばしば、
本来のマーケットを把握するというためではなく、
何らかの理由付けや口実のために行われたりします。
そういう調査は、結果が都合良く加工されます。

また、本当にマーケットを把握しようと行っているものでも
実は精度が低すぎて意味がないものも多くあります。
また、調査データから何を読み取るかがうまく行われておらず
せっかくの結果が生かされていない場合もあります。

一般的なマーケティングリサーチの
半分以上は意味がないのではないかと勝手に想像したりします。

かつてある場所で知った、海外企業のマーケット調査は
その規模と精度の高さで驚いたことがあります。

日本のマーケットに参入するに当たり、
3年かけて些細なな調査を行い、
CMにしても細かいカットまですべて裏付けがあるほど、
緻密なマーケティングプランが組まれていました。
商品を導入して3ヶ月以内に売り上げで
業界3位以内に入るという目標が掲げられ、
目標通り達成されるのです。

その調査の些細さ、分析の緻密さは、
当時日本で行われていたマーケット調査とは別次元でした。
当然、そこに投入される費用も半端ではないと思います。

マーケティングは、科学です。
緻密な論理と方法論で行なわれるべきものであり、
それが行かされる場合とそうでない場合があると思います。

適切な場面で、適切に行われると効果があると思いますが、
よく分からないから調査という程度では、
気休めと浪費にしかならないのではないでしょうか。

マーケティングリサーチの落とし穴。

マーケティングリサーチはあてになるのかという話です。
マーケティングリサーチの精度などについても
過去にかいているので重複するかも知れませんが、
よく考えないとお金をムダにしてしまいます。

まず、何を調べたいのかによって違って来ます。
傾向として効果の測定など、何かをやった結果を調べるには
それなりに頼りになります。
むしろ、客観的な効果については、
調査しなければ分からないともいえます。

注意したいのが未来のことです。
意向調査や嗜好調査などによって「ニーズを探る」というやつです。
これはかなりあてにならないといっても過言ではありません。

調査しなければ分からないようなニーズは、
調査しても結局分からないのです。
こういった調査の場合、質問するわけですが、
人間はゆらぎやすいもので、答えたことがその人の
本当の本意かどうか分からないのです。

警察の聞き込みでも、絶対赤だったと言ったクルマが
実は青だったということが多いと言います。
人間は、その場の状況で自分の思いや記憶を
都合良く変えるのです。

だから、アップルなどの会社は、
一切マーケティング調査をしないと言っています。

また、調査の仕方がとても重要です。
お金をかけて専門機関に依頼するならともかく、
社内の素人が考えた調査票には、間違いがたくさんあります。
さらにその結果の分析や考察も表層的でしかありません。

専門機関に依頼する場合も、相当費用をかけないと
精度の高い結果は得られません。

多くの調査が、建前的な理由付けに使われることからすれば
それで良いのかも知れませんが、
真剣にニーズを探るには、あまり役に立たないと思います。

調査があてにならない理由。

マーケットリサーチの結果を踏まえて
マーケットの購買力やターゲット層あどを策定する際に
年齢層が指針にされることが多いですが、留意すべき点があります。
ほとんどの調査が人口比率を考慮していません。

各世代のサンプルを均等にしていますが、
実際のマーケットでは、人口構成比率が違っています。

結果に人口構成比率を掛け合わさなければ
実際の傾向(勢い)はでてこないはずです。

比率のグラフを見ると10代20代あたりと
40代〜60代のボリュームは倍くらい違います。
(2014時点で)

調査結果で、20代の数値が団塊の世代の倍あるとしても
人口が半分なら勢力としては同じです。
さらに言えば、都市部と地方ではまた異なってきます。

だから、調査する際にサンプル数を
人口比率にあわせた数にしなければいけないはずです。
調査方法に不備があるリサーチは意味がありません。

しかし、年齢層と人口比率を現実に合わせて設定することは
コストがかかりすぎて実際不可能です。
だから行われないのだと思いますが、
それなら調査自体をやめて方がよいでしょうし、
違う視点で調査した方が良いはずです。

一般的にマーケティング調査があてにならないという理由は
そのあたりにもあります。