あこがれの心。

イメージする客層(ターゲット)に向けて販売しても
実際にそれを買う人の多くは、そういう層に
あこがれる層だったりします。

例えば、高級品は、お金持ちに憧れるプチリッチ層、
大人モードの商品は、大人に憧れる若年層という具合です。

そういう購買は、「あこがれ心」を満足させる購買です。
モノがあふれる現代では、この心を満足させるための購買が
とても多いのです。

だから、その「心」を考えなければ商品開発も
販促も効果が上がりませんね。

なぜ買わないかを考える。

マーケティングは、買ってもらうためにいろいろやるわけですが、
やっているうちに売ることが目的になってしまって、
お客さんとずれてしまうことがあります。

目的は買って頂くことです。
売ると買っていただくは、少し違います。
売るは、こちらの都合です。
買っていただくは、お客さんの都合を考えることです。

売ることばかりに気を取られると、
なぜ買っていただけないのかを考えることを忘れがちです。

買っていただけない理由が分かれば、
そこを改善するだけです。

どうして売るかよりも、
なぜ買わないかを考える方が早道です。

マーケティングのジキルとハイド。

マーケティングには良い面と悪い面があります。

必要としている人に、より合理的に商品を届けるのは、
良いことですが、飽和状態の消費社会では、
マーケティングは、悪く言えば
必要としていない人にムリヤリ買わせることでもあります。

本質はどうであれ、結果的にお客さんが満足していれば
いいじゃないかということでもあるのですが、
そういう場合でも、お客さんはどこかそらぞらしさを
感じているのではないかと思います。

実際、現代社会は大量のゴミにあふれています。
もちろんゴミの原因はそれだけではありませんが、
そういうもやもやしたものが社会全体に
知らない間に蔓延し、その空虚感を埋めるために
また何かを買うということをします。
終わりなき消費社会は、そのような衝動によって
回っているのではないかと思います。

しかし、消費の中でも、ああこれは良かったという
本当に満足する消費もあります。
そういう消費を増やしていくことができれば
もっと心が豊かになるのではないでしょうか。

そのためには、無理のある売り方や商品をなくし、
水が低きに流れるがごとく人々の感情が
自然に購買へ向くようなマーケティングが理想です。

それを言い出すと世の中の回転が鈍ってしまうのかも知れませんが。
しかし、一部では某かそういった純度の高いことが
求められているのではないかと思います。

買うきっかけ。

マーケティングでは、ものが売れるには
ニーズがあるという話になりますが、必ずしもそうではありません。

思いもしない商品を買ってしまった経験は誰にでもあるでしょう。
それが、後悔する場合もあれば、
意外と気に入ってずっと大事にしているとか。

つまり、元々ニーズがなくても人は買うのです。
では、ニーズがないのになぜ買うか?

きっかけがあったからです。
ふと目にした商品のデザインが妙に気に入って
急に欲しいという気持ちになって
値段も高くないし買った。

あるいは、何かの食品で、POPに書かれていた
言葉に興味を持って食べてみたくなったとか。

要するに、動機となるような情報を発信していると
その情報をキャッチした何人かが、
買いたいという気持ちになって
何人かは買ってくれます。

大事なのは、動機作りです。

アンチ幼稚化マーケット。

大学生が年々幼稚化していると言われます。
考えてみたら、社会全体がそうなのではないかと思います。
素朴に考えて、昔の人はもっと大人だったと思います。

文明が発達して便利になり、
情報化社会で、努力しなくてもどんどん情報から飛び込んできます。
その結果、体験や思考について
努力をしなくなったということではないでしょうか。

どんどん退化しているのではないかと思います。
社会が何でもしてくれるので、待ち受け状態。
自分の好きなことだけやっていれば生きていけます。
なるほどまるで幼児ですね。

これにはマーケティングも一役買っています。
あれこれ情報を与えてこちらのレールの上に
乗ってもらうのがマーケティングです。
乗ってくるというのは、ある意味乗せられてくるわけです。

こういう流れに一矢を投じる
アンチ幼児マーケットはどうでしょうか?

何でも自分でしなければ事が進まない状況作りです。
しかし、進めば達成感やその他の成果が得られる。

そういうことを求める風潮もあると思います。

デザインの見識。

いろいろな分野で安くてデザインの良いモノが
手に入るようになりました。
ということは、だれでも普通に普段から
良いデザインに接していると言うことです。

特に若い世代は、情報のある時代に育ち、
無垢な感性の頃から良いデザインに接しているので、
それが当たり前になっているとも言えます。

総じて、上の世代よりデザインへの感覚は
良いと言えるのではないでしょうか。

上の世代で、デザインのことは分からないという人は多いです。
また、デザインへの関心の薄い人には、
良いデザインかどうかは見極められないのではないでしょうか。

アップル製品がこれだけ売れる要因のひとつとして
デザインの力は大きいです。

上の世代で、デザインに関心の薄い方は、
デザインというと何か奇抜な形を作るものという概念を
持つ人も少なくありません。
そのため、自社のためのデザインを選ぶ、あるいはつくる際に
妙に装飾の多い、ある意味良くないデザインを支持したりします。

デザインに関心の薄い方が、デザインを扱う業務に
携わってはいけないと思います。
もしくは、携わるなら、デザインについての興味と
ある程度の知識と見識をもったうえで携わるべきです。

むしろ良いデザインが当たり前の時代でもマーケティングでは、
専門家が作ったデザインを判断できる程度の
デザインについての見識は、基本と言えるのではないでしょうか。

マーケットの視点。

マーケットが多様化した今は、
昔のようにライフステージとか収入とかの
一様な視点だけでは把握できません。
嗜好が細分化しているからです。

お金持ちだからこう言うものが好きとか、
庶民はこんなものが好きとかだけでは実態はつかめません。

商品によっては、お金持ちも庶民も好むものもあれば、
そうでないモノもあります。

趣味の世界のものは、お金持ちでなくても
高額商品が売れます。

ファッションの世界では、年齢層でファンが別れるブランドもあれば
老若男女にファンがいるブランドもあります。

むしろそういった感性の切り口を先に持ってきて
その後に収入やライフステージのフィルターをかける方が
把握しやすいと言えます。

自動車や機械品など一見機能や性能で売れそうなものも
商品によっては嗜好で売れます。
実は、ハイエンド商品以外はほとんどそうです。

だから感性の時代(今では古い感じもしますが)と言われるのでしょう。

不利な条件は、本当に不利なのか?

一般的に商売に不利な条件と言われるところでも
繁盛させている企業はあります。
弱点を強みになどと言われますが、
そもそもそれは弱点ではなかったということです。
強み弱みなどというのは、ある価値観を基準にして言うことです。
その基準は漠然としています。

そういう「弱点」でも繁盛させている企業があると言うことは、
問題の本質はほかにあると言うことです。

山奥にあっても街から大勢つめかける
テーマパークのようなレストランがあります。
街中では、土地がありませんし、
周囲にいろいろな建物があって見た目にも邪魔です。
山の中なら土地も安く、周囲に余計なモノがなく、
その世界観の純度が高まります。

これらは、弱みを強みにという話ではありませんね。
ただ、一般的には山奥に飲食を造っても
客は来ないだろうと思われます。
むしろ、そこの意表を突くというか希少性も魅力になります。
状況をうまく生かしただけです。

坂の途中で、しかも店舗が地下で道から階段を降りたところにあり、
道から見えないため周囲からも絶対にうまくいかないと言われた
洋菓子店が、坪単価日本一を誇る店になっています。
店舗は狭く見えにくいのですが、周辺の土地柄を考えて、
あえて店を広げず、ブランド性を高め通販により
ギフト売り上げを飛躍的に拡大しました。
そのおかげで評判を呼び店舗にも人が押し寄せるようになりました。

一件不利に見えることでも商売の本質には
あまり関係ないことも多いのではないでしょうか。

駅から遠くても美味しい店には、行列ができます。
駅前でもうまくいかずに廃業する店もあります。

重要なのは、やはり商品の中身と売り方だということですね。

商圏と交通費のコスト。

商圏を考えるときに、距離や手間ももちろんですが、
お客さんが買い物に来るのにいくらの交通費がかかるのかということも重要な問題です。

街おこしなどで盛り上がっているところでも、
そこに行くのに家族で何千円もかかる場合があります。

ちょっとした休日に4人で4,000円もかかるとしたら
かなり楽しいことがなければ二の足を踏みます。
それだけのコストをかけても元が取れるくらいの内容が必要です。

周辺地域と併せて楽しめるのも有効ですね。
そういうときには、先日書いた「お得な切符」の発想も有効です。

商業施設でも、とくに年の埋め立て地のようなところだと
新交通が結構高かったりして足が遠のきます。
新交通システムのようなものはたいがいが行政がやっているのですが、概ね非常に高いです。
そうするとせっかく新しい街に施設を造ってもそとから来てもらえません。
そのためか、そういう場所の商業施設は成功していません。

投資費用がかかるのは分かりますが、利用者が増えなければ意味がありません
交通費を下げて客を増やして、総合的に収益が上がるような仕組みが必要です。

移動のコストは忘れがちで、しかも片道で考えがちですが往復あります。
片道450円の場所では往復すると1000円近くになります。
2000円の買い物をしても結局3000円近く払うことになります。

商圏を考えるときには交通費のコストも考慮に入れることが必要です。

値段とサービスとイメージ。

安いからといって必ずしも良いわけではありません。
サービスが良くても、高すぎると受け入れられません。
安くてサービスが良くても、どこかイマイチのお店や企業は、
顧客がつきません。

このあたりのバランスは、具体的には表せません。
経営者のセンスや間尺でしかありません。

しかし、この3つを束ねているものはひとつです。
お客さんの心情です。
お客さんの心情が分かれば、3つは自ずと決まってきます。