ネーミングの留意点。

ネーミングに関する話は山ほどありますので、
その重要さはよく知られていると思いますが、
活用されていないことも多いように感じます。

書いてあることの多くにが、本質が書かれていないからでしょうか。
ネーミングの方法や直接的な効果についてが、
一番分かりやすく、効く部分だからかもしれません。
しかし、その本質や特性を踏まえていないと間違った方向に行ってしまいます。

そもそもネーミングは、「名前をつける」ことです。
名前をつけるということは、「存在を定義する」ことです。

そしてその存在をある決まった人と「共有」することです。
ですから、いかに合理的に「共有」できるかが大事です。

なにかにつけ、名前をつけてあげると「共有」しやすくなります。

名前をつけるとイメージが伴います。
「人はイメージに基づいて行動する」といった哲学者がいますが、そうなんです、人はイメージがあると俄然意識が高まるんですね。行動計画をより具体的にと言われるのも、具体性があるとイメージが生まれるからです。

商品だけでなく、普段の行動や計画、集まり、遊びにも名前をつけると楽しくなります。
日々のまとまった行動や作業にも何らかの名前をつけてあげると、当たり前のことでもなんか楽しいことをするような気になります。

米軍は、作戦によく名前をつけますし、過去に台風などにも「ジェーン」とか女性の名前をつけていました。女性は怒ると恐ろしいというウィットも含まれていると思います。
名前には、認識しやすくなる効果もありますから、台風○○号というよりは、ジェーン台風という法が認識しやすく憶えやすくなります。ちょっとウィットがあるほうが、憶えてもらいやすいですね。

ですので、商品も品番だけでなくちゃんと名前をつけてあげるともっと楽しい感じになると思うのですが、アイテム名と味も素っ気もない品番だけしか与えられていない商品は山ほどあります。

多くの人に共有してもらうには、可愛がってもらう名前があった方が絶対に良いと思います。

<目次>
1.ネーミングの素朴な役割
2.憶えてもらうには
3.ネーミングの決め方

 

1.ネーミングの素朴な役割

ネーミングとはどのようなものでしょうか。
商品や状況によってその目的や効果は違ってきますが、
名前のないモノになんらかの名前をつけるということは、
その存在をより明確にすると言うことであり、
まずは存在を知ってもらうことが第一です。

そのためには、よりユニークな名前である方がよいのですが、
この「ユニーク」というのは概して「変わった」と捉えられがちです。
「変わった」は、リスクも伴います。

まじめで品質が売りの商品に単に「変わった」名前をつけてしまうと
イメージを損ないます。
また、商品の特長を名前に盛り込むべき商品に
変わった名前をつけてしまうのも問題です。

「ユニーク」とは、決して「変わった」ではありません。
独自のと言う意味ですね。

ネーミングは、単に識別できれば良いという時もあります。
その目的を、そもそもは商品の戦略をまず考えるべきものです。

2.憶えてもらうには

存在を明らかにする次は、
なんと言っても憶えてもらうためという場合が多いと思います。

ここで注意したいのは、お洒落なものがよいのか、
面白いものがよいのか、
あえて緒美の分からないモノがよいのかなど
そのテイストの方向性の採択に迫られる場合がありますが、
重要なのは、知らせたい人の「心の中に入るかどうか」ということです。

「心に入るかどうか」と言うのも難しいことで、
その商品のアイテムと世間的な名前の相場との
相関関係にもよります。
平たく言えば、その商品でその名前が現状でアリかどうか、
はまるかどうかと言えるかも知れません。

非常に複合的な要素の結集です。
そのため、ネーミングの正解というのは非常に難しいことで
結果的に成功したかどうかしかないと言えるかも知れません。

例えば「マツモトキヨシ」という名前が
女子高生の定番のお店になったのは結果論で、
「マツモトキヨシ」という名前はダサくても
それ以上に中身が良かったからとも言えますし、
そのダサさが「カワイイ」という感性に受けた面もあると思います。

元々は「マツモトキヨシ」という名前も
他のドラッグストアより目立つために
つけられた「変わった」名前であったはずです。

よく考えるとおかしな名前ですよね。
カタカナにしたとことも成功要因と思います。

要するに、単純にお洒落なものがよいとか
面白いモノが良いとかということではないということです。

肝心なのは、元になる戦略です。
世間に、誰に、どう知らしめたいのか、
その後どうしたいのかという作戦がなければ
何が良いのかは決められません。

3.ネーミングの決め方

ネーミングでありがちな大きな間違いが社内公募です。
しかも、多数決で決めるのは最悪です。
多数決で多いネーミングが必ずしも
良いネーミングではありません。

ネーミングというのは、販売戦略上
とても大事な要素なので、
ちゃんと戦略に則って考えなければいけません。

戦略等を細かく理解していない社員や
事務員の多数決で妥当な名前が決まるはずがありません。

本来ネーミングは、戦略を理解した、
あるいは立案する専門家とともに
じっくり検討すべきものです。

ただし、最後の段になって社長が
脇にいた事務員に聞いて決めた的なエピソードがありますが
あれと社内公募を一緒にしてはいけません。

エピソードは、経営者の最後の勘として
その事務員の感性をフィルターに使っただけで
経営者の頭の中には戦略が組み立てられていたはずです。