「私は、ITは苦手」の取り残され度。

未だにインターネットやパソコンが苦手という人がおられます。ガラケーの人もいます。商売をやる上で、それたとても損なのではないかと思います。

ITのツールは、最先端を知らなくても、そこそこ世間並みについて行っておかなけらば、ワケが分からなくなります。デジタルデバイドがどんどん拡大します。

特に経営者の方は、細かいことは知らなくても、どんなことができるようになっているのかということを大ざっぱでも把握しておくことは重要だと思います。
知らなくて得することはひとつもないと言えます。

今まで、出来なかったことが可能になる。今まで想像もしなかったことができるようになる。それがIT技術の進化の凄いところです。

例えば、スマホの無料アプリで、室内の寸法が簡単に測れたり、未知で見かけた花の写真を撮って、すぐにそれが何という花なのかが分かったり、カフェで聞こえてきた音楽が誰の何という曲なのか、どのCDなのかがわかったり・・・・画像認識、音声認識、AIなど様々な技術が使われているのに、無料だったりします。そういうものを普通の人が当たり前に使う時代です。

QRコード決済などもそうです。「よくわからない」ではなくて、積極的に分かろうとすることが大切です。

携帯電話が社会のインフラになっているように、インターネットもすでに社会のインフラです。さらに5Gの時代になると、エネルギーインフラと同じ次元で社会に組み込まれるでしょう。

そうなるとそれらを前提として社会ができあがっていきます。単なる社会の一員としての利用者なら、便利になって良かったと言う話ですが、商売をして行くならその先手に意識を持っておかなければなりません。

社会がそうなると、どういうことが起こるのか、具体的に予測できることもあれば、予測は出来ないけど可能性は想像できることもあります。

苦手意識を持っていると、そういった思考が停止してしまいます。
常に波の端っこにでも乗っかっているように、取り急ぎは、ガラケーをスマホに替えるところからスタートしてみませんか。

アンケートをバカにしてはいけない。

アップルのように「マーケットリサーチはやらない」という企業も多いですが、コトと次第によります。
明確なコンセプトがすでにあってマーケティングを行っている場合は良いですが、マーケットを掴みかねている場合は、何らかの調査をして傾向や糸口を掴むことができます。

マーケットリサーチというと大袈裟なイメージですが、大がかりなリサーチをしなくても、5問ほどのアンケートでも、大きな手がかりが得られることがあります。
回答に意外なことがあったり、集計してみると、意外な傾向が見えてきたりということがあるからです。
しかし、それらもちゃんと調査設計をして戦略的にアンケートを行わなければ価値のある結果は得にくい場合が多いです。

ありがちなのは、何らかの効果測定や調査をしないと社内に報告できないため、担当者(素人)が見よう見まねでありがちな質問を設定し、回答を集計して、有り体な報告書にまとめるという流れです。

せっかく、調査する機会があるのに誠にもったいないことです。
上記のような流れで実施されたアンケートでも集計の仕方や分析の仕方では、新たな事実が見えてくることがあります。

以前行ったエネルギー企業のケースでは、何の思惑もなく訪問PRの”ついでに”かいてもらっていた5問ほどのアンケートが、何の整理もされずに1万5千件もたまっていました。
それをとりあえず集計し、その後さらにクロス集計などをして、分類分析すると、訪問時の会話ではなかなか分からなかった傾向が見えてきたことがあります。その糸口をさらに、その後の訪問で質問してもらうことにより検証し、その後のマーケティング活動の方向性の重要な情報になりました。

こういった集計や分析の仕方は、やはり専門家が行う方がよいです。いろいろなケースを知ってるので、視点が豊富で仮説を立てる想像力も働きます。

たとえ5問程度のアンケートでも、まず、何を知りたいか、何を知るべきか、そのためには何を聞けば良いか。そして、結果をどう整理すれば良いか、結果をどこからどう見れば良いか、それをどう捉えるのかという風に行えば、新たな重要な情報を得られることがあります。

ミンチカツのタマネギ効果。

見せ方や売り方の上手さは、とても些細な事だったりします。
当たり前のことでもひと言添えるだけで、お客さんには全然違って非bきます。

例えば、スーパーの総菜。ミンチカツの売り場にただ「ミンチカツ150円」と書くより「タマネギいっぱいミンチカツ」と書く方が食欲をそそられます。

夏の暑い昼間、ふと見かけた喫茶店で「涼しい店内で、気持ち良いおしぼり、キューッと冷たいアイスコーヒーをどうぞ」と書いてあると思わず入りたくなります。

これらプラスで書いてあることは特別なことではありません。その場面を描写しているだけとも言えます。しかし、それによってこちらの想像力が働いてイメージできるのと、少なくとも書いてあることは保証されるという安心感があります。

そんなも想像したら分かるだろうと思っていると違います。自分に興味の無いことは、いちいち想像しないんです。でも興味のあることが書いてあると想像します。人間は、情報を与えられると自動的に頭が働いて想像してしまう動物なのです。

それと実は安心感も大きいのです。

以前、大手の通販カタログを作っていたときに同じ商品、同じコピーなのに、違うレイアウトにして倍売れたことがあります。
商品は、赤ちゃん用のゆりかごベッド的な商品。初回掲載時は、コピーは、商品番号や価格と一緒に端にきれいにレイアウトされていました。
2回目掲載時は、コピーを1行ずつ分解し、商品写真から引きだし線をだして、該当箇所にレイアウトしました。
なんと、これが初回の2倍売れたのです。
引きだし線で示すことにより、分かりやすいことと安心感があるのだと思います。

こういう些細な事で売れ行きが変わります。

公平な時代、文化が差別化に。

誰もが分け隔て無く情報を共有できるようにしたインターネットが世の中を変えました。
「誰もが分け隔て無く情報を共有できる」とうのは公平であると同時に、嘘やごまかしがしにくくなったと言うことでもあります。
最近の隠蔽事件や不祥事のニュースなどは、誤魔化していてもいずれバレるということを証明しています。

価格も価格.comに象徴されるように、どこが一番安いかが歴然と示されてしまいます。ですからそういった商品の販売店は、真剣にサービスの差別化を考えないと、価格が安いところに勝てません。アマゾンが強いのも品揃えだけでなく、トップクラスの低価格だからです。

ブロックチェーンが普及してくると金融も同じように公平化されていくでしょう。つまり世の中は、情報に於いてはどんどん公平化されていくということです。

商品作りや自社だけのノウハウは表に出ては困ります。しかし、それが完全に守られるかどうかは分かりません。どれだけセキュリティを強化していても、そこにいた従業員が退職し、世間に話せば簡単に公開することができます。そこは、仕組みでは防ぎようがありません。

ではどうするのか?
最後に差別化や情報漏洩の抑制ができるのは、美意識も含めた文化です。

文化だけは、なかなか見た目では分かりませんし、文章でも分かりません、その企業のいろいろな面の断片から総合的に感じる物です。だから他社には、真似ができないのです。

ブランド性と本質的には、同じですが、企業の文化は、対外だけでなく社内にも効果を及ぼします。
社内からの情報漏洩や隠蔽などを防ぐのも、従業員や元従業員にそういう気持ちにさせない企業文化(美意識)が効果を発揮するでしょうし、万一情報漏洩しても企業の損失につながらない(=他社にマネされない)文化の在り方というものがあります。

ある大手化学製品メーカーは、社内の製造ラインを驚くほど公に取材させてくれるという話が載っていました。普通なら企業秘密になるようなことでも見せてくれると。その理由としては、「他社が同じスペックや材料を使っても我が社と同じような商品は作れない。それは企業文化が違うから」と言うことでした。

企業の文化は、採用にも効果を発揮します。自社の文化が強固であれば、採用時にどのような人を採用すれば良いかが明快です。自社に合う人ばかりであればトラブルも少なくなります。
そもそも漏洩させるような人を採用しなくても済むかも知れません。また、自社の文化を明快に語ることができればそれに魅力を感じて優秀な人材が採用できるということもあるかも知れません。
自社の文化をつくるということは、とても効率用の良い企業活動を生み出します。
グーグルの採用基準の一番目は「自社の文化に合うかどうか」だそうです。

今、世界のトップ企業でも幹部が美意識を鍛えるということに注力しているようです。

情報が共有される時代、以前なら差別化要素になったスペックやノウハウだけにこだわっていても差別化できないと言えるかも知れません。

5%×5%=実行することの難しさ。

「こんな商売があったら、ヒットするんじゃないか?」的な話は、しばしば知人との会話の中で交わされたりします。

盛り上がって話を詰めていって「これ行けるんじゃない?」とかなり真剣になってきて、自分でも、これは良いかもしれないと思い始めます。

そしてふと「いや、しかし、こういうことは誰かが考えてやってるだろう」と冷静になってしまってその話は終わってしまったりします。

こうやって新事業を思いついた人の中で、実際にやってみる人は5%だと言われ、さらにその中で、苦難を乗り越えてやり続ける人は、また5%だと言われます。

つまり0.05×0.05=0.0025
事業を思いついた人の中でやり続ける人は0.25%しかいないのです。
10,000人の中で25人です。1,000人だと3人もいません。
その人達が成功を勝ち取るのかも知れません。

この話からは2つのことが分かります。

1つは、競争相手は多くないということ。
「きっと誰かがやっているだろう」と思いきや、意外とやっていないのです。だから、特別新しいアイデアでなくても成功する可能性は十分にあるということです。

2つ目は、実行してもやり続けることは難しいということ。
せっかく実行したのに、うまくいかなくなって途中であきらめてしまう人が95%もいると言うことです。
逆に言えば、そこを乗り越えられると成功するということ。
そのためには、まず情熱が必要です。そして試行錯誤調整してい行く柔軟さ、判断力。

世の中には、商売のアイデアが語られているはずですが、それを具現化する人は希であるということです。それをチャンスと捉えるか、無理なことと捉えるかは、その人次第ですね。

競合は、同業だけではない。

競合は、販売訴求する上で視野に入れておかなければいけない要素です。いまどきは、よほど新しい事業でない限り競合は必ずいます。
また、競合というと、横の視点で同業他社と思いがちですが、それだけではありません。多様化した現代では、他業種、他の商品が競合になって来ます。

かつてマクドナルドが100円バーガーを発売したとき、同業他社には差別化できましたが、100円になったことで、テイクアウトするお昼ご飯のアイテムとして、同じ100円ラインのコンビニのおにぎりが新たな競合になりました。

今なら、缶コーヒーの競合は、同業他社はもちろん、コンビニの100円コーヒーも競合です。他社が横の視点だとしたら、斜めの視点かも知れません。こういう状況は、利用者の立場にたってみると分かります。

もひとつの例。外貨両替業者の店舗の競合は、他社ももちろんそうですが、もうひとつ、空港での両替も競合になります。
何度か海外旅行に行かれた方は覚えがあると思いますが、あらかじめ外貨に交換するというのは忘れたり面倒だったりで、ぎりぎりの当日に空港で両替をすることになって、混んでいて時間がなくて焦ったりします。

関連団体の調べでは、実際そう言う人は多いようで、そういった利用者をうまく店舗で早めに両替させることができれば、お客さんが増えるわけです。
むしろ、同業他社を競合とみるより、空港での両替行為を競合と見る方が、獲得しやすいかも知れません。これは「街の店舗で両替する」という行為に対して「空港で両替する」という行為としての競合関係です。
こういうことは、縦の視点と言えるかも知れません。

競合と聞いて横の視点だけでみると、他社しか見えませんが、縦や斜めの視点で見ると、新たな競合関係を発見できます。

好きなときに出て、嫌いなことはしなくて良い会社。

働き改革と言われていますが、各企業でなかなか実質的な改革は難しいという話を聞きます。

そもそも「働き方」は企業の風土や文化が大きく影響する事、むしろ、働き方こそ企業文化が反映される分野といえなくもありません。
そう言う面で、今まで「非改革的」働き方を実施していた企業がすぐに「改革的働き方」を実現できるわけがないとまで思ってしまいます。

「改革的働き方」というのが適切なのかどうか分かりませんが、いわゆる社員に無理がかからない働き方をしている会社は昔からあります。

岐阜県に本社のある未来工業は、ビジネスに必須だと言われる「ホウレンソウ」を一切禁止し、年間休暇日数はトップクラス、なくなられた創業社長の山田さんは名物社長でした。GWで会社が長期休みの間、商品が欲しい取引先に倉庫の鍵を渡して「勝手にもって行ってくれ」というエピソードで分かるように、そもそも会社の文化が違います。

何かと話題のZOZO TOWNも、6時間勤務、嫌なことはしなくて良いなど、早くから異なる価値観が垣間見れました。社長の前澤さんは雑誌の取材に「どうして8時間勤務を疑わないのですか?」と答えていましたが、そういうみんなが当たり前の常識としておざなりにしていることへ目を向けることが重要だと思います。

最近もっともユニークだと思ったのは、大阪の海産物加工会社です。
「『好き』を尊重して働きやすく」を最優先し、工場のパート従業員は「好きな日に連絡なしで出勤・欠勤できる」「嫌いな作業はやらなくてよい」というルールなのだそうです。従来の常識ではありえません(笑)
しかし、結果的に、業務は順調で離職率が低下し、採用の際の応募も増えたそうです。

これらの事実から「働き方」の本質は何かということを考える必要があると思います。単に残業をなくしたり、育休をもうけたりと、表面的な施策を打っても、ちゃんとした考え方が背景になければやがて歪みを生むでしょう。
働き方改革は、企業文化の改革でもあると思います。

1964年設立の下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社は、残業ゼロに取り組み始めて、実現するまでに13年かかったそうですが、同時に業績もアップしたそうで、働き方の改革にによりその文化が会社に根付き、業績向上も継続するということだと思います。

世代によっても、働くことの価値観は異なります。社会の状況も変化しています。そういったことを踏まえて、本当に何が働く源泉になるのかを深く考えることが必要だと思います。

ネーミングが功を奏するとき。

ネーミングが大事だと言われますが、主に、新たに商品を知ってもらうときは特に重要です。

そんな例を2つ。
有名な古い例ですが、ラ・フランスという果物。洋梨なのですが、つくっているのは山形県です。元々はフランスにもラ・フランスと呼ばれる洋梨はあったようですが、品種が少し違ったり栽培が大変だったりで、絶滅したそうです。

山形県の洋梨は改良を重ね、おいしくなったのですが、当初は「みだぐなし」という名称だったそうです。山形県の方言で「見たくなし」(笑)みためがいびつだったからだそうです。
その時は、味は良いのにさっぱり売れなかったそうですが、ある時、名前をラ・フランスにしたところ爆発的ヒットに。

ラ・フランスという名前から、輸入果実と思っている人も多のではないでしょうか。そんなイメージがおいしさを演出しているのだと思います。

2つ目は最近の事例で、錆びて抜けないネジを簡単に外せる工具「ネジザウルス」日本では大ヒットしたのですが、アメリカでは今ひとつだったそうです。

その理由は、恐竜(ザウルス)は、日本では噛みつく怖いイメージですが、アメリカではかわいいイメージなのだそうで、その商品特性が演出されなかったのですね。

そこで、外国の人にとって「噛みつくイメージはヴァンパイヤ(吸血鬼)だ」ということで名前を工具名のプライヤーと引っかけて「ヴァンプライヤー」とし、持ち手を血の色の赤に変えたところ売れていったそうです。

ネーミングというと家庭用品のイメージが強いですが、どんな場面でも憶えてもらえる、親しんでもらえるためには効果があります。
特に、某かのイメージを持ってもらえることで憶えてもらいやすくなります。

アメリカなどは昔から、ジェーン台風という風に台風にも名前がついています。ジェーンという女性の名前は、「女性は怒ると怖いぞ」というウィットも入っているのだと思います。そうすることで憶えやすくなります。
また、米軍の作戦にも名前がついています。みんなが憶えやすい名前をつけることで、識別性も上がり、コミュニケーションが取りやすくなるからです。

阪急の「はたらく言葉」の広告

「毎月50万円もらって…」 阪急車両ジャックに「時代の違う感性」と批判

 

阪急の「はたらく言葉」の広告が批判されています。これ、TVでも取り上げていましたが、これ「はたらく言葉」と言いながら、多くがいわゆる「働く人」ではなくて経営者や専門職の人の言葉のようです。だから、一般労働者にはどうしても上目線に見えてしまう。共感しにくいと思います。

もちろん賛否両方の声があるでしょうが、経営者の理想論のような言葉で労働者を元気づけられるかなあ??と思ってしまいます。
多くが「言いたいことは分かるけど現実はそうじゃないよ」という感覚なのではないでしょうか?

特に批判の的となったのが「毎月50万円もらって毎日生き甲斐のない生活を送るか、30万円だけど仕事に行くのが楽しみで仕方がないという生活と、どっちがいいか。研究機関 研究者/80代」だそうですが、イラッとする気持ちは分かります。

これで言いたいことを伝えるのに、50万とか30万とかが入ったこの言葉は適切ではないでしょう。しかも「研究機関 研究者」って、一般的な「労働者」ではありません。共感されにくいのではないでしょうか。仲間内だけの会話で言うのなら分かりますが。

「広報で一番重要なのはプラスを出すことよりマイナスを出さないこと」という原則からすると、まずブレーキをかけるべきでした。
そう見ていくとこの広告は一体誰に何を言いたかったのだろうと思ってしまいます。あえて選んだのなら炎上目的?

TV番組では、批判する人に向けて諭すようなコメントが多かったですが、これもまたTVの出演者って勝ち組ばかりなので、そんな人に諭されてもってのが、毎日苦労して労働している庶民の感覚でもあるような気がします。

とはいえ、この広告を「元気が出る」と肯定的な意見もあるので一概に悪いとは言えませんが少なくとも「広報で一番重要なのはプラスを出すことよりマイナスを出さないこと」なので、そこはどう考えられていたのでしょう。

「多くは通勤電車で、ビジネスマンの方が重要なお客様。実際は働いている方々に働くことの意味や尊さなど、応援メッセージで伝えたいという趣旨で出させて頂いた」とのことですが、「働いている方々」の心情が考慮されていないような気がします。

でもまあ、こういうのって、広告だからイラッときても「勝手なこと言ってるわ」って流せば良いだけなんですけどね(笑)
とかく炎上しやすいご時世です。

アマゾンとの棲み分け。

「アマゾン頼み」と言われるほど、アマゾンへの依存度が高まっています。豊富に品揃えをし、こんな物まで売っているのかという細かい部品や趣味性の高いモノまであります。
いまや世界で最先端最大の販売システムや技術を持ち、これでは既存の販売業者はアマゾンに勝てるわけがないと思いがちですが、そうではありません。

アマゾンは、品揃えが多い分、自分で選ぶということをしなくてはなりません。逆に言えば、自分で選びたい人には最適です。しかし、自分で選べない人、選ぶのが面倒な人には、アマゾンは不便なのです。

また、「自分で選べない人」と書きましたが、実際は同じ1人の人でも、ある分野は自分で選びたいけど、選ぶのが面倒な分野もあるわけです。人間の感情や思考(嗜好)は複雑ですから、単純に分けられるものではありません。

そういう自分で選びたくない買い物の場合。アマゾンにもおすすめなどの機能はありますが、あくまで過去のデータから分析した結果をすすめてくるだけですので、的外れな場合もあったりしますし、そこには販売者の意思や気持ちは感じられません。ここも大事なところで、技術によって効率良く処理された販売システムには、気持ちが感じられないのです。実際入っていませんしね。

例えば、リアル店舗のファッションや雑貨のセレクトショップなどは、すべてを網羅していませんがそこには販売店の意思や気持ちがあります。

自分の嗜好に合った見せに行くと、思いもよらない好物を発見して「分かってるなあ」と喜んだりします。

あるいは、嗜好品ではなくても、例えば何かの道具を買う場合、お店の人に状況や事情を伝えると、「そういうことならこれ」という風に薦めてくれます。
そういった店員さんとの会話も買うだけでなく、知見が広がるし、楽しさもあります。

こういったことは、いくら技術を使っても、なかなか実現できないのではないでしょうか。

ECサイトでチャット形式で相談できるところも増えていますが、チャットと対面では、大きく異なりますし、現状のチャット担当者は「担当者」に過ぎないところが多いでしょう。

それに過去のデータを参考にしても所詮は過去の嗜好しか分かりません。人間は未来を目指して生きています。嗜好も心情も変化します。過去にはまったくない嗜好が生まれたりします。人は良き未来を提案して欲しいのです。良き未来がありそうな買い物をしたいのです。
セレクトショップに行く楽しみはそういう未知の未来が見つかるからではないでしょうか。

また人間には「面倒なことが嫌い」という大きな特性があります。
ある面、アマゾンは、あちこちの店を回る面倒や出かける面倒、店員に説明する面倒、売り場を探す面倒をなくしてくれているのですが、逆に「自分で選ばなければいけない面倒」を生み出しています。

多様化した人々の趣向がなくなることはないでしょう。その面で「分かってくれている店」を求める人は多いはずです。また、商品によっては購買後のアフターケアが安心だということもあるでしょう。

そういう面でアマゾンはオールマイティではないし、他の販売企業の棲み分けの余地は、実は多いにあるのではないでしょうか。

ただし、アマゾンは価格も安いので、選択方法として他の店で商品をみつけて、アマゾンで安く買うという層もいますが、それも結構面倒なことです(笑)