返品の価値。

アマゾンの魅力が返品システムにもあるというお話。
アマゾンで買って何らかの理由で返品したいとき、その手続きはとても簡単です。WEBで申し込むと返品用のIDが発行され、それを印刷して返品する商品に同梱して着払いで送るだけです。返品の理由や商品によっては多少異なるのかも知れませんが基本的にはこのような手順です。
申込時に理由を選ぶところがあり、備考も加えてとても簡単です。
商品や状況によるのでしょうが、こちらだけの都合でも返品可能です。

日本の企業の現状をすべて調べたわけではありませんが、日本の企業は返品を嫌う傾向にあると思います。返品の理由に制約があったり、難しい手続きだったり、なんとか返品させないようにしたいという意図を感じさせてしまいます。

お客さんとして、どちらの方が安心して買えるでしょうか?明白ですよね。アマゾンの強さはこんなところにもあると思います。売るだけでなくケアの方も学ぶものが多いと思います。

もともとアメリカは返品する文化が発達していて、ランズエンドという通販会社がいかなる理由でも返品OKを始めたのは何十年も前です。
当時のランズエンドによると返品率は全体の0.1%もないそうで、返品のリスクより、これによって得た信頼の方が遙かに大きいとのことでした。
他の通販会社の例では、届いた商品の袋にミシン目を介して返品用の袋がついていて、伝票にもミシン目で返品伝票がついており、返品する商品にチェックを入れて、返品用袋に入れて(封をするノリまでついている)送るだけという驚くほど簡単な仕組みで感心した覚えがあります。20年以上前の話です。

現在もアメリカは、百貨店から何から返品が容易だそうで、クリスマスプレゼントで送られた商品にさえ返品のシステムが明記してあるそうです。

マーケティング的に考えると返品からは、返品理由、アイテム、苦情、お客さんの気持ちなど、貴重な情報が得られます。これをさせないようにするのは、貴重な情報を得る機会を失っているとも言えます。
マーケティング先進国のアメリカではそう考えるのでしょう。

小売店は「対ネット通販」を考えるべきか?

アメリカでは、3年間で1万店が閉鎖に追いやられたそうです。老舗のシアーズローバックやトイザラスも破綻してしまいました。いずれ日本もそうなると言われています。

しかし、それで店舗を持つ事業者が「対ネット通販」で考えると間違ってしまいます。「ネットにない魅力を」と考えるのは、もちろんなのですが、そこだけにとらわれるのではなく、もっと広い視野でお客さまは何を求めているのかを考えなくてはいけないはずです。

お客さまは、自分にメリットのある買い物をするだけの話です。
小売店がいくらネット通販にない良さ(特長や個性)をと工夫をしても、ネット通販で買う方が便利なものはネット通販で買うでしょう。

ネット通販という業態が生まれて、便利なことこの上ありません。ネット通販で買えるものはそうなるのが自然です。時代が変わったのですから。誰もが便利に安く買えることを望んでいます。そういうニーズにネット通販はぴったりとはまります。

だから、小売店の店頭でそういうものを買う人はネット通販を使えない人と、ついでに買う人だけです。だからいずれ、売れなくなるでしょう。小売店というものそのものが変わっていかないといけない時代なのでしょう。

そんな中でもドンキホーテは、成長を続けています。ドンキホーテでの買い物は「便利」を求めてるのではないわけです。店に来る魅力を提供しているからお客さんはドンキホーテに来るのです。

アマゾンは、お客さまの方を向いて、お客さまにメリットのあることを追求し提供しているのです。小売店がアマゾンを向いて考えるのではなく、お客さまの方を向いて考えることが重要なのです。

こだわりVS分かりやすさ

ちょっとこだわりがあるような雰囲気の良い飲食店に入って、ご飯を食べようとメニューを見るとたくさん書いてあって、しかも良く分からない言葉が並んでいて、何をどう注文したら良いか分からない事があります。
お店の人を呼んで聞くことができるときは良いのですが、忙しそうにされていて、声を掛けにくかったり、なかなか来てもらえなかったり。その間、メニューを片手にぼんやり。混んでるときなどは、あきらめて店を出たこともありました。そういうときに、「初めての方におすすめメニュー」として数点のメニューがかいてあると安心してそれを憂悶するのです。
リピーターや詳しい人には、こだわりのメニューは嬉しいでしょうが、よく知らない初心者には、無用の長物です。
分かりやすくて注文しやすいメニューが欲しいのです。結果的においしければ、また来るでしょう。そうしていると詳しいメニューも分かるようになります。
一般的にたとえこだわりのお店であっても、飲食店に来る客の9割は味にこだわらないと言われます。おいしければ良いということです。
ファッションも同じです。ユニクロの柳井さんは、9割の人はファッションこだわらないと言っています。
いろいろな分野で同様の法則があるのではないでしょうか。

そういうボリュームの人達は、分かりやすくておいしい、楽しい、カッコイイというのが良いのです。
ただし、お店のカラーを作るのは、残りの1割のお客さんですが。

アマゾンとの棲み分け。

「アマゾン頼み」と言われるほど、アマゾンへの依存度が高まっています。豊富に品揃えをし、こんな物まで売っているのかという細かい部品や趣味性の高いモノまであります。
いまや世界で最先端最大の販売システムや技術を持ち、これでは既存の販売業者はアマゾンに勝てるわけがないと思いがちですが、そうではありません。

アマゾンは、品揃えが多い分、自分で選ぶということをしなくてはなりません。逆に言えば、自分で選びたい人には最適です。しかし、自分で選べない人、選ぶのが面倒な人には、アマゾンは不便なのです。

また、「自分で選べない人」と書きましたが、実際は同じ1人の人でも、ある分野は自分で選びたいけど、選ぶのが面倒な分野もあるわけです。人間の感情や思考(嗜好)は複雑ですから、単純に分けられるものではありません。

そういう自分で選びたくない買い物の場合。アマゾンにもおすすめなどの機能はありますが、あくまで過去のデータから分析した結果をすすめてくるだけですので、的外れな場合もあったりしますし、そこには販売者の意思や気持ちは感じられません。ここも大事なところで、技術によって効率良く処理された販売システムには、気持ちが感じられないのです。実際入っていませんしね。

例えば、リアル店舗のファッションや雑貨のセレクトショップなどは、すべてを網羅していませんがそこには販売店の意思や気持ちがあります。

自分の嗜好に合った見せに行くと、思いもよらない好物を発見して「分かってるなあ」と喜んだりします。

あるいは、嗜好品ではなくても、例えば何かの道具を買う場合、お店の人に状況や事情を伝えると、「そういうことならこれ」という風に薦めてくれます。
そういった店員さんとの会話も買うだけでなく、知見が広がるし、楽しさもあります。

こういったことは、いくら技術を使っても、なかなか実現できないのではないでしょうか。

ECサイトでチャット形式で相談できるところも増えていますが、チャットと対面では、大きく異なりますし、現状のチャット担当者は「担当者」に過ぎないところが多いでしょう。

それに過去のデータを参考にしても所詮は過去の嗜好しか分かりません。人間は未来を目指して生きています。嗜好も心情も変化します。過去にはまったくない嗜好が生まれたりします。人は良き未来を提案して欲しいのです。良き未来がありそうな買い物をしたいのです。
セレクトショップに行く楽しみはそういう未知の未来が見つかるからではないでしょうか。

また人間には「面倒なことが嫌い」という大きな特性があります。
ある面、アマゾンは、あちこちの店を回る面倒や出かける面倒、店員に説明する面倒、売り場を探す面倒をなくしてくれているのですが、逆に「自分で選ばなければいけない面倒」を生み出しています。

多様化した人々の趣向がなくなることはないでしょう。その面で「分かってくれている店」を求める人は多いはずです。また、商品によっては購買後のアフターケアが安心だということもあるでしょう。

そういう面でアマゾンはオールマイティではないし、他の販売企業の棲み分けの余地は、実は多いにあるのではないでしょうか。

ただし、アマゾンは価格も安いので、選択方法として他の店で商品をみつけて、アマゾンで安く買うという層もいますが、それも結構面倒なことです(笑)

接客の盲点。

コンビニなどでの若者の言葉遣いが取りざたされますが、言葉遣いだけでなく、言い方も問題である場合は多いと思います。

サービスの説明や注文の復唱などで何を言っているのか分からない人がいます。

やはり、決められた台詞に気持ちが入っていない、相手に伝えようとする気持ちがないからではないでしょうか。気持ちのある人は、ちゃんと相手に通じたかどうか確認しながらしゃべります。

こういった事は、実は顧客サービスや印象の上でとても大きな影響を与えます。

実演販売の販促力。

昔から実演販売は人気がありますね。面白おかしくしかも見事に実演されると、
理由もなく欲しくなってしまいます。

この「理由もなく」というところが大事なのだと思います。
必要かどうかは別にして、感情的にもう欲しいと思ってしまう。これが一番強力です。

最近は、音楽でも、アマチュアが自主制作CDをライブで販売したりしていて、それが結構売れるそうです。実演販売と同じですね。

このような実演販売は、他の商品でも考えられるのではないでしょうか。

おもちゃや、文具品、用具関係などは有効ではないでしょうか。
食品などは、製造過程を見せるということと似ていますがやはり商品を使って見事な料理をつくると理由もなくやってみたくなるのではないでしょうか。

実演販売は、別名デモ(デモンストレーション)とも言いますが、デモっていうとなんか事務的な感じがします。実演販売というと演じるところが味噌という気がします。
いかに魅力的に見せるか、それが実演販売の肝ですね。

情報管理上のオーソドックスな営業の価値

情報管理する上で、オーソドックスな対面営業は最も安心です。

客先に行って口頭で商品の説明をしますから、お客さん以外には知れません。
お客さんが口コミで広げる程度です。
新しい事業や商品などは、対面で売ってみて感触をつかんでから打って出る方が良いです。

対面する方が、反応もよく分かります。

詐欺のやりくちに学ぶ−4

「空気」は人間を支配します。
人間は、特に控えめが美徳とされる日本人は
「空気」に弱いです。

電話詐欺の「空気」づくりは、
話し方ではないでしょうか。

しかし、つまるところ、人と人とのコミュニケーションで
もっとも大きいのが話し方です。

話のうまい人に乗せられたというのはよく言うことです。

話し方のニュアンス、間、リズムなど
相手にあわせて変えることで、
相手は乗せられていきます。

これは、商売でも同じです。

会話でなくても、DMヤチラシなどの
コピーでも同じです。

話し方や言い回し、デザインなどによって
「空気」は作られます。

そういった面で、とても重要な「空気」を
おろそかにしている販促物は実に多いです。

詐欺師の「空気」づくりは、
コミュニケーションにおいてとても重要なことです。

物事には必ず両面がありますが、
「空気」が正に働くと商売上手、
負に働くと詐欺になるということですね。

詐欺のやりくちに学ぶ−2

いろいろ見ていると、詐欺の信用させる手口の
大きなポイントは「空気」だということです。

分かっていてだまされた人も
実際に電話がかかってきたらその「空気」に
飲まれて信用するもしないもなく、
流れに乗ってしまったと話していました。

電話だけで「空気」をつくる詐欺もすごいなあと
変なところに感心しましたが、
それは話す勢いではないでしょうか。

相手に考えさせる隙を与えず
立て板に水のごとき話を進められてしまうと
誰しも流れになってしまうところがあります。

また、人間は、自分の行動を肯定したがる習性があるので、
そういったことも作用して、
どんどん深みにはまっていくのではないかと思います。

詐欺のやりくちに学ぶ-1

詐欺というのは、手を変え品を変え、なくならないものです。
なくならないと言うことは、
それだけだまされる人もいるということです。

以前テレビで検証していましたが、
振り込み詐欺について良く承知していて、
自分はかからないと思っていた人がひっかかり
お金を取られる寸前で、気がついた例がありました。

なぜ詐欺にかかるかといえば、
詐欺は信用させることがうまいのです。

信用するからひっかかるわけで、
ウソだとうたがっていてかかる人はいません。

その信用させるやり方は、商売にとっては、
ある面重要なことです。

詐欺は犯罪ですが、詐欺師の信用させる手口を
考察するのは商売の勉強になります。