アマゾンとの棲み分け。

「アマゾン頼み」と言われるほど、アマゾンへの依存度が高まっています。豊富に品揃えをし、こんな物まで売っているのかという細かい部品や趣味性の高いモノまであります。
いまや世界で最先端最大の販売システムや技術を持ち、これでは既存の販売業者はアマゾンに勝てるわけがないと思いがちですが、そうではありません。

アマゾンは、品揃えが多い分、自分で選ぶということをしなくてはなりません。逆に言えば、自分で選びたい人には最適です。しかし、自分で選べない人、選ぶのが面倒な人には、アマゾンは不便なのです。

また、「自分で選べない人」と書きましたが、実際は同じ1人の人でも、ある分野は自分で選びたいけど、選ぶのが面倒な分野もあるわけです。人間の感情や思考(嗜好)は複雑ですから、単純に分けられるものではありません。

そういう自分で選びたくない買い物の場合。アマゾンにもおすすめなどの機能はありますが、あくまで過去のデータから分析した結果をすすめてくるだけですので、的外れな場合もあったりしますし、そこには販売者の意思や気持ちは感じられません。ここも大事なところで、技術によって効率良く処理された販売システムには、気持ちが感じられないのです。実際入っていませんしね。

例えば、リアル店舗のファッションや雑貨のセレクトショップなどは、すべてを網羅していませんがそこには販売店の意思や気持ちがあります。

自分の嗜好に合った見せに行くと、思いもよらない好物を発見して「分かってるなあ」と喜んだりします。

あるいは、嗜好品ではなくても、例えば何かの道具を買う場合、お店の人に状況や事情を伝えると、「そういうことならこれ」という風に薦めてくれます。
そういった店員さんとの会話も買うだけでなく、知見が広がるし、楽しさもあります。

こういったことは、いくら技術を使っても、なかなか実現できないのではないでしょうか。

ECサイトでチャット形式で相談できるところも増えていますが、チャットと対面では、大きく異なりますし、現状のチャット担当者は「担当者」に過ぎないところが多いでしょう。

それに過去のデータを参考にしても所詮は過去の嗜好しか分かりません。人間は未来を目指して生きています。嗜好も心情も変化します。過去にはまったくない嗜好が生まれたりします。人は良き未来を提案して欲しいのです。良き未来がありそうな買い物をしたいのです。
セレクトショップに行く楽しみはそういう未知の未来が見つかるからではないでしょうか。

また人間には「面倒なことが嫌い」という大きな特性があります。
ある面、アマゾンは、あちこちの店を回る面倒や出かける面倒、店員に説明する面倒、売り場を探す面倒をなくしてくれているのですが、逆に「自分で選ばなければいけない面倒」を生み出しています。

多様化した人々の趣向がなくなることはないでしょう。その面で「分かってくれている店」を求める人は多いはずです。また、商品によっては購買後のアフターケアが安心だということもあるでしょう。

そういう面でアマゾンはオールマイティではないし、他の販売企業の棲み分けの余地は、実は多いにあるのではないでしょうか。

ただし、アマゾンは価格も安いので、選択方法として他の店で商品をみつけて、アマゾンで安く買うという層もいますが、それも結構面倒なことです(笑)