企業の社会貢献への姿勢とは。

アウトドアウエアメーカーの「パタゴニア」が、社員を選挙に行かせるため、投票日の直営店は一斉休業にすると発表しました。投票日は日曜日、「パタゴニア」にとっては稼ぎ時のはずです。
普段でも正月以外で一斉休業をすることはないと言います。それほどのことを決断した背景には、創業者の確固たるポリシーがあり、それが言葉だけでなく、会社の行動規範として具現化されているからです。

社会貢献を掲げる企業は多いですが、それが企業全体の行動規範まで染み渡っている企業は極めて少ないのではないでしょうか。
大手企業の不祥事が多発していますが、どの企業も社会貢献の精神を掲げています。

パタゴニアの創業者は「私はいつも地球に良いかを優先することで利益を上げてきた。」と言います。
数年前に話題になったアメリカでの広告があります。
フリースのジャケットの写真に
「Don’t Buy This Jacket(このジャケットを買わないで)」のコピー。主旨は「必要なければ本当に購入してほしくない」ということです(必要のない人が買うと捨てられてゴミになり環境を破壊する)。

現代のマーケティングは、乱暴に言えば「必要と思っていない人にも必要と思わせて無理矢理買わせる」といっても過言ではありませんが、それとはまったく反対のマーケティングです。その結果としては、最高の売上を記録したそうですが、これは結果としてそうなっただけで、それを狙ったあざとい戦略ではありません。

また、これをそういう思想もない企業がマネしてもダメです。見透かされてしまいます。パタゴニアがこれができるのは、「私はいつも地球に良いかを優先することで利益を上げてきた。」という思想が普段から全社に徹底しているからです。

パタゴニアの創業者は言います。「馬鹿げてるように思うかもしれませんが、私はいつも決断をする時、それが地球のためによいかということを優先して考えることで利益を上げてきました。私たちのお客さんはそのことを知っているでしょうし、彼らも地球環境のために何かしたいのではないでしょうか。」

パタゴニアの他の社員はこうも述べています。「広告業界が以前のように機能することはないでしょう。誰もが広告を疑っているので、Clever(賢い)な人たちにはもう相手にされません。

Clear(明確)が新しい時代のClever(賢い)になります。とにかく自分のメッセージを明確に伝えることが求められる時代になってきているのではないでしょうか。」(ネット記事より)

ツイッター創業者は、社会貢献について「社会貢献をしない会社は競争面でも不利になる」と言っており、ヴァージンのリチャード・ブランソンも、「企業は利益を考えるよりも社会に与える明確な目的を持たなければならない」と何度も繰り返しているそうです。

もう、企業のブラックボックスが通用した昭和の時代ではありません。企業が見かけだけ社会貢献を打ち出してもいずればれてしまう時代です。
まだ、そういうことに無頓着な世代が多い日本のマーケットですが、徐々に大衆は賢くなり、また若い層ほどそういうコトに敏感です。
企業は、体質そのものを変えていかないと、嘘がばれて大問題になったタレントの闇営業問題のように、ヘタに見かけだけの社会貢献を打ち出すと返って企業の価値を下げてしまいます。
経営者が、社会と自社の関わりについて、本気で考えなければいけない時代です。

2019.7.12

「レンタルなんもしない人」

「何にもせず傍らにいるだけ」という超ユニークなサービスを行っている人がいます。「レンタルなんもしない人」。
すでに話題で本も出たり連載が始まったりしているようです。
ツイッターのフォロワーも11万人を超え、多くの人がその活動を楽しみにしているようです。名前も良いですね。「なんも」というところがいかにも「ただ傍らにいるだけですよ、良いですね?」とサービス内容の承諾を念押ししているようにも聞こえます。

依頼の内容は、様々で、記事によると、離婚届の提出の同行、痔の手術への同行、裁判の傍聴、医師国家試験の合格発表見届け・・・などなど多彩で、1日3〜4件の依頼をこなしているそうです。

収支が気になるところですが、「貯金を取り崩して行っている」そうなので、決して儲かってはいないようです。依頼したいと思っても、料金が見合わないと依頼しないだろうし、逆に特に決めてないからこそ依頼者が現れるのでしょう。
しかし、その依頼、つまりニーズ(=困っている、あるいはして欲しい)は、たくさんあるということですね。

社会というのは何らかの枠組みがあります。現代人はその中でい来ています。だから安心が得られるというのが社会の利点です。しかし、ものごとには必ず両面があるので、安心を得る代わりに、どこか息苦しさを無意識に受け入れているのではないでしょうか。そういった、息苦しさが「なんもしない人」を雇うことで緩和されるのではないのかなと思います。ある種のヒーリング効果というような。
以前読んだ動物のヒーリング効果の本で、動物病院の治療において、その病院が飼っている犬が傍らにいるだけで、治療に来た動物の様子や治癒が違ってくると言う話を読みました。

「なんもしない人」を依頼する人は、若い人が多いようだし、まだまだその効果について、商売として見合う対価を払う人は少ないのかも知れません。
しかし、この先、ネットコミュニケーションが発達し、社会の仕組みが複雑になると、息苦しさも増えて、こういうサービスへの価値が認識され、対価も見合うようになるのかも知れません。
また、ある意味「誰でもできる」ため、誰もが気軽に頼むという時代がやってくるのか?なんて思ったりもします。

「なんもしない人」に依頼がたくさん来るという現象は、これからの時代の何かヒントがあるような気がしてなりません。

いまは儲からないけど「なんもしない人」は依頼をこなしながら、とても貴重な仕入れをしている時期なのかも知れないなぁなどと思ったりもします。

拡大する心の快適。

立ち飲みの新しいビジネスモデルで躍進中の「晩杯屋」。名前も面白いですが、店内には「肘つき禁止」「暴言や迷惑行為は出入り禁止」「迷惑行為は即刻警察に通報します」など、店内の雰囲気を壊す行為を禁止する貼り紙がしてあります。こういうお店が増えています。

お客さんの快適を確保するのが第一でしょうが、お店としてもトラブル等で余計な手間を取られたくありません。

これまでは「お客さまは神様です」的な(間違った捉え方の)”お客さま第一”が多かったですが、最近は「正しい客」を第一とする姿勢を打ち出している会社も多くなりました。

「お客さまは神様です」を当たり前としてきた古い世代に対し、「違うんじゃない?」と思っていた新しい世代の経営者が増えてきたのではないでしょうか。
これも、世の中のインターネットを典型とする民主化(=正直者がバカを見ない)と合理的志向の流れの中にあると思います。

以前、星野リゾートが「喫煙者は採用しない」と打ち出して話題になりましたが、その理由も、お客さまサービスや経営という視点から非常に合理的なものでした。

ZOZOの6時間勤務や未来工業の「ホウレンソウ禁止」も従来当たり前とされてきた「苦痛」を取り払ったものとも言えます。これも背景にあるのは、従業員の快適です。

日本は、独特の精神性や文化性などにより、昔からの非合理的な仕組みや慣習やおかしな考えが、当たり前のこととしておざなりになっていたりします。そういった悪しき常識を疑い改善することで、お客さんも会社も心が快適になります。

お店やオフィスのハードを快適にするだけでなく、こういった心の快適こそ、人間は本当の快適を感じるのではないでしょうか。

2019.7.6

「私は、ITは苦手」の取り残され度。

未だにインターネットやパソコンが苦手という人がおられます。ガラケーの人もいます。商売をやる上で、それたとても損なのではないかと思います。

ITのツールは、最先端を知らなくても、そこそこ世間並みについて行っておかなけらば、ワケが分からなくなります。デジタルデバイドがどんどん拡大します。

特に経営者の方は、細かいことは知らなくても、どんなことができるようになっているのかということを大ざっぱでも把握しておくことは重要だと思います。
知らなくて得することはひとつもないと言えます。

今まで、出来なかったことが可能になる。今まで想像もしなかったことができるようになる。それがIT技術の進化の凄いところです。

例えば、スマホの無料アプリで、室内の寸法が簡単に測れたり、未知で見かけた花の写真を撮って、すぐにそれが何という花なのかが分かったり、カフェで聞こえてきた音楽が誰の何という曲なのか、どのCDなのかがわかったり・・・・画像認識、音声認識、AIなど様々な技術が使われているのに、無料だったりします。そういうものを普通の人が当たり前に使う時代です。

QRコード決済などもそうです。「よくわからない」ではなくて、積極的に分かろうとすることが大切です。

携帯電話が社会のインフラになっているように、インターネットもすでに社会のインフラです。さらに5Gの時代になると、エネルギーインフラと同じ次元で社会に組み込まれるでしょう。

そうなるとそれらを前提として社会ができあがっていきます。単なる社会の一員としての利用者なら、便利になって良かったと言う話ですが、商売をして行くならその先手に意識を持っておかなければなりません。

社会がそうなると、どういうことが起こるのか、具体的に予測できることもあれば、予測は出来ないけど可能性は想像できることもあります。

苦手意識を持っていると、そういった思考が停止してしまいます。
常に波の端っこにでも乗っかっているように、取り急ぎは、ガラケーをスマホに替えるところからスタートしてみませんか。

アンケートをバカにしてはいけない。

アップルのように「マーケットリサーチはやらない」という企業も多いですが、コトと次第によります。
明確なコンセプトがすでにあってマーケティングを行っている場合は良いですが、マーケットを掴みかねている場合は、何らかの調査をして傾向や糸口を掴むことができます。

マーケットリサーチというと大袈裟なイメージですが、大がかりなリサーチをしなくても、5問ほどのアンケートでも、大きな手がかりが得られることがあります。
回答に意外なことがあったり、集計してみると、意外な傾向が見えてきたりということがあるからです。
しかし、それらもちゃんと調査設計をして戦略的にアンケートを行わなければ価値のある結果は得にくい場合が多いです。

ありがちなのは、何らかの効果測定や調査をしないと社内に報告できないため、担当者(素人)が見よう見まねでありがちな質問を設定し、回答を集計して、有り体な報告書にまとめるという流れです。

せっかく、調査する機会があるのに誠にもったいないことです。
上記のような流れで実施されたアンケートでも集計の仕方や分析の仕方では、新たな事実が見えてくることがあります。

以前行ったエネルギー企業のケースでは、何の思惑もなく訪問PRの”ついでに”かいてもらっていた5問ほどのアンケートが、何の整理もされずに1万5千件もたまっていました。
それをとりあえず集計し、その後さらにクロス集計などをして、分類分析すると、訪問時の会話ではなかなか分からなかった傾向が見えてきたことがあります。その糸口をさらに、その後の訪問で質問してもらうことにより検証し、その後のマーケティング活動の方向性の重要な情報になりました。

こういった集計や分析の仕方は、やはり専門家が行う方がよいです。いろいろなケースを知ってるので、視点が豊富で仮説を立てる想像力も働きます。

たとえ5問程度のアンケートでも、まず、何を知りたいか、何を知るべきか、そのためには何を聞けば良いか。そして、結果をどう整理すれば良いか、結果をどこからどう見れば良いか、それをどう捉えるのかという風に行えば、新たな重要な情報を得られることがあります。

ミンチカツのタマネギ効果。

見せ方や売り方の上手さは、とても些細な事だったりします。
当たり前のことでもひと言添えるだけで、お客さんには全然違って非bきます。

例えば、スーパーの総菜。ミンチカツの売り場にただ「ミンチカツ150円」と書くより「タマネギいっぱいミンチカツ」と書く方が食欲をそそられます。

夏の暑い昼間、ふと見かけた喫茶店で「涼しい店内で、気持ち良いおしぼり、キューッと冷たいアイスコーヒーをどうぞ」と書いてあると思わず入りたくなります。

これらプラスで書いてあることは特別なことではありません。その場面を描写しているだけとも言えます。しかし、それによってこちらの想像力が働いてイメージできるのと、少なくとも書いてあることは保証されるという安心感があります。

そんなも想像したら分かるだろうと思っていると違います。自分に興味の無いことは、いちいち想像しないんです。でも興味のあることが書いてあると想像します。人間は、情報を与えられると自動的に頭が働いて想像してしまう動物なのです。

それと実は安心感も大きいのです。

以前、大手の通販カタログを作っていたときに同じ商品、同じコピーなのに、違うレイアウトにして倍売れたことがあります。
商品は、赤ちゃん用のゆりかごベッド的な商品。初回掲載時は、コピーは、商品番号や価格と一緒に端にきれいにレイアウトされていました。
2回目掲載時は、コピーを1行ずつ分解し、商品写真から引きだし線をだして、該当箇所にレイアウトしました。
なんと、これが初回の2倍売れたのです。
引きだし線で示すことにより、分かりやすいことと安心感があるのだと思います。

こういう些細な事で売れ行きが変わります。

公平な時代、文化が差別化に。

誰もが分け隔て無く情報を共有できるようにしたインターネットが世の中を変えました。
「誰もが分け隔て無く情報を共有できる」とうのは公平であると同時に、嘘やごまかしがしにくくなったと言うことでもあります。
最近の隠蔽事件や不祥事のニュースなどは、誤魔化していてもいずれバレるということを証明しています。

価格も価格.comに象徴されるように、どこが一番安いかが歴然と示されてしまいます。ですからそういった商品の販売店は、真剣にサービスの差別化を考えないと、価格が安いところに勝てません。アマゾンが強いのも品揃えだけでなく、トップクラスの低価格だからです。

ブロックチェーンが普及してくると金融も同じように公平化されていくでしょう。つまり世の中は、情報に於いてはどんどん公平化されていくということです。

商品作りや自社だけのノウハウは表に出ては困ります。しかし、それが完全に守られるかどうかは分かりません。どれだけセキュリティを強化していても、そこにいた従業員が退職し、世間に話せば簡単に公開することができます。そこは、仕組みでは防ぎようがありません。

ではどうするのか?
最後に差別化や情報漏洩の抑制ができるのは、美意識も含めた文化です。

文化だけは、なかなか見た目では分かりませんし、文章でも分かりません、その企業のいろいろな面の断片から総合的に感じる物です。だから他社には、真似ができないのです。

ブランド性と本質的には、同じですが、企業の文化は、対外だけでなく社内にも効果を及ぼします。
社内からの情報漏洩や隠蔽などを防ぐのも、従業員や元従業員にそういう気持ちにさせない企業文化(美意識)が効果を発揮するでしょうし、万一情報漏洩しても企業の損失につながらない(=他社にマネされない)文化の在り方というものがあります。

ある大手化学製品メーカーは、社内の製造ラインを驚くほど公に取材させてくれるという話が載っていました。普通なら企業秘密になるようなことでも見せてくれると。その理由としては、「他社が同じスペックや材料を使っても我が社と同じような商品は作れない。それは企業文化が違うから」と言うことでした。

企業の文化は、採用にも効果を発揮します。自社の文化が強固であれば、採用時にどのような人を採用すれば良いかが明快です。自社に合う人ばかりであればトラブルも少なくなります。
そもそも漏洩させるような人を採用しなくても済むかも知れません。また、自社の文化を明快に語ることができればそれに魅力を感じて優秀な人材が採用できるということもあるかも知れません。
自社の文化をつくるということは、とても効率用の良い企業活動を生み出します。
グーグルの採用基準の一番目は「自社の文化に合うかどうか」だそうです。

今、世界のトップ企業でも幹部が美意識を鍛えるということに注力しているようです。

情報が共有される時代、以前なら差別化要素になったスペックやノウハウだけにこだわっていても差別化できないと言えるかも知れません。

5%×5%=実行することの難しさ。

「こんな商売があったら、ヒットするんじゃないか?」的な話は、しばしば知人との会話の中で交わされたりします。

盛り上がって話を詰めていって「これ行けるんじゃない?」とかなり真剣になってきて、自分でも、これは良いかもしれないと思い始めます。

そしてふと「いや、しかし、こういうことは誰かが考えてやってるだろう」と冷静になってしまってその話は終わってしまったりします。

こうやって新事業を思いついた人の中で、実際にやってみる人は5%だと言われ、さらにその中で、苦難を乗り越えてやり続ける人は、また5%だと言われます。

つまり0.05×0.05=0.0025
事業を思いついた人の中でやり続ける人は0.25%しかいないのです。
10,000人の中で25人です。1,000人だと3人もいません。
その人達が成功を勝ち取るのかも知れません。

この話からは2つのことが分かります。

1つは、競争相手は多くないということ。
「きっと誰かがやっているだろう」と思いきや、意外とやっていないのです。だから、特別新しいアイデアでなくても成功する可能性は十分にあるということです。

2つ目は、実行してもやり続けることは難しいということ。
せっかく実行したのに、うまくいかなくなって途中であきらめてしまう人が95%もいると言うことです。
逆に言えば、そこを乗り越えられると成功するということ。
そのためには、まず情熱が必要です。そして試行錯誤調整してい行く柔軟さ、判断力。

世の中には、商売のアイデアが語られているはずですが、それを具現化する人は希であるということです。それをチャンスと捉えるか、無理なことと捉えるかは、その人次第ですね。

競合は、同業だけではない。

競合は、販売訴求する上で視野に入れておかなければいけない要素です。いまどきは、よほど新しい事業でない限り競合は必ずいます。
また、競合というと、横の視点で同業他社と思いがちですが、それだけではありません。多様化した現代では、他業種、他の商品が競合になって来ます。

かつてマクドナルドが100円バーガーを発売したとき、同業他社には差別化できましたが、100円になったことで、テイクアウトするお昼ご飯のアイテムとして、同じ100円ラインのコンビニのおにぎりが新たな競合になりました。

今なら、缶コーヒーの競合は、同業他社はもちろん、コンビニの100円コーヒーも競合です。他社が横の視点だとしたら、斜めの視点かも知れません。こういう状況は、利用者の立場にたってみると分かります。

もひとつの例。外貨両替業者の店舗の競合は、他社ももちろんそうですが、もうひとつ、空港での両替も競合になります。
何度か海外旅行に行かれた方は覚えがあると思いますが、あらかじめ外貨に交換するというのは忘れたり面倒だったりで、ぎりぎりの当日に空港で両替をすることになって、混んでいて時間がなくて焦ったりします。

関連団体の調べでは、実際そう言う人は多いようで、そういった利用者をうまく店舗で早めに両替させることができれば、お客さんが増えるわけです。
むしろ、同業他社を競合とみるより、空港での両替行為を競合と見る方が、獲得しやすいかも知れません。これは「街の店舗で両替する」という行為に対して「空港で両替する」という行為としての競合関係です。
こういうことは、縦の視点と言えるかも知れません。

競合と聞いて横の視点だけでみると、他社しか見えませんが、縦や斜めの視点で見ると、新たな競合関係を発見できます。

好きなときに出て、嫌いなことはしなくて良い会社。

働き改革と言われていますが、各企業でなかなか実質的な改革は難しいという話を聞きます。

そもそも「働き方」は企業の風土や文化が大きく影響する事、むしろ、働き方こそ企業文化が反映される分野といえなくもありません。
そう言う面で、今まで「非改革的」働き方を実施していた企業がすぐに「改革的働き方」を実現できるわけがないとまで思ってしまいます。

「改革的働き方」というのが適切なのかどうか分かりませんが、いわゆる社員に無理がかからない働き方をしている会社は昔からあります。

岐阜県に本社のある未来工業は、ビジネスに必須だと言われる「ホウレンソウ」を一切禁止し、年間休暇日数はトップクラス、なくなられた創業社長の山田さんは名物社長でした。GWで会社が長期休みの間、商品が欲しい取引先に倉庫の鍵を渡して「勝手にもって行ってくれ」というエピソードで分かるように、そもそも会社の文化が違います。

何かと話題のZOZO TOWNも、6時間勤務、嫌なことはしなくて良いなど、早くから異なる価値観が垣間見れました。社長の前澤さんは雑誌の取材に「どうして8時間勤務を疑わないのですか?」と答えていましたが、そういうみんなが当たり前の常識としておざなりにしていることへ目を向けることが重要だと思います。

最近もっともユニークだと思ったのは、大阪の海産物加工会社です。
「『好き』を尊重して働きやすく」を最優先し、工場のパート従業員は「好きな日に連絡なしで出勤・欠勤できる」「嫌いな作業はやらなくてよい」というルールなのだそうです。従来の常識ではありえません(笑)
しかし、結果的に、業務は順調で離職率が低下し、採用の際の応募も増えたそうです。

これらの事実から「働き方」の本質は何かということを考える必要があると思います。単に残業をなくしたり、育休をもうけたりと、表面的な施策を打っても、ちゃんとした考え方が背景になければやがて歪みを生むでしょう。
働き方改革は、企業文化の改革でもあると思います。

1964年設立の下着メーカーのトリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社は、残業ゼロに取り組み始めて、実現するまでに13年かかったそうですが、同時に業績もアップしたそうで、働き方の改革にによりその文化が会社に根付き、業績向上も継続するということだと思います。

世代によっても、働くことの価値観は異なります。社会の状況も変化しています。そういったことを踏まえて、本当に何が働く源泉になるのかを深く考えることが必要だと思います。