中間業者という業態。

流通の形態は時代と共に変わります。
かつては、卸、仲卸などいくつもの業者が間に入ることによって商品の分野や情報、流れが整理されて、小売店に流れるようになっていました。
なぜなら、それしか商品や情報の入手ルートがなかったからです。
やがて「中抜き」と言われるように卸を飛ばして直接販売されたりするということが起こってきました。
なぜなら、そういう場合の卸業者は、極端に言えば既得権益的に流すことだけで利益を得ていたからです。

消費者や供給側から見ると「なにもせずに利益を得てずるい」と見えてきたわけです。実際、そういう代理店、卸も相当数あってやはり淘汰されてきました。中間に入る理由のある中間業者は生き残り、理由のない業者は淘汰されるのは道理です。

インターネットが発達してそれらはさらに加速されました。いままで、中間業者の存在意義は、主に「情報」だったからです。
実際、注文を取って商品の配送はメーカーから直接というのは珍しくない。
しかし、情報はインターネットによって消費者とも共有されます。
ITシステムや流通が発達して、中間業者を通さなくても直接買い付けることが出来るようになって来ました。ネットは、中間業者よりもより広いエリアに向けて営業をしてくれ、24時間営業で受注してくれます。
そうなると中間業者の存在理由がどんどんなくなっていきます。

強引に言えば、アマゾンがあれば、なんでも流通してしまいます。
これからは中間業者という業態がどんどん存在理由を失っていく時代ではないかと思います。

もちろん、現実には業態によってはまだまだそうなりにくい場合もあるでしょうが、時間の問題ではないでしょうか。
いまはまだ、ネットが苦手という世代が現役なので、スピードは遅いでしょうが、これから苦手世代が引退し、ネットリテラシーのある世代ばかりになればそういう流れは一気に加速するでしょう。

悪く言えば、現在はネット苦手世代が足かせになって発展のスピードが遅いだけだとも言えるかも知れません。
そううことを踏まえておかないと、変化に対応できないのではないでしょうか。

疑う力。

これからは不確実性の時代だと言われています。変化もどんどん早くなっています。多様化もしてます。今までのように理屈や経験則で何かを解決して行こうという発想がどんどん意味をなくしていると言われています。

従来のように理屈を積み上げて正解を出すということは、すなわち各社同じ正解によって動く問うことであり、同質化するということです。
「膨大な情報を分析して正解を出す」なら、人間よりAIの方がずっと早いです。AIはそのうち今より驚くほど低コストになります。

これからは新しい正解を出すのではなく、新しい世界を見つけることが重要です。それには、疑うことが重要です。人間は、慣れてしまって意味もなく信じて疑うことを忘れてしまいます。
しかし、当たり前になっていることを疑うことで、新しい世界の扉が開きます。

世間からバッシングの多い、元ZOZO創業者の前澤氏は、あるインタビューで「なぜ8時間労働を疑わないのですか?」と聞き手に問うていました。ほとんどの人が8時間労働を当たり前として何も疑問も持ちません。未だに多くの企業、いやほとんどの企業が8時間労働です。
はたしてそれは合理的なのでしょうか?8時間労働にムダはないのでしょうか?
現代の日本の企業は、8時間働くために意味もない仕事を増やしているとも言われます。

不感症になって、意識すらしない当たり前のことを疑ってみるところから新しい世界が見えるかも知れません。

正解が正解ではない時代。

マーケティング(理詰めによるアプローチ)の時代はもう終わろうとしています。本当は既に終わっているのでしょうが、人間がついていってなくて、まだ理屈で結論づけるマーケティングは王道とされています。
しかし、真実はもうすでに象徴的に人々のよく知っている事実として明らかにされています。

「ニュータイプの時代」(山口周著)という本に紹介されていますが、初代iPhoneが発売された2007年に発売された日本の携帯電話のラインナップ。iPhone以外の携帯電話は各社どこも似たような形です。iPhoneだけが全く違います。その後の携帯電話市場は、ご存じのように、iPhoneの1人勝ちです。しかも、日本のメーカーはことごとく携帯電話から撤退してしまいました。

マーケティングを行った結果、各社とも同じ「正解」を得て、それを商品化した結果です。
マーケティングの世界では呪文のように差別化、差別化と言われるのに、皮肉なことに正解を求めると差別化できなくなったわけです。当たり前ですね。1+1=誰がやっても2なのです。理屈で詰めて行くと誰もが同じ答えを得るのです。

そういう理屈で組み立てていくアプローチは、実はもう役に立たない時代なのです。アップルは、マーケティング調査を行わないことで有名です。皮肉なことに正解がことごとく負け、正解かどうか分からないものが勝ち組になったのです。

従来もてはやされてきたMBA的マーケティングの落とし穴は、コモディティ化(同質化する)とうことです。大量消費の時代には、市場が大きいので同質な同業者が共存できたかも知れませんが、多様化の時代では、ひとつのマーケットが小さいので、同質化商品はあぶれてしまいます。
そのことに気づいていない企業は、とても多いことは、現状を見ても明らかです。未だにMBAを重視する傾向さえあります。
今が頭を変えるチャンスなのです。

返品の価値。

アマゾンの魅力が返品システムにもあるというお話。
アマゾンで買って何らかの理由で返品したいとき、その手続きはとても簡単です。WEBで申し込むと返品用のIDが発行され、それを印刷して返品する商品に同梱して着払いで送るだけです。返品の理由や商品によっては多少異なるのかも知れませんが基本的にはこのような手順です。
申込時に理由を選ぶところがあり、備考も加えてとても簡単です。
商品や状況によるのでしょうが、こちらだけの都合でも返品可能です。

日本の企業の現状をすべて調べたわけではありませんが、日本の企業は返品を嫌う傾向にあると思います。返品の理由に制約があったり、難しい手続きだったり、なんとか返品させないようにしたいという意図を感じさせてしまいます。

お客さんとして、どちらの方が安心して買えるでしょうか?明白ですよね。アマゾンの強さはこんなところにもあると思います。売るだけでなくケアの方も学ぶものが多いと思います。

もともとアメリカは返品する文化が発達していて、ランズエンドという通販会社がいかなる理由でも返品OKを始めたのは何十年も前です。
当時のランズエンドによると返品率は全体の0.1%もないそうで、返品のリスクより、これによって得た信頼の方が遙かに大きいとのことでした。
他の通販会社の例では、届いた商品の袋にミシン目を介して返品用の袋がついていて、伝票にもミシン目で返品伝票がついており、返品する商品にチェックを入れて、返品用袋に入れて(封をするノリまでついている)送るだけという驚くほど簡単な仕組みで感心した覚えがあります。20年以上前の話です。

現在もアメリカは、百貨店から何から返品が容易だそうで、クリスマスプレゼントで送られた商品にさえ返品のシステムが明記してあるそうです。

マーケティング的に考えると返品からは、返品理由、アイテム、苦情、お客さんの気持ちなど、貴重な情報が得られます。これをさせないようにするのは、貴重な情報を得る機会を失っているとも言えます。
マーケティング先進国のアメリカではそう考えるのでしょう。

働かせ方。

ツイターでで、ヤマザキパンのクリスマスケーキ売りの短期バイトに行った若者がヤマザキパンの王者の働かせ方に感心したという話が拡散されています。
彼は、年末か何かの短期バイトに行ったのですが、そこで指示されたことはひとつ、「販売数は問わないので、とにかく笑顔で気持ちの良い声で売ってくれ」ということだったと。それは「目の前のはした金より、長い目で見て意味があるのは『良いイメージ』であると。」

彼曰く「販売スキルもなく、教育する時間もない短期バイトを最大限に活用する働かせ方だ。さすが王者の風格」と分析していましたが、まさにそのとおりだと思います。

スキルも何もない若者が短期バイトで行っているのに、基本的にそんなに売れないだろうし、売ることを厳しく言われると困惑するし、萎縮するし、終いには嫌になってしまうかも知れません。

しかし、目先のことだけを考えてる企業なら、そうするかも知れません。
最後に彼はこう結びます。「少なくともその時の僕はここのために頑張ろうと思いましたよね。」こう思わせる効果もあります。

いささかできすぎた話にも思えますが、これはとても正しい話だと思いますし、働き方改革は仕組みだけでなくこういう活用の仕方こそ大事なのだと思います。

北陸で起こった大雪で国道に閉じ込められたときに、ドライバーの判断で積み荷のパンを配ったのもヤマザキパンでした。
企業の明解な美意識が、隅々まで浸透しているのでしょうね。

小売店は「対ネット通販」を考えるべきか?

アメリカでは、3年間で1万店が閉鎖に追いやられたそうです。老舗のシアーズローバックやトイザラスも破綻してしまいました。いずれ日本もそうなると言われています。

しかし、それで店舗を持つ事業者が「対ネット通販」で考えると間違ってしまいます。「ネットにない魅力を」と考えるのは、もちろんなのですが、そこだけにとらわれるのではなく、もっと広い視野でお客さまは何を求めているのかを考えなくてはいけないはずです。

お客さまは、自分にメリットのある買い物をするだけの話です。
小売店がいくらネット通販にない良さ(特長や個性)をと工夫をしても、ネット通販で買う方が便利なものはネット通販で買うでしょう。

ネット通販という業態が生まれて、便利なことこの上ありません。ネット通販で買えるものはそうなるのが自然です。時代が変わったのですから。誰もが便利に安く買えることを望んでいます。そういうニーズにネット通販はぴったりとはまります。

だから、小売店の店頭でそういうものを買う人はネット通販を使えない人と、ついでに買う人だけです。だからいずれ、売れなくなるでしょう。小売店というものそのものが変わっていかないといけない時代なのでしょう。

そんな中でもドンキホーテは、成長を続けています。ドンキホーテでの買い物は「便利」を求めてるのではないわけです。店に来る魅力を提供しているからお客さんはドンキホーテに来るのです。

アマゾンは、お客さまの方を向いて、お客さまにメリットのあることを追求し提供しているのです。小売店がアマゾンを向いて考えるのではなく、お客さまの方を向いて考えることが重要なのです。

SNSの時代だからこそのWEB。

facebookにインスタ、ツイッターなどSNSばやりで、店舗や施設を持つ業態のを持つ事業者が情報発信に使っていると思いますが、それがあるが故に意外とWEBをお持ちでない事業者は多かったりします。
この時代、WEBを持つのは基本だろうと思いきや、作ってもらうとなると費用がかかります。
それなら無料でできるSNSで充分ということになります。実際、そういう業態ではSNSをうまく使うと十分な情報発信ができます。

しかし、困ったことにお客さまは様々なSNSを使っていて、また連携していないSNSもあります。例えばfacebookやmixiとインスタは連携しているけど、Twitterはしていなとか。
そうなるとTwitterだけで発信しているとインスタユーザーには届きにくいとか、その逆もありでやっかいです。
また、SNSは基本的にフロー情報なのでどんどん流れていってしまいます。ひとつひとつの情報は短冊的です。

そういう時に情報発信のベースとしてのWEBの存在が便利で効果もあります。ワードプレスなどを使ったWEBでは、WEB上に各SNSを表示することができるので、WEBにさえ来てもらえば、すべての情報を見ることができるし、逆に言えばSNSでWEBの存在を拡散して呼び込めば、まとまった情報を見てもらえるのです。

実際、SNSで発信されている飲食店などは、SNS、食べログ、その他情報が分散していて不便を感じられているケースもあります。SNSの時代だからこそWEBが便利なのです。

当事務所では、機能や要素を整理し、ワードプレスによるWEBをロープライスで導入できるサービスをご提供しています。

変化する商環境の中で素朴な視点をもつ。

一時は、世界を席巻したForever21の経営危機が報じられ、Dean&Delucaは、本国ではビジネスの継続すらあやぶまれているそうです(日本は好調)。

米国では、ダイヤモンド業界が縮小しているそうです。原因は主たる購入者である結婚適齢期の世代の意識の変化だそうで、ダイヤモンドという商品の売られ方(自分の好きな時に好きなように買うことができない)、価格性、製造背景など、従来なら何の疑いも持たれなかった事への違和感や世代意識とのズレが生まれているとか。そしてそもそも「ダイヤモンドの結婚指輪を贈る」という習慣そのものがkずれつつあるらしいです。
背景には、ネットコンシャスな世代感覚や合成ダイヤモンドのコストダウンと台頭、などいろいろな要因があるようですが、ネット先進国、マーケティング先進国の米国でせ、古い業界体質から転換できずにいたということなのでしょうか。

商環境は、めまぐるしく変わりますね。しかも、そのスピードに加速度がついているような気がします。今は好調な商売でも、気を抜くとあっという間にお客さんがいなくなってしまいそうです。

昔と違って、販売方法、決済方法、製造方法など、商品のアイデアだけでなく商売を構成する要素のスタイルがとても多様化しています。
便利になった分、選び間違うとずれてしまうと言うリスクもあります。

基本は、お客さんが望むモノを望む価格と望む方法で、そして特に今は、ウソ偽りなく提供することだと思います。
洪水のような情報に絡め取られそうになったら、素朴な視点に戻ることが大切なのだと思います。

思い込みの点検。

人間はすぐに思い込んでしまいます。
状況が変わっていても少し前の成功体験が継続すると思ってしまいます。

しかし、実際は違っていたりします。
大手ファミリーレストランチェーンが、24時間営業をやめたら(徐々にやめていったそうです)、7億程度の赤字がでるだろうと予想していたら、逆に7億円の黒字になったそうです。理由は、従業員の意欲や配置が良くなってサービスが充実したとかが大きな理由だそうです。

そもそも、深夜営業をやめたのは、深夜のお客さんが減ったからで、背景にはSNSなどの発達で居ながらにして夜にコミュニケーションをとることができるようになり、「深夜にファミレスに集まって〜」という必要がなくなったという需要の変化があるようです。

これはコンビニでも同じことが言えます。だから、「深夜に開けていないと売上が下がる」はもう過去のことで、「開けていてもさほど売上はあがらない」だろうし「従業員確保が難しい」上に「開けていると赤字になる」という状況なのだと言うことですね。

また、深夜に行っていたお客さんも深夜にしかいけないとうことではなく、開いていくから行くという人もいたはずです。多くの人は営業時間が限られていれば、それに合わせて行くでしょう。
「深夜に開けていなければ」売上が下がるというのは、過去を土台にした思い込みだった、環境はもう変化しているということですね。

大昔ですが、アメリカの通販が「いかなる理由でも返品OK」を打ち出しました。いっぱい返品されそうで怖くなりますが、実際の返品率は1%にも満たないそうで、返品のコストより、「いかなる理由でも返品OK」による安心感(=信頼感)の獲得の方がよほど大きいと言うことでした。「簡単に返品されるリスク」は思い込みで、予想外のメリットが大きかったということです。

「お正月に店を閉めるとライバル店に客を取られる」とか「いつも開いていることがサービスだ」とかお店側は思いますが、利用する側は状況に合わせて考えるし、基本的に良いサービスをしているとお店の事情に合わせて利用してくれるということなのではないでしょうか。
冒頭のファミレスの「従業員が楽になってサービスが充実した結果、売上が伸びた」というのは、そういうことなのでしょう。

過去の成功例を土台にした思い込みは一旦棚に上げて、状況を鑑みて考えることが大切なのだと思います。

マーケットの拡大縮小の性質。

昔からマーケットの広がりは、まずイノベーターと呼ばれる先行層(新しもの好き、感覚が新しい、情報力がある等等)が購入し、世間に知られるように成り、それが「良い」と認識されると、大衆が「私も」マネをして購入し始めボリュームになっていきます。
この法則は、人間の特性だと思いますので、古今東西変わりません。
商品によって状況が異なるので、一概に言えませんが、多くは、ボリューム化すると大手企業が参入し、価格競争になります。(マーケットサイズにもよりますが)最初に売っていたのが小さな企業であれば、早めに撤退した方が安全です。ボリュームが増えて価格が下がると言うことは、基本的には薄利多売になるということです。

さて、人口減少が始まった国内で、これから薄利多売のビジネスモデルは、リスクが大きくなるはずです。
なくなるわけではありませんが、損益の分かれるボリュームを超えられないマーケットが出てくるのでないでしょうか。

時代を遡って考えると、大昔に単価が高かったのに、ある時期単価が劇的に下がった商品があると思います。
もちろん、製造方法などに改革があったことも要因ですが、ボリュームを売ることで(売ることが出来るようになったことで)、利益が得られるようになったためです。ファッションやインテリアなど、生活必需品ではなく、生活充実品です。豊かになって、今までは、それほどファッションやインテリアに気を遣わなくなった人も、そこに消費をするようになりました。

「レトロ感覚のインテリア」「北欧風の家具」「アジアンリゾート風」みたいな本来一部の趣味的なテイストであるものもメディアで紹介されることでボリューム化していったのは、よく考えると不思議でもあります。

しかし、マーケットが縮小してくると、シェアが上位の商品(企業)以外は採算が取れなくなるはずです。必要なボリュームを確保できなくなるからです。それはつまり、商品の選択肢(一般市場として)も少なくなると言うことです。そうなると、こういった趣味性の世界は広がりがなくなり、趣味性の高いお店まで行って探すほどではない一般消費者は興味がなくなります。
そうなるとボリュームはさらに小さくなり、シェア上位の商品ですら成立しにくくなります。

こういたことが、今後はあちこちで起こってくるのではないでしょうか。