企業理念の効用は、企業活動の効率化。

企業理念というと、なんとなく中庸なきれい事を並べたようなものだと思われがちですが、 非常に大事なものです。
しかし、企業理念がちゃんと考えてつくられていない企業は実に多いものです。企業理念と言っているけど社是みたいなものだったり、なんとなく当たり障りのない言葉で紡がれていたり。 特に中小企業はその傾向が強いのではないでしょうか。商売を始めてから大きくなっても、特に企業理念など考えなくてもそのまま来れた、あるいは、代が変わって企業形態は引き継がれているけど、創業者の思いなどは明文化されていないという場合も多いと思います。
それでも済むのは、会社の規模が違うからだと思います。 企業規模が小さいと企業理念がなくて企業の行動が多少ぶれてもその影響としては小さいので、損失が小さいもしくは見えないからです。
大手企業は、売上高も大きいため企業活動が少しでもぶれて損失につながるとその額も大きくなります。 だから、より企業活動の精度を高めなければいけないという原則が働きます。
そういう時に企業理念が非常に合理的に働きます。考えると、企業理念ほど企業を合理的に動かせるものはありません。 理念が明確であるほど、社員の行動は明確になり企業活動にはムダがなくなります。 また、気づかなかった自社の使命感のようなものが見えてきて労働意欲がわき起こってきたりします。あるいはビジョンが生まれます。将来像のイメージが広がります。もっと平たく言えば、夢が描けるようになるということです。
そういう面では、たとえ中小企業や個人事業者でも、事業者としての理念を明確にすることは大切であり、ある意味、夢を描くきっかけになる楽しいことでもあります。
くりかえすようですが、企業理念の効用はなんといっても企業活動の効率化です。 企業理念というと、企業イメージだとか、体裁的な方に目が向けられがちですが、実は社員の判断に迷いがなくなってムダがなくなると言うことです。
規範を明解にすると言うことは、日々の企業活動の中で求められる様々な判断が明解になるということです。 何かの対処を求められる場面で、いちいち上司に聞かなくても、どう考えれば良いかが分かる。本人もすぐに判断できて前へ進めるし、上司も聞かれて応える手間暇が不要です。
日々のこういった手間暇が削減されるだけでも、社員数の多い企業では大きな影響を及ぼします。あるいは、理念がはっきりしていないために、幹部が集まってムダな会議をするなどの愚の骨頂が発生しません。 それだけに理念を決めるときは、深く考えしっかりとした考えを落とし込まなければいけません。 社是ではない、企業が社会と関わる根幹の考え方です。それによって企業の将来像や戦略も自ずと立ち上がってきます。
社員一人一人にも会社がどこに向かっているかが理解できれば、そこにやりがいや夢を重ね合わせることもできます。 ただし、企業理念はあくまで企業活動の理念であって、社員のプライベートにまで強要されるべきではありません。社員としての時間だけに留まるべきです。社員はあくまで個人としての理念があるはずで、その上で会社に関わっています。 視点を個人に移せば、個人でも理念がはっきりしていると人生にもムダがありません。 価値観のはっきりしている人は何かと決断も行動も早いと思います。 企業も同じだと言うことになりますね。