あれこれ手を出す社長はダメ社長か?

「うちの社長は、いろいろなことに手を出して
失敗してばかりしているダメ社長だ」なんて
社員や奥さんに言われてしまう中小企業の社長。
これは、決してだめ社長ではないかもしれません。

社長の大事な役目のひとつが、新しい儲けの仕組みを作ること。
つまり新規事業の開発です。

新しい儲かる事業などそう簡単につくれるものではありません。
新しい儲かる事業を見つけるには、たくさんのトライ&エラーが必要です。
ユニクロの柳井さん曰く、10個やって1個成功したら良い方だそうです。

だから可能性のありそうなことはどんどん挑戦して、
だめと分かったらできるだけ早めに撤退する。
それの繰り返しの中で、儲かる事業が見つかるとうことですね。

それは、端から見れば「いろいろなことに手を出して失敗してばかりいる」と
映ってしまうかもしれません。

失敗を繰り返しても
100回目に大当たりしたら、会社はとたんに大きくなります。

シリコンバレーの投資家も500万円程度の投資なら10分で決めると言います。
そうやっていっぱい投資して、ほとんどダメになるけど、
その中で大当たりするものが出て回収できるのだそうです。

新しいことをやり続けるには、
貪欲な好奇心と忍耐や執念が必要です。
あれこれ挑戦し続ける社長は、実は素晴らしい方なのではないでしょうか。

ブックオフの革新性。

ブックオフ古本ビジネスでなぜ成功したか、
その本質は本の流通革命とも言えるものです。

ブックオフが扱うのは古書ではなく新しい本です。
古書ではない「中古本」です。

目利きがなければ扱えなかった「古書」ではなく、
「中古本」をアルバイトでも買い取りと値付けができるように
「ルール化した」事が画期的です。

そのルールには非常に細かい考慮があるようですが、
その結果、新刊書に近い本を
自由な価格で売ることができたという点が、
本の流通として革新的なところです。

本は再販制度に守られて
書店は自由な価格で売ることができません。

小売店が価格主導権を持っていないというのは、
現代では非常に珍しいし、時代遅れの
流通形態とも言えるのではないでしょうか。

面白そうな本もそうでない本もすべて定価販売です。
新刊本などで、もっと安ければちょっと読んでみたいと思う本も
定価なので買わないか、立ち読みで済ますかです。

それに対してブックオフは、売れない本は、
価格が下がっていきます。
だから前述のような本は、ブックオフに行くと買って読めるのです。
なんか、ねじれてますよね(^^)

本離れ、活字離れなどと言われますが、
実は、新刊書の流通が売る側の都合をお客さんに
押しつけているからなのではないでしょうか。

それに面白いのは、ブックオフに並んでいる本は、
すべてが一度売れた本であると言うことです。

新刊書店には、売れる本も売れない本も並んでいますが、
ブックオフに並んでいるのは、売れた本なのです。

ということは、売れ筋が並んでいると言うことです。

こうしてみるとブックオフのビジネスモデルは、
本の流通に関して多くの示唆を含んでいることが分かります。

チラシの意外な効用。

何かの販促を考えるとき、あるいは商品やサービスを考えたとき
一度それを一枚のチラシにしてみるのが良いです。

それによって、何が言いたいのか、何を伝えれば良いのか、
あるいは、商品特長は何なのか、商品価値はあるのかなど、
いろいろなことがチェックできて、
頭の中が整理されます。
その結果、課題なども見つかります。

そうやって何度かチラシをつくって見ることで
精度が上がっていきます。

逆ベクトルのマーケット。

世の中が便利になるほど人間は退化していくと思います。
それを本能的に防止するためなのかどうかは分かりませんが、
不便を楽しむ嗜好が強くなってきます。
人間は常に逆の物事への欲求が生まれてきます。

てづくりやユーズド感覚の流行も
精巧で美しい工業製品への反作用ではないでしょうか。

この先、コンピュータがどんどん進化して
人間の暮らしはもっと多くの部分が自動化されていくでしょう。

そうすると人間は暇になり、
不便なことを楽しむようになります。

それなら便利にしなくても良いのではないかと思いますが、
やはり便利で快適なことには弱いのです。

しかし、便利で快適だけでなく、反対のことを求めるのは、
人間の本能として自然な状態を求めるという事ではないでしょうか。

ですから、文明の逆ベクトルのマーケットとしては、
人間の本能を彫り込んでいくと見えてくるのではないでしょうか。

マズローの5段階欲求に照らし合わせて考えると、
初期の欲求を満たすために文明が生まれたと言えます。

「マズローの5段階欲求」
LEVEL-1 生理的欲求
LEVEL-2 安全の欲求
LEVEL-3 社会的欲求
LEVEL-4 自尊欲求
LEVEL-5 自己実現の欲求

LEVEL-5に近づくほど、文明では実現できなくなります。
消費成熟の社会は、マクロにはLEVEL-5の時代だと言われます。

絞り込むことの重要性-4〜徹底することの重要性〜

前回ユニクロの戦略のことを書きましたが、
絞り込んだとしてもそこに力を与えなければ
絞り込みの力を発揮できません。
選んだ槍を研ぎ澄ますと言うことです。

先のサバのお店も、ただサバ料理だけを出しているのではなく
サバに関するさまざまな情報やうんちくがあり、
卸もやってることからセミナーを開催したり、
極めて高い専門性があります。

物事にはある段階での効果の損益分岐点のようなものがあります。
ある段階までやらないと効果を発揮しないということです。

それは、中身の充実もありますし、
継続などによる量的なこともあります。

宣伝するにもある程度の量を出さないと
認知されないという事があります。
「チラシは4回目から認知される」という著名経営者もいます。

ファックスDMなどは、反応率が0.3%位だと言われます。
1000通送って3人です。
それからすると30人のお客さんの反応を得ようとすると
3万通が必要だということです。

ユニクロの場合は、商品と内容と広告と
どれもを他社とは比較にならないくらい徹底してやったおかげで
一気に認知され大量のお客さんを獲得したということです。
いまや、フリースだけでなくいろいろなアイテムで
ユニクロは認知されています。
しかしもちろん、当時は大変なリスクもあったはずです。

絞り込むことの重要性-3〜打ち出しとしての絞り込み〜

打ち出しとして絞り込むのは、
要するに宣伝するためにひとつを選ぶと言うことです。

かつてユニクロが人気を獲得したきっかけが
フリースに絞り込んだ戦略です。

他の商品も扱っていましたが、
まだまだ、高価であったフリースを驚く安価で
しかも高品質で大量に取りそろえることにより
世間をあっと言わせました。

ユニクロ=フリースという憶え方をされましたが
これによって大量のお客さんが来店し
また、ユニクロという会社を知ってもらえた
画期的な戦略です。

画期的なと言っても、フリースに目をつけただけなのですが、
そこを徹底的にやったところが勝因ではないでしょうか。

ただ、フリースを打ち出しただけでは、
さほど興味を持ってもらえませんが、
ありえない低価格と高品質、そして大量にち、
世間に今までにない衝撃を与えました。

この衝撃が非常に大事だと思います。
つまり絞り込みも衝撃要素のひとつなのです。

1本の強力な槍を選び、その先を鋭く研ぎ澄まし、
渾身の力で放つ。そんな感じではないでしょうか。

絞り込むことの重要性-2〜業態としての絞り込み〜

絞り込みには、業態そのものを絞り込む場合と
業態は一般的なものでも打ち出しとして絞り込む場合があります。

要するに商品自体を絞り込むのか
宣伝として絞り込むのかです。

業態の場合は、一旦始めるとなかなか変えることが難しいので
リスクも大きくなりますが、絞り込みのアピール力は抜群です。

要するにより専門性が高いということです。
前回書いたサバのお店やTシャツ専門のお店、
ある意味ラーメン店もそうです。

しかし、業態の中でもさらに
商品を絞り込むことが必要な場合もあります。
ラーメン店などは珍しくないので、
その店独自の味や商品内容にしなければ
多くの人の関心を集めることができません。

リスクも大きいですが、塩ラーメンの独特の味というような
ディティールが明確になるとPR力も強くなります。
また、商品の種類が少ないと言うことは、
お店のオペレーションが効率化すると言う利点も大きいですね。