ハザードマップについての思い違い。

最近、防災意識が高まり意識されるようになりましたが、ハザードマップって、存在はみんな知っているのに、ちゃんと見ている人は少ないのではないでしょうか。また、ちゃんと見ないわりには、見たらみたでハザードマップを過剰に信用してしまうというねじれ現象があると思います。

防災の仕事をしたことがあります。専門家が言うには「ハザードマップは、あくまである”想定”を元に作ってある。災害は、想定を越えることもある」。考えたら当たり前のことです。
ハザードマップは、過去の災害のデータを元につくってあるので、その「想定」を越える災害が来ないとは言えないのです。

ですから、ハザードマップがあくまで「参考」なのです。危険地域になっているからと言って必ずそうなるとは限らないし、危険地域ではなくても、危険になることもある。
素朴に考えたら、ごくごく当たり前のことです。

最近、ハザードマップで住宅を買ってそこが間違っていて、浸水したというようなニュースがありました。被害に遭われた方はお気の毒ですが、買われるときに少し注意すれば防げたのではないかと思います。
もちろんハザードマップで売り込む業者も業者ですが、買う側もそもそも「ハザードマップで売り込む」こと自体がおかしいことに気づかないといけないと思います。
該当地区の地理を客観的に見れば、災害の可能性はある程度分かります。水のそば、山のそばは、危険です。また、歴史を調べるともともと沼地だったとか、低い地域だとか、という地区は、物理的に水が溜まりやすいなどなど、よく考えるとある程度わかります。そういう素朴な視点を忘れないようにしなければならないと思います。

過去の広島の水害地も、地元の不動産業者の間では、家を建ててはいけない地域として知られていたという話が書いてありました。なのに、家が建って売られてしまった。そのあたりの事情は分かりませんが、わかっていたのにそうなったとは、どういうことでしょう?
昔から、水害が多く、地名もそれを表していたのに、縁起が悪いということで、変えられてしまっていたそうです。縁起が悪いから変えたのか、売るためにかえたのか、後者の場合、人災ともいえる話です。

地名というのも災害の可能性を知る手がかりになります。
少し前に鬼怒川が氾濫しましたが、地名をよく見ると「鬼が怒る川」なのです。しかし、広島の例にあるように、地名というのは、しばしば字を変えられてしまっているので要注意です。
大阪の梅田も元は埋め立てた場所で、「埋田」だったそうです。数年前の台風の時に、浸水して梅田の繁華街は、水浸しになりました。土地が低くて、柔らかく、水が来やすいわけですね。

これから、災害が増えそうです。
住む場所選びは、目先の魅力にとらわれず、まず素朴な視点でチェックする必要があると思います。