衝動買い。

https://diamond.jp/articles/-/172735

この記事に、山で遭難する理由について、山で道に迷った時、元来た道を引き返すのが鉄則なのに、多くの人が引き返せないそうです。理由は、迷ったことである種のパニック状態に陥って冷静な判断ができないからだと書いてあります。

人間はパニックになると正しい判断ができなくなる。衝動買いもこれではないかと思います。思わず見つけた商品に心を奪われ、舞い上がってしまうのは、一種のパニック状態です。
ここの中には、もう「買うぞ」という衝動が生まれています。冷静に、損得や必要の是非などを検討してから行くべきなのに、道は「買う」しか見えなくなってしまいます。

逆手に意地悪く考えると、そういったパニックを起こすような状況をつくれば、衝動買いしてくれるということです。そのひとつがバーゲンであり、特別会員様セールなどもその仲間でしょう。
もうひとつは、人間は自分の心の中を言い当てられると妙にそわそわします。密かに好意を持っていた女の子のことを友人に言い当てられると焦ったり取り乱したりします(笑)パニック状態です。
広告やPOPのコピーも同じです。心の奥を言い当てられた人はそわそわします。そうなるとそのことが気になって仕方がありません。マインドシェアを奪われてしまいます。
人間の心理と行動は面白いものです。

定石かバクチか。

バルミューダという、2万円するトースターで有名になった家電メーカーを作った人の話。というか自伝を読みました。

両親の離婚や母の死を経て、高校を中退した半分不良男が、ミュージシャンになって挫折もし、その後にバルミューダを設立するというドラマチックな話でもちろん実話。

「強い意志と情熱さえあれば、ノウハウや環境は後からついてくる」という見本のような話で、面白いし感心します。

とても文章が上手く、生い立ちの話から引き込まれるし絵が浮かびます。バルミューダの会社としての存在の仕方というかマインドが、バンド的な考えというのがミュージシャンらしいし共感します。デザインや製品が彼そのものだというのが良く分かるし、タイトルもミュージシャンらしいなあと思います。

マーケティングリサーチをしてモノを作るというのが定石である中、その対極にあるようなモノづくり。
「定石」というのは結局ボリュームゾーンだということであり、フォロワーなのです。頭ひとつ出ようとすれば、よほどの資本力がない限り定石では難しい。
資本力のあるアップルでさえ定石ではない。というより、定石を打たず革新を起こしてきたからアップルがあるというべきでしょう。定石ではないのだから、レアケースであるとも言えます。しかし、やっている本人たちは、強い意思と情熱、確信や良い意味での勘違いなどに見舞われて、定石であるとかレアであるとか考えていないはずだ。熱にうなされたようにやっていたはずです。
ある面バクチであり、だからこそ対極に定石が存在する。面白いのはどちらかといえば、そりゃ、バクチの方です。リスクがあるけど面白い。
無難だけど面白くないのが定石。しかし、定石をやっていても売れないという時代でもあります。定石にほどよくバクチ要素を加えたくらいが良いのかも知れませんが、そういうのは、どこか嘘くさく見えるのかも知れません。

偶然は、理由があってやってくる。

いろいろ戦略を立てて販売しても思うように売れなかったりすることは多々あることです。
そのとき、思いもよらない先から注文が入ったり、意外な人が買っていったり、
この人が一体何に使うんだろうと思うような売れ方をすることがあります。

これを偶然売れたと思ってはいけません。
お金を払って買うには必ず理由があります。
その理由が、その人だけのことなのか、
同じような人が他にもいそうなのかによって、新しい需要が見つかります。

建材の販売店が、素人用に半練りの使いやすい漆喰を売り出したところ、
ひとりの人が大量に買ったそうです。

不思議に思って聞いてみると、左官職人、つまりプロなのです。
なぜ素人用の半練りを買うのかを尋ねたら、
人手不足でアシスタント(つまり練る人)がいない。
半練りの漆喰なら、アシスタントなしで使えると言うことだったそうです。

そこで、半練り漆喰商品をプロ用に仕立てたら爆発的に売れたそうです。

たまたま売れたは、新しい需要の種かも知れません。

スローガンの決め方。

ある市民団体のスローガンの相談を受けて、
幹部の方たちで考えたスローガンの案を見せて頂きました。

とても当たり前で無難な言葉が並んでいて、
あってもなくても良いようなスローガン案ばかりでした。

こういった場合に多いのが、
状況描写で終わってしまっているケースです。
みんなの○○○とか、未来へ向かう○○○とか・・・・

だからいまひとつしっくりこないんです。
気持ちが入っていないんですね。

そういったことを申し上げると、考えるのは面倒だとか、
なかなかみんなが集まるのが大変だとか、
意見を合わせるのが難しいとか言われるので、尋ねてみました。
「そんな、大変で面倒な思いまでしてなぜこの活動をやっているのですか?」
そうすると、あれこれ思いの入った返答が返ってきました。
そこで、申し上げました。
「その思いをスローガンにしましょうよ」

なるほどと思われたのか、その後に見せて頂いた案には、
その団体ならではの言葉が散りばめられていました。

お客さんを知ること。

商売は、お客さんありきです。
お客さんがいなければ商売は成り立ちません。
商品も販促も誰に向けて行うかと言えばお客さんです。

ですからお客さんを知ることは、商売の第一歩なのです。
しかし、多くの企業は、お客さんより
自社の商品や業態の方に目が行ってしまって、
お客さんのことを忘れる、もしくは、
お客さんをよく知ることなく商品を作ってしまいます。
お客さんのいない商品を作っても無意味です。

また、少し大きな規模の企業になると、
お客さんは、ターゲットと名前を変え、
ますますリアリティがなくなり、
そのディテールが漠然としていきます。

お客さんを研究しないのに、
その見えないお客さんへの
見せ方やサービスを考えようとします。
考えられる道理がありません。

もし、お客さんがどう望んでいるか100%明確に分かれば、
商品や販促などは何をすれば良いか、
考えなくても自ずと決まってきます。

しかし、100%分かると言うことは皆無ですので
より100%に近く精度を高めないといけないのです。

お客さんをより詳しく知ることで、
商品やサービス、販促に何をすれば良いかが
考えやすくなります。当たり前のことです。

繰り返しますが、お客さんの要望が
100%分かれば、何を提供すれば良いかが分かります。
こんなに楽なことはありません。

分からないからこそ、どうやって知るかということが大事で
いつもお客さんのことばかり考えていないといけないのです。

人間の矛盾。

スーパーで、1円単位の価格差を子細に検討するのに
何千万の不動産をいい加減に買ったりします。

必要なものをなかなか買わないのに
必要でないものを衝動買いしたりします。

本当は感動を求めているのに
感動したことには値段がつけられず
機能が満たされることについては値段がつけられます。

理屈ばかり言うのに
最後は、感情で判断したりします。

マーケティングは、人間の矛盾との
せめぎあいでもあります。

お客さんの衝動をイメージする。

マーケティング上最も重要なポイントが
お客さんの購買衝動です。

何を感じて買おうと決めるのか、
これが簡単に分かれば苦労はしません。

しかし、なんとか分からなくては、
偶然に期待して売るしかできなくなります。

マーケットやタイミング(状況)によっては
モノを見せるだけで衝動が起こる場合もあります。
例えば、雨が降ってきたときに、
店頭に安いビニール傘を並べると売れていきます。
状況的にお客さんが求めているからです。

しかし、いまや多くの商品は、特にそういった
緊急のニーズがないため
普通に並べていたのでは売れにくい時代です。
そこで、お客さんの中に衝動を起こすマーケティングが
必要になってきます。

ちょっとした情報を付加するだけで、
お客さんの心に欲しい衝動が生まれ
それを育てていくと購買につながります。

その情報が何かを突き止めるには、
お客さんの衝動(=心情)をイメージしなくてはいけません。

すでにある商品を付加情報によって売る場合は、
多くの場合、感性消費なので(付加価値で売る)、
お客さんが何にワクワクするかというかという事です。

今や多くの商品が、このマーケティングをしないと売れない時代です。

あこがれの心。

イメージする客層(ターゲット)に向けて販売しても
実際にそれを買う人の多くは、そういう層に
あこがれる層だったりします。

例えば、高級品は、お金持ちに憧れるプチリッチ層、
大人モードの商品は、大人に憧れる若年層という具合です。

そういう購買は、「あこがれ心」を満足させる購買です。
モノがあふれる現代では、この心を満足させるための購買が
とても多いのです。

だから、その「心」を考えなければ商品開発も
販促も効果が上がりませんね。

なぜ買わないかを考える。

マーケティングは、買ってもらうためにいろいろやるわけですが、
やっているうちに売ることが目的になってしまって、
お客さんとずれてしまうことがあります。

目的は買って頂くことです。
売ると買っていただくは、少し違います。
売るは、こちらの都合です。
買っていただくは、お客さんの都合を考えることです。

売ることばかりに気を取られると、
なぜ買っていただけないのかを考えることを忘れがちです。

買っていただけない理由が分かれば、
そこを改善するだけです。

どうして売るかよりも、
なぜ買わないかを考える方が早道です。

マーケティングのジキルとハイド。

マーケティングには良い面と悪い面があります。

必要としている人に、より合理的に商品を届けるのは、
良いことですが、飽和状態の消費社会では、
マーケティングは、悪く言えば
必要としていない人にムリヤリ買わせることでもあります。

本質はどうであれ、結果的にお客さんが満足していれば
いいじゃないかということでもあるのですが、
そういう場合でも、お客さんはどこかそらぞらしさを
感じているのではないかと思います。

実際、現代社会は大量のゴミにあふれています。
もちろんゴミの原因はそれだけではありませんが、
そういうもやもやしたものが社会全体に
知らない間に蔓延し、その空虚感を埋めるために
また何かを買うということをします。
終わりなき消費社会は、そのような衝動によって
回っているのではないかと思います。

しかし、消費の中でも、ああこれは良かったという
本当に満足する消費もあります。
そういう消費を増やしていくことができれば
もっと心が豊かになるのではないでしょうか。

そのためには、無理のある売り方や商品をなくし、
水が低きに流れるがごとく人々の感情が
自然に購買へ向くようなマーケティングが理想です。

それを言い出すと世の中の回転が鈍ってしまうのかも知れませんが。
しかし、一部では某かそういった純度の高いことが
求められているのではないかと思います。